今まではこの方法が一番効果的でした。調子が悪くなると改修を行い、売場面積を広げる。この繰り返しでした。

競合他店に勝つ戦略も基本的には、売場面積を広げて、広さで負けないという戦略でした。広くすることによって品揃えを良くして、競合店を圧倒しようというものでした。

関西では、キタもミナミも天王寺も百貨店が増床オープンしようとしています。もうこれ以上の増床は無理ではというくらい大きくなるようです。

改修・増床の限界にまで来ているような気がします。ということは、もう後がないのかもしれません。百貨店戦争、流通業の未来の縮図があるように思います。

郊外のショッピングセンターも集客力が落ちているようです。大きさや広さだけでは差別化にならず、収益力もないということのように思います。

どの業種・業界でも同じだと思いますが、改修を行い集客力をアップさせ、売上を上げようという戦略を組みますが、改修費用は回収できるのでしょうか?

売上以上に回収計画が気になります。1回の改修・増床の効き目は、流通業では概ね3年と言われます。3年経つとまた下降線をたどり、いつしか新たな改修・増床計画が立てられます。

ただし、前回の回収が終わらぬうちに新たな回収・増床を行っていると債務が増えるだけです。これでは健全な経営を行うことが難しくなります。

投資回収という視点が今後大事になってくると思います。想定した回収ができなくなって行く恐れがあります。少々売上が上がったくらいでは、返済が追いつかないということになります。

投資は、回収見込みがあって初めて成り立つものです。いくら投資するかよりも、いくら返済して行かなくてはならないのかの方が気になります。

売上が順調でも黒字倒産というのもあります。負の財産が残って行くビジネスモデルにならないようにどこかで切り替える必要があると思います。

ひょっとすると勝者は、売上が一番のところではなく、債務が一番少ないところかもしれません。

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