銀行さんをだましたり、偽ったりという訳ではないです。そのことだけは最初にご理解下さい。

マーケットが縮小しているため会社側が低い予算を組んでいたとします。その低い予算をクリアして胸を張られても困ります。最低限の数字を達成したに過ぎません。

そうすると社長がいつも悩むことになります。予算をどうしたら良いのかと・・・

私は2つ予算を作られませんか?と提案させていただきます。本当の現実の数字から作り上げた予算と従業員のモチベーションを上げるための予算とを別々に作るのです。

銀行用には正直な現実の数字を出して下さい。ただし硬めに読んだこの数字を従業員用にも適用すると、甘えが出てきます。少しでも達成するとそれで満足されてしまいます。

中小企業では、この甘えが一番危険です。大手企業では個々人の能力もモチベーションも高いため与えられた予算に満足せず、自主的に上を目指すような風土があります。少しでも出世レースに取り残されないように必死です。

でも中小企業の場合、出世といってもポストが余っている訳でもなく、昇格もなかなか難しく、将来の夢が描けない組織ということもあります。

だから必要最低限のことをやっていればいいやぁということになります。それを防ぐためにもモチベーションを上げるような予算組みが必要な気がします。いつも尻を叩いて、やってもらうことが大切です。

銀行は内実は知らないと思います。いつもこの銀行対応と従業員のモチベーションのギャップに社長は悩まれます。経営する上ではどちらも大事なこと。

銀行用は、数字を組み立てればそれで良いですが、従業員用は状況を十分把握した上で、作らないといけません。

また予算達成の場合も安易に褒めると、自分は成果を十分に上げたんだ!評価に値するくらい頑張ったんだ!だから褒められて当然だという顔をされています。

それが慢心につながり翌年の予算を大幅に落とす原因につながります。そのような企業様を何件も見てきています。

そのためいつも社長にはこうお伝えさせていただいています。
「社長、甘えが出てはたいへんです。予算は銀行用と従業員用の2種類作られませんか?従業員が本当の意味で成長されるまではそうされた方が良いと思います。」と正直に言っています。

低い予算、クリアできそうな予算では従業員が成長しないのは確かのようです。