業務改善を行っても成果はほんのわずかです。何かをやったからといって売上が2倍・3倍になる訳ではないです。現場の社員の方々が少しでも改善したいと思いなさるのはわかりますが、幹部や役員がそのような視点で物事を考えていたら会社は潰れでしょう。

業務改善で間に合わないなら何が必要かと言うと、もう銀行対策しかないです。どの企業も負債や返済が大きいために苦戦されています。おそらく毎月・毎年の返済額が少なくなれば経営に余裕が生まれるはずです。

そのためには、まず赤字部門を即廃止する決断をすることです。社内外に厳しい状態である事を示すにはこれしかないです。

その次に退職勧奨を行い、最低限の人件費にまで絞り込むこと。またその前に役員の報酬は一律カットです。特に社長の報酬は誰よりもカットされていることが条件です。

その上で、銀行交渉に当たらないといけません。流れは皆さん頭の中でわかっておられますが、決断と着手がどうしても遅れます。しかし、その遅れを取ったことが取り返しのつかないことになることもあります。

俺がやれば何とか数字が上がるだろうと走り回る幹部や役員の方がおられますが、本来の役割がわかっておられないのではと思います。業務改善で伸びる数字は、どれくらいなのかわかっているはず。それなのに今以上に頑張りなさい、数字をもっと上げなさいというのは酷です。

窮状から脱出するために大事な経営手法は、銀行交渉を上手くやることです。
皆さん銀行へ行くのは嫌がられますが、この仕事が一番大切です。

経営を一段上の大きな視点で見ると、長期的には返済をどのように組んで行くかが大事になってきます。社長以外にもこのことに目が行くような幹部・役員が出てこないと会社の再生は難しくなります。

また、現場改善に目が行くのはサラリーマンの発想。経営者の発想で物事を考えるなら、利益が出ないものは止めるという発想が大事になってきます。

経営という大きな視点で考えることができる人が欲しいです。

赤字でも何とかもう一年私に任せて下さい。何とかしますからと言われても伸びしろはどのくらいなのでしょうか?劇的に改善できるような数字になるなら別ですが、ほんの少し黒字になるかならないか?

それに長期的に考えてもどれくらい伸びて、どれくらい諸経費がかかるかも判断できるはずです。どの会社もこれを同じように繰り返して失敗されています。

少々の黒字くらいだったら今すぐ止めた方が、先々のことを考えるとベストの選択になります。

幹部、役員の方々には是非、社内改革で伸びるであろう数字の上限の把握をし、それでは追いつかない返済については再生支援室=銀行対策室のようなものを作られて対応されることが良いのではと思います。

社内改革で何とかなると思っておられるなら、経営は難しくなるでしょう。