業績を回復させるだけでは意味がないです。この業績と言うのも固定費を削減して大手術をした結果、そうなっただけなら根本的な解決策にはなっていないと思います。

数字を整える以上に、社内の雰囲気を変えて行かないといけません。業績悪化の原因は、良い社風を持っていなかったからではないでしょうか。

だから、私どもでは着手と同時に、PT会議を推進・実践させていただいています。面接・面談して選任するというのではなく、社長や会社からの推薦人の方に集まっていただき、そこからまずスタートさせていただきます。

調査・分析を行い、必要な経営数値をはじき出します。その経営数値を達成させることが可能かどうか、達成させるためにはどのような手段が必要なのかを詰めて行きます。

PT会議で議論を重ねていると、今まで未着手だったところや甘かったところがどんどん出てきます。セクショナリズムも発生しており、壁があることもしばしば。

そうすると徐々に自分の部署だけでなく、他の部署との連携や総務・経理との連携の必要性が認識され、さらには会社全体の数値達成やグループ全体の数値達成にまで目が行くようになってきます。そういう意識付けを行うことが大切です。

また、月次決算書がどのくらいのスピードで出ているかで社内状況がわかります。経理の方は、データや伝票処理を早くしてくれれば、いつでもすぐに出せると思っておられます。それには、従業員の方々の協力がないとできません。

年1回とか半期に1度しか決算数値が出ていないところも実際にはあります。今まではそれで良かったのかもしれませんが、そのことが業績を悪化させた一番の原因ではないかと思います。

だから、PT会議では、月次決算を如何に早く作るかということメインテーマに置きます。まずはこのことを中心に議論していただき、現状を把握できる正確な数値が出るようにします。

このことは実際、1カ月やそこらで解決はしません。半年から1年かかります。綺麗な数値が翌月頭にきっちりと出るようになるにはそれくらいかかります。

数値が整って来ると徐々に社内の体制に変化が出てきます。甘い仕事の仕方をしていて会社に迷惑がかかっていたことを管理職の方が自覚していただくと改革スピードが速くなります。

会社における文化とは、経営数値が正確で早く出て来ることだと思います。これを基準にせず、住みやすい環境づくりにばかり目が行っていると甘い環境だけが残ることになります。

文化を変えようと思えば、経営数値がしっかりと出る会社にすることです。そのことを金融機関など外部の方は、一つの判断基準とされています。

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