どこへ行っても家訓や家訓らしきものが企業や会社にはあります。家訓とは書いていなくても代々言い伝えられてきたものが存在します。

でも一つ特徴があります。こうしなさいとか、こういう方向を目指しなさいと言った予告めいたものはあまり見ません。逆によく目にするのは、これだけはするな!とかこれ以上のことは手を付けるな!と行った諌めのようなものが多いです。

例えば、店舗展開をする上で、○○市内までを商圏と考えなさいとか、新規事業は役員幹部の賛同を得たものでないと実行してはダメとか、決まりのようなものになっています。

数十年、あるいは100年以上も前の家訓が今に生きています。その中で感じるのは、成長ばかりではないと言うこと。必ず事業運営の中では、踊り場も出てきますし、安易な拡大路線は企業を潰すだけだということです。

身の丈に合った経営をし、何かあればもう一度この家訓を読み直してみなさいと書かれてあります。

家を守りながら残して行くためには、何をしなければならないかというよりもやってはいけないこと、手を出してはいけないことを諌めることが大事なようです。

数十年も昔の方が、未来の事業を予測したりデザインすることは不可能です。しかし、経営上やってはいけないことはいつの時代でも同じです。そのことを家訓として残されたのでしょう。

家訓のない会社はこれから自社の家訓を作ってみられませんでしょうか?
当然、やってはいけないことを中心に書かれてはと思います。

経営理念や経営方針は自社のやりたいことやあるべき姿が描かれています。そこから見えてくるのは会社の未来像ですが、やみくもに何でもやって良いというのではなく、過去の経験からやってはいけないことを後世に残して行って欲しいです。

私もそれが一番勉強になります。まずはそれさえやらなければ、事業継続は可能なのですから・・・

不景気こそ家訓を読み直す良い時期なのかもしれません。

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