これは一番難しい問題です。規則上の管理職や役職上の管理職ではなく、実質管理職とはどういうものなのかということです。

どの企業様へ訪問させていただいてもこのことは質問・相談されます。しかし、きっちりとした線引きはないです。世の中の傾向としては、残業代が付かず管理職手当をもらうようになったから管理職だとも言えないようです。管理職としての業務を遂行しているかどうかが大事です。

そもそも原因は、会社側がエレベーター方式で勤続年数とスキルアップに応じて役職を与えるところから始まっています。中小企業の場合は特に、管理業務に関する教育というものがあまりないです。役職が上がればそれなりに習得しているだろうという感じです。

それに昇進・昇格時に試験を行うこともなく、人物評価や管理要件評価などがないところが多いです。社長や幹部が認めればそれでOK!

しかし、後から苦労されるのは当の本人です。誰からも教えられていないので、管理職業務とは何なのかつかめていません。さらに業務を遂行して行く中で自分で見つけないといけません。これが中小企業の実態だと思います。

ではどうすれば良いかということですが、会社が管理職とはどういう業務をする人なのかを明確にすることです。また役職名がいろいろあっても実質の管理監督者というのは、どの役職からなのかを示すことです。

会社が決めない限り、法に任せておいても解決策は出てこないでしょう。法は一つの基準であり、実例でしかないです。法に頼るのではなく、自社ではどういう人を指すのかをきっちりと決められてはいかがでしょうか?

議論を繰り返すだけでは、何も変わりません。管理職としてのあるべき姿を明示し、会社の方針・方向性も同時に伝えることです。

企業は管理職の力で決まるとも言われます。管理職の方がイキイキと仕事ができる環境をどうやって作って行くかが鍵です。


世の中はどうなっていますか?他社はどうなっていますか?という質問も多いですが、それ以上にどんな会社にしたいのか、それが大事ではと思います。他社比較から自社基準は生まれてこないと思います。

中小企業の悪い癖は、何か問題があれば業界基準に収めようとするところです。
自分で創り出すという作業を行わない限り、良いものはできません。

世の中の動き見ながら対応して行きたいというのもわかりますが、できれば一歩踏み込んで、自社のあるべき姿を作って行くことが大事なのではと思います。

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