ご依頼があり、コンサルティングに着手させていただく際に、まず見せていただくのが組織図です。

この組織図を見ると会社の状況がわかります。中小企業では、綺麗な三角形をしたピラミッドにはなりません。兼任、兼任で急場を凌いでいると言った感じ。でもこれで良いのです。一人が何役もこなしているからこそ利益が出ます。

ところが役職者の数が全従業員の3分の2以上を占めていたり、部長職や店長職の方が多いという組織があります。

理由をお聞きすると、部長職や店長職は名刺代わり。本人の実力というよりも営業面でプラスになるだろうからという理由で付けられているみたいです。

給与もこの部長職や店長職の方にお支払いになっているとすると、業界平均よりも高い人件費になってしまいます。

上が大きいピラミッド。組織が硬直化しています。それに新卒社員や若手社員を何年も採用していないとなるとかなり深刻です。人件費だけがかさみ、組織が活性化されていません。

血の入れ替えがないと、組織は機能しません。特に平均年齢の高い組織は危険が潜んでいます。理想は、業界平均よりも平均年齢が低いこと。

硬直化した組織を活性化しようと思い、新卒を入れようとしても人件費がかさみます。利益の出ていない状態では新卒採用が無理な場合があります。

だから、一人当たりの売上高や、一人当たりの粗利高の数値をしっかりと出すべきです。経営では生産性が一番大事です。人の数や、役職の数よりも生産性です。

もし生産性が低く利益が出ていないなら、ドラスティックな改革が必要でしょう。

組織では利益が出て生産性の高いのが理想です。
一人当たりの目標売上高や目標粗利高を設定し、生産性を少しでも上げていくべきです。

それと組織の問題は、単年度で把握するのではなく、3年・5年かけて変えていく必要があります。3年後・5年後のあるべき組織図を描き、それに向かって徐々に整えていくことです。

経営では組織図をどう描くかで変わってくるように思います。硬直化した組織にしないためには、3年後・5年後の組織図を常にデザインし続けて下さい。トップの仕事は、この組織図を描くことからではと思います。