能力給を導入すると上がる人も出てきますが、下がる人も出てきます。それを承知の上で導入しないといけません。能力給が導入されれば、皆一律に給与が上がるという訳ではないです。

特に、現状の業務遂行能力が、あるべき賃金テーブルの給与に見合っているかどうかをチェック・確認する必要があります。当然、給与体系を変更する訳ですから、理想とする賃金体系になります。

そうすると、理想と現実の間にギャップが出てきます。簡単に言いますと、新賃金体系になると、ほとんどの人がもらい過ぎの状態になります。ギャップはスキルアップで補う必要が出てきます。

また、導入と同時にどうしても下がる人が出てきます。出てこないようにすると、また調整するのがたいへんで、意味のないものになってしまいます。

そのために会社側としてしなければならないことがあります。それは下がらないようにフォローアップすることです。具体的には、教育プランの導入が大切です。これがないと給与を整理するのが目的となり、本来のモチベーションアップや業績アップにつながりません。

教育プランを導入しようとすれば、今度はまた大きな課題が出てきます。それれは、教育出来る人を作る必要があるということです。

給与体系や賃金テーブルは、仕組みが先行して良くないないです。仕組みの前に体制づくりが大事です。

だから給与体系を変えられた会社は皆ギクシャクします。教育プランがない企業が給与体系を変えるとこのようなことが起こります。

それを未然に防ぐ意味もあり、PT会議や管理職教育で地ならしを行い、理解度を高めて行きます。

給与の内容が変わるだけでなく、会社が従業員や職員の能力と給与を適正に評価し、それをサポートする体制づくりを行うことが重要です。

給与体系の見直しは奥深いものがあります。理想とする形に変える以上に、従業員をしっかりとフォローアップできる仕組みや体制を作ることが大事です。できればこのことも早めに従業員にアナウンスし、理解してもらって下さい。

能力給導入の本当の意味合いは、能力の高い方が高い報酬を得たり、能力に見合った給与をいただくようになるだけではないです。能力を高めるためのフォローアップを行い、個々人のレベルアップ図ろうという意図が含まれています。

給与の変更だけは焦らないで下さい。従業員の意識の変化に合わせて変えていかれてはと思います。

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