会社側に非があっても、規則や規程に書いてあっても俺が話をすれば丸く治まる、治める自信があると思っておられます。就業規則以上の大岡裁きができると思っておられるようです。

それだったら、就業規則やその他規程類はいらないということになります。
これが中小企業の現状です。もし何かあれば法やルールに照らし合わせて解決するのではなく、俺の判断と対応で何とかなると思っているふしがあります。

それだけ力が強いのでしょう。ただし、今の時代、一番大事なのは法やルールです。それを逸脱した解決法などないです。

このような社長の姿勢が従業員にわかってしまうと、法やルールを軽視する傾向が出てきます。最終的には社長が判断すれば良いことだからということになります。

そうするとすべてにおいて社長決裁となり、ワンマン経営を招くことになります。組織として解決するために法やルールがあります。逆にもっとそれらを使うようにすべきです。

法人であれば社長であったとしても会社から報酬をいただいている身である事を理解すべきです。この会社は俺が作ったんだと言っても法人化した瞬間、個人の持ち物ではなくなっていることを理解して欲しいです。

そうしないと会社が伸びません。誰が社長をやっても事業継続できるのが理想です。

こういう会社こそ、就業規則等の見直しを図り、社長の手を煩わさない体制づくりが必要です。ただし、社長の考えを変えていただく必要はありますが・・・

もう昔のように俺が出て行ったら何とかなるから俺に任せろ!では通じないことをわかってほしいです。

すべては法やルールで裁かれます。逆に法やルールを整備して、それを上手に運用できることが大切です。

社長の手から離れた瞬間、会社は組織としてやっと動き出します。体を張っても意味がない時代です。どんなことが起こったとしても自社のルールはどうなっているのか、書面に落とし込んだものがあるかどうかの確認をすることが大事です。

「よし、俺が行って来るから」では解決しないことをわかってほしいです。