金融機関との交渉が無事終わると2つのパターンに分かれます。
一つは、今まで中止していたもの、削減対象になっていたものがいつの間にか復活している場合。

もう一つは、継続する約束をしていたにも関わらず、いつの間にか閉鎖、削減している場合です。

ほとんどの場合は、皆さん復活をされます。約束はどこへ行ったのやら・・・
賢い方は、金融機関との交渉が無事まとまると、一気に縮小に入られます、固定費を下げ、損益分岐点を下げられます。当然、返済なども猶予されている上にカットですから、多大の利益が生まれます。

再生案件の場合、経営者の方は大きな痛みや削減をせずに、できれば今の状態のままで経営を続けたい。返済だけを猶予してくれれば事業は再生できると思っておられます。

でも経験上、このようなことはないです。
まだ継続できるというくらいの改善計画書を一旦作りながら、実際にはそれ以上の改善を一気に進めるかどうかが鍵です。

金融機関も最出発後の姿を今まで数多く見てきているので、改善計画書を厳しく作ることを心掛けているような節があります。

今を切り抜ければ何とかなると言うような甘い考えでは危険です。今だけでなく、3年後、5年後の姿が見えていないとまた同じ危機がやってきます。

それに景気や業界動向が良く成長期にあるなら良いですが、ほとんど場合成熟期、衰退期です。マーケットは下がっています。昔とは発想を変えないと行けません。

何とか業績をアップさせようというよりも数字を整えることです。簡単にV字回復することはないです。売上や利益がアップする計画ではなく、利益が確保できる計画を着実に実行することです。

わかっていてもできない場合がありますが、心得ていた方が良いと思います。

金融機関との交渉で疲弊し、もう二度とあんな苦労はしたくないという気持ちはわかりますが、それ以上に厳しい目で経営をするという強い意志を持つこと
が大切です。

くれぐれも喉元過ぎればにならないように・・・