財産?
事業?
経営に対する考え方?

目に見える形のあるものは、譲ることが比較的容易です。
大事なのは、目に見えないものをどうやって譲って行くかです。だから時間がかかります。すぐに譲ろうと思っても譲れないはず。

事業承継自体はスキームに則ってやればできるはずです。
ところが、事業に対する考え方・方向性、経営に対する考え方など、目に見えないものを言葉に置き換えて伝承していく必要があります。

分かっているだろう。
今まで俺のやってきたことを見ればわかるはず。
いちいち言葉にしなくても大丈夫だろう。

では困るのです・・・

前任者の考えが事業にどう反映していて、時流の変化にどう対応して行けば良いのか精査する必要があります。

事業承継とは物を譲るのではなく、事業に対する考え方そのものを承継しないと意味がないです。

親子でも考え方、事業の進め方にズレが生じている場合があります。従業員の雇用を守り、さらに事業を安定化させていかなくてはなりません。個々の戦略はいろいろあると思います。しかし、その戦略に裏打ちされた事業に対する考え方の軸をしっかりとさせることです。

事業承継を行った場合、事業そのものよりも従業員が付いてくるか不安です。というご相談があります。

その通りだと思います。給与面は、以前と同じでもトップが変わり方針が変わると予想されると、従業員は考え出します。

人はお金だけでなく、その企業のトップの考え方や今後の事業性で判断されます。

事業承継を行って、自然と人が集まるようになるのが理想です。
事業は人です。どれだけの人が残ってくれるか?あるいはどれだけ新たに人が集まるか?

その状況で今後の事業の成否が決まるのではと思います。
やはり事業は、経営するだけでなく、理念やビジョンなど事業に対する考え方をまとめて行くことが大事ではないでしょうか?