古手の社員の方は、過去の良い時を思い出されます。あの時に戻れることができれば戻りたいとおっしゃいます。ところが世の中は大きく変化しています。過去の良き時代がそのまま継続できるということはないです。現在、苦戦している理由は良い時に次の一手を打たず、変化を嫌ったためではないでしょうか?

逆に若手社員の方は、会社の業績が良かった時のことを知りません。今の状態が普通だと感じておられます。過去に帰るのではなく、自分たちで何か新しいものを作っていかないといけないと思っておられます。

このような世代間のギャップがあると一体化させるのは難しくなります。特に古手の社員の方と若手の方の間の中間の社員の方がいない場合、ますますギャップは広がって行きます。

人事面で考えた場合、各世代ごとに人がいて組織が成り立っていることが理想ですが、中小企業の場合、理想的な年齢構成になっていません。諸事情から、採用できる時に採用をしいているだけであり、将来的な計画の中で採用をされているところは少ないです。

そのため、業績と採用が比例関係になります。調子の良い時は採用を行い、調子が悪くなると採用を止められます。業績の悪い状態が続くと、数年、あるいは10年以上も採用を行っていない会社も出てきます。

そうすると、社内会議を行っても育った環境が違うため、目標とするところが違ってきます。過去の良き時代を知っている方は、何とか過去の状態に戻したい。若い方は、過去を引きずるよりも何か新しいものを見つけていかないと厳しいのではと感じておられます。

そんな簡単に新しいビジネスが見つかる訳ではないですが、過去の同じ状態に戻すのはかなり難しいと思います。売上や利益の目標は同じでも事業内容や営業戦略を変えない限り、生き残っていけないのではないでしょうか?

会社としてのスタンスも難しいと思います。現状を再認識して、過去に戻るのではなく、新しい会社として再出発するくらいの姿勢が本当は必要だと思います。しかし、そうすると過去に実績を残してくれた古手の社員の方々に心を傷付けるのではと危惧されます。また、そういう意識決定を行うと、若手社員が暴走し出すのではという心配も出てきます。

でも何もしないと改革は前に進みません。まずは現状認識を社員の方々にしっかりとしていただき、その上で会社の方向性と方針を明確にすることです。その上で必要なもの、考え方を改めるものを見極めることが大事です。

後は社長自らが調整役を行うことです。世代間のギャップは、社長以外調整できる人はいません。会社のすべてを知っている社長が動いて初めて一体化できます。

規模が小さくなっても会社の成長を止めないためには、社長が一肌脱いで欲しいです。それをしない限り会社はいつもギクシャクします。どんな考えを持った社員がいても社長の考えが基準です。社長を中心とした会議のあり方が大切なような気がします。

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