企業低迷の原因の一つに、組織の大きさや従業員数に対して役員の数が多すぎるという問題があります。諸事情から徐々に役員の数が増えて行ったのかもしれません。あるいは部長職の次の職種として、役員に昇格と言った形を取られたために増えられているところもあるようです。

企業の再生と言うとまずは固定費の削減に目が行きます。実際には、従業員の数や社員の数をどうやって減らして行くのかを検討されます。

ところが固定費の削減は、スキームさえ作ってしまえば後は決断だけですので、そんなに難しいことではなくなってきます。しかし、固定費を削減しただけでは本来の意味での再生になっていないのではと思います。

特に経営幹部が変わっていなかったり、外部からの招へいもないということなら、何ら再生前の状態と変わっていないということになります。

また役員の方々もそのまま在籍するとなると、窮状に陥った責任の所在が明確になりません。

従業員の数や社員の数を減らす前に、本当は役員の役割や人数について真剣に検討すべきではと思います。

部長職の次の職種が役員というのでは、役員の役割やあり方が見えてきません。何をしてもらうのか、それが見えていない状態で役職だけ存在するというのはあまり良くないと思います。

会社はトップで決まると言われます。社長はじめ各役員の方々が何をするのか、どんな役割なのかが決まっていますでしょうか?

組織の下から改善・改革を行っても体質は変わりません。組織は上から変えて行かないと改革になりません。経営不振の原因は、組織の上の方々の役割が果たせていないということに行き着きます。

再生計画書やアクションプランには、役員の今後のあり方については書かれていません。しかし、今後どのような役員構成で行くのか、どのような役割を担って行くのかを話し合う必要があると思います。

計画書に何も書かれていないから、手を入れなくて良いということはないです。逆に一番大事な部分なのですが、あやふやに収まっているような気もします。指摘がなかったので良かった、ではますます今後が危険です。

会社はトップと役員のあり方で決まるような気がします。だからまず役員規定はあるでしょうか?そのような規定と共に、自社の役員のあるべき姿を個々人ごとに作って行くことが大切だと思います。

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