どのホテル・旅館でも料飲部、あるいはレストランは単体で見ると赤字続きです。

やはり、宿泊が一番儲かります。原価がかからず、諸経費も少ないです。
フロントで女性2人という光景を見ることがあると思います。

ところが料飲部は、人が多く、それに客数に合わせて配置と言うことがないようです。午前中から入店し、仕込みに入っておられます。必要最低人員から必要最低売上を出すと、かなりの売上が必要となってきます。

宴会と一般客の両方を取ろうとされているのだとは思いますが、利益ベースで考えるとどこかメスを入れないといけません。

例えば、ランチ営業。1日、2~3万円売れれば良い方でしょう。そのために朝早くから仕込みがスタートするのはどうでしょうか?

またシフトが、いつもある程度いっぱい入っています。朝から夜まで仕事をするのが当たり前の状況です。

お客様の数に合わせてシフトが組めていないのが一番の原因です。いつもピーク時対応ができるようにシフトが組まれ、仕込みも朝からスタートするとなると人件費だけでも負担が大きくなります。

大きな宴会に対応できるようになっています。しかし、昔のような100人以上の宴会はそんなにないはず。

利益の出る組み立てが必要な気がします。
そのためには、思い切って何かを止めることです。すべてフルゾーンでやって利益が出ない状態は良くないです。会社に負担を掛けるだけです。

少しずつ何かを削って行って、利益が出るようにしないといけません。
また、自社の得意分野と利益の出ているものは何かを分析することも大事です。

ところが、分析すると相対的にすべて利益が出ていないということもあります。
その場合は、根本的に料飲部やレストランのあり方を考えないといけません。
外部への委託が一番儲かるという結果が出ることもあります。

何でもかんでも自社対応しようと無理をして利益が出ていないことが多いです。また、部門別損益を出されていないために利益が出ているかどうかの判断ができないこともあります。

実は、料飲部単体で利益が出ていたとしても本社経費を配賦すると営業利益が出ないということも多々あります。

結局、利益が出ない大きな理由は、数値による分析が甘いということです。
通常の飲食店なら赤字が続くと退店です。毎月の利益額はすぐ出て来ます。
いろんな兼ね合いで、料飲部のみの利益計算ができていないことが原因です。

いち早く、数値分析ができる状態を作らないと、赤字を解消することはまず無理でしょう。数字で現状を知る。経営は、数字です。見栄でやっていては会社は潰れます。