よく起業開業の相談があります。やる気や意欲はあり、どんな商売をしたいかは決まっているようです。でも物件を見つけて開業することはできますが、それ以上に心配なことがあります。

それは何かと言いますと、全くの未経験という場合です。脱サラされたり、昔からの夢なので実現させたいとおっしゃいます。ところが肝心の商売に関する修行をされておらず、とりあえず開業資金が貯まったので、開業されたいという場合です。

お金の工面も大事ですが、それまでに商売がスタートできるように実地で勉強しないと、簡単には行かないと思います。もうやりたい商売があって開業すればある程度食べて行けるのではという甘い考えは捨てた方が良いです。今は、皆が超一流のプロだと思って、そこで生き残って行かなくてはなりません。

物件を探すよりも修業させてくれる店や会社を見つける方が難しいです。逆に修業していると、いろんな情報が入ってきたり、その店のオーナーが何かと助けてくれます。

独学で、いざ出店というのは本当に危険です。

同様に事業においても「修行をせずに一人前になれるか?」と聞かれたとしたら「無理です」と答えると思います。

事業立ち上げの場合は、自分一人でまず企画書や報告書が書けることです。スタイルや書式は関係なく、自分流で自信を持って書くことができるかどうか?それが大事だと思います。

ところがこの場合も独学で書いても相手を説得・納得させるだけのもの作るのは難しいでしょう。やはり、会社の上司や先輩に手順をしっかりと教えていただき、ポイントやコツを抑えていないと、良いものには仕上がりません。

なるべく修業期間を短く成功したいという気持ちはわかりますが、修業期間が長い方が、後々大成功されることもあります。あまり焦らず、足元を固める努力も必要ではと思います。

それに修業そのものの楽しさもあります。過去を思い出すと、成功した瞬間よりも修業時代を思い出すものです。

修行を嫌がったり、否定されずに、前向きに修行をされた方が得だと思います。
物件やお金よりも、修行の有無の方が優先順位が高いと思います。

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