昔、ある街の割烹料理店から相談がありました。売上が徐々に下がり、ピーク時の3分の1になったそうです。味やメニューに大きな変化はないそうですが、
お話をお聞きすると街が世代交代、食の好みが世代交代していようです。

その当時は居酒屋が大繁盛の時、居酒屋的な店を出すかどうか討論したことを覚えています。

常連様がリピートしていただき繁盛店になると、甘えがどうしても出てきます。何も販促を打たなくても予約が入ります。いつしかそれが当たり前のようになります。

ところが街が高齢化し、今まで常連だった方の足が遠のくと、業績は落ちて行きます。新規顧客を取ってこなかったツケが回って来ます。

しかし、新規顧客を取ろうと思っても時代は変わっています。昔のメニューや業態では来てくれないのです。

だから新しい店をやろうかどうか悩まれます。しかし、全くと言っていいほど、違う商売に手を出す事になります。上手く行けば良いでが、かなり厳しいでしょう。

常連のお客様が来てくれているうちに次の一手を打つべきです。人口動態も考えながら商売をしていかないと、10年経つと別の街のような人口構成になっているかもしれません。

居酒屋さんのようなメニューや業態変更が比較的簡単に行える商売は良いですが、昔ながらの老舗や商売というのはなかなか難しいものです。

理想は、息子さんが、新しい商売を立ち上げることです。現状の商売は徐々に縮小しながら赤字を出さないように頑張ることです。

いつまでも過去を羨ましがっていては事業ではないです。変化していくことが大切です。大きな赤字を抱えた瞬間、気付いていては取り返しがつきません。

だからいつもお伝えさせていただいている言葉があります。
「常連さんが100%だと、店はいつしか潰れますよ。」と・・・

常連客に甘えた経営は必ず後から大きなツケが来ます。注意された方が良いと思います。