「武内さん、評価制度を導入して、従業員のやる気を引き出し、業績アップを図ることはできませんか?」とよく質問があります。

導入そのものについては賛成です。
しかし、導入したらかといって業績が改善できるほど甘くはないと思います。

また報奨金の額を上げてさらにやる気を引き出すという考えもあります。これも一時的には効果が出るかもしれません。でも報奨金の額が下がるとモチベーションが下がったり、違う会社へ行かれるでしょう。

中小企業の場合、報奨金の額でやる気を引き出すのではなく、社長の背中を見せてやる気を引き出すのが理想だと思います。

だから、お金ではない何かが必要です。
これが非常に大事です。
そんなに高い給与を支払わなくてもイキイキと楽しく勤めてくれる環境をどう作るかです。

仕組みではなく、環境作りが大切だということです。

評価制度で縛りをつけてもあまり意味がないと思います。それは単なる結果論です。ないよりあった方がよいくらいの話。
根本的に労働環境や社内の雰囲気などがどうなのか?風通しの良い状態になっているのか?トップ率先で従業員を引っ張って行っているのかどうか?
などなど・・・
他に課題はたくさんあるはずです。

評価制度そのものに期待をかけるのは良くないと思います。
最低限の躾・マナールールくらいは良いですが、目標数値に対する達成度の評価をきつくすると会社はいつか疲れて来ます。

評価制度がある会社ほど離職者が多いのも現実です。人の入れ替わりが激しくなります。その分、労働コストが上がります。


逆に、評価制度以外で何か手はないかと考えられてはいかがでしょうか?

従業員が愚痴も言わず、イキイキと仕事をしている環境づくり。
それをどうやって創り上げていくかが社長の一番大事な仕事ではないでしょうか?

仕組みを超える何かを持っているところが強みを発揮されるような気がします。