まずは損益分岐点を下げる作業が必要です。固定費を下げるということは、今までの膿を出すということです。少々痛みを伴っても思い切って行わないと、いつまで経ってもできないです。

ただしこの固定費の削減を極限まで行ったからといってV字回復が望める訳ではないです。固定費の削減だけでは、分岐点が下がっただけで業務改善になっていません。また成長戦略の視点からも未着手の状態です。

経営戦略を組み立てる上で大事なのは、営業戦略です。固定費の削減は、トップの決断と勇気があれば誰でもできるものです。大事なのはそこから先です。事業が継続運営できるように営業面での手直しが必要です。

営業面の見直しがないままに修正した経営計画書を書くと、後になって予測とは違う結果になります。

固定費の削減についてはチェック・確認がしやすいです。しかし、営業面の数字や売上は予測不能です。ピッタリ読めるなんてことはないです。外部環境の変化でいくらでも変わってきます。それも良い方に変わるなら良いですが、現実は悪い方に悪い方に結果が出てきます。

だから当初の計画通りに売上や粗利が達成していないということがよくあります。

営業をどう強化していくか?逆にこのことが見えていないと再生やV字回復は
難しくなります。営業を立て直す絵が描けることがV字回復の条件です。

営業強化の絵が描けないと、事業縮小しか対策がなくなってきます。未来に夢を持てるようにするためにも営業の立て直しに全力を投球すべきです。

ところがこの営業面の計画は、外部の方々の目では把握しにくいです。数字の羅列だけでは判断できません。業界に精通している方でないとわからないでしょう。

売上、粗利率の根拠がどこにあるのか、それが見える計画やアクションプランが必要です。この詰めこそがV字回復の呼び水となります。

未来に対しては、固定費の削減以上に営業戦略の立案が大事なような気がします。