湯水のように経費を使って、赤字になっている。
でも立て直す側から見ると、その方がまだ良いくらいです。
使い方、成果の上げ方をご存知ではないだけかもしれません。

逆に、経費を使ったことがない会社の決算書きれいです.
販売促進費・広告宣伝費に接待交際費・旅費交通費、消耗品費などほとんど使っておられません。原価も業界水準だった場合、この状態で利益が出ていないとどうなるでしょうか?

損益分岐点を下げることができないのです。

新たに経費を捻出することができないと、
攻める、仕掛けることができない。
という厳しい状況になります。

会社を立て直す場合、2つの方向からアプローチをかけます。
一つは、当然損益分岐点を下げる作業に入ります。まずこれからです。
無理のない範囲で、損益分岐点を下げ、利益が出やすい状態を図ります。
しかし、正直言って、営業利益や経常利益を出すのは困難です。だから少なくとも償却前利益が、当面の目標になります。業界によっても異なりますが、この減価償却費の負担が大きすぎて資金繰りに苦戦されている場合が多々あります。

もう一つは、積極的に攻めて行って業績を回復させる方法です。ただし、内部の体制や商品・サービスの見直しだけでは限界があります。
そこから先、外へ向かって仕掛けていかなくてはなりません。その時、販促費が必ず必要になってきます。販促も打たずに、うまくお客様を引き付けれるなんて甘いことはないです。

だから、販促費を捻出する、出せる状態でないと困るのです。いくら損益分岐点を下げても利益が出ないのなら、売上を上げる作業が必要となってきます。

売上高に対して最低1%は販促費を使うべきです。多くても3%以内が限度です。
ほとんど販促関係にお金を使われていないとなると、どこかでお金を捻出しないといけません。そうするとオーナーの持ち出しになってしまいます。

昔ある社長からこんなことを教えていただきました。
「武内さんのような経営コンサルタントは、お客様のところへ行った時に、その会社が名刺までケチって安いものを使っていたら、行かない方が良いですよ。」
と・・・

今は名刺はどこでも安く作れますが、15年前の状況では、名刺までコストダウンを図っている会社は、コンサルタント費もでないよということをおっしゃいたいのだと思います。

いずれにせよ私ども立場から言わせていただければ、経費を使っていない会社よりも経費を使っておられる会社の方が立て直ししやすいです。

経費を極限にまで削って頑張っておられる決算書。
綺麗ですが、改革が難しいです。そのような会社は経営が下手なのではなく、ビジネスモデル自体の収益性が低下しているのが原因なのではないでしょうか?

そうするとアプローチ方法を変えないといけません。現状は別として新しいビジネスモデルにチャレンジする提案を・・・

その辺りの的確なジャッジを行わないと、一所懸命頑張っているのに結果がついてこないということに陥ります。

でも経費は、適度に、常識の範囲内で使って下さい!