種々の改善・改革を行ったつもりでも痛みを伴う改革に着手していないと、元の状態に戻ってしまいます。

銀行さんからのきつい言葉が身に染み、その時は何とか出口を探そうとされますが、約定の見直しが決まると今まで通りの事業運営に戻られることが多々あります。

他人の手を借りる訳ではないですが、痛みを伴う改革は自分で考え出して、自分で決断をするのは難しいことが多いです。外部の者からの指摘を素直に聞き、
外部の方の協力を得ている間に、着手されることが理想です。

痛みを伴うような大掛かりな改革を行わないと再生案件は軌道に乗りません。
銀行さんが去ってくれるのを待っているだけが目的では寂しいです。そのような方には必ず危機的状況がまた訪れます。

中小企業の事業運営には癖があります。だから経営陣が変わっていない場合、また同じような状況を繰り返します。そうならないためには、ドラスティックな改革が必要です。

血を流す以上の痛みを伴う局面があっても当然です。それぐらいやらないと先がないからです。

銀行さんのせいにする訳ではないですが、銀行さんからの提案があるうちに、赤字部門を処理したり、固定費を大幅にカットするなど、普通ではできないようなことをこの際やるべきです。

後から後悔されるのが見えているからです。
あの時、やっておけばよかったと・・・

大きな決断には勇気がいりますが、支援者が応援してくれている時に行うと気持ちが少しでも楽です。トップは孤独な生き物だと言われますが、頼れる時に頼られることです。

それすらなくなればもう終わりです。甘えれるうちに甘えておくことです。

わかっておられる方ほど、モニタリングの継続を自主的に申し出されます。
えらいです。凄いです。自分というものを戒められているのでしょう。

モニタリングは銀行や支援協議会への説明報告会だけのためにやっているのではないです。目的は事業を継続させるための進捗状況の確認と、未来への可能性を議論する場です。

銀行も来なくなった。支援協議会の方にもお世話にならなくなった。と安心していてはまた同じ局面がやって来るかも・・・

実は、再生はこの時からが本当の意味での再スタートです。経営は自己責任。自分で舵を取って進むようになって初めて再生です。

痛い手術は早めに行うことをおすすめいたします。