このことは現場でよくあります。お伺いすると社長が先に給与を上げておられることもあります。

「あの人は能力が高いです。給与を上げるので、好きなようにやって欲しい。」とおっしゃいます。

一見、もっともらしい話に聞こえますが、このようなやり方で成功された企業を見たことがないです。

給与を上げると、成果を上げたり、結果を出してくれるでしょうか?また、やる気をもって頑張ってくれるでしょうか?

それにまた同じように元気がなくなったり、本人から会社に対する不満が出るとさらに給与を上げるのでしょうか?

これをやっている際限がなくなります。不平不満を言うと給与が上がると思われたらたいへんです。他の社員まで不平不満を言うようになります。

能力が高そうに見える人に給与アップをし、能力を発揮して欲しいという社長の思いはわかります。でもそうならないです。お金で釣るようなことをしているとお金が好きな社員しか生まれません。

理想は、結果を出して人に対して適正に給与アップを図ることです。先にお金を与えると、人は成長しません。

給与アップというのは、今までの成果・結果に対して行うものです。期待値で支給されるのは良くないことだと思います。

給与を上げたら、やってくれるのではと皆さん思っておられます。うちの会社の給与が低いから、やる気を持って仕事をしてくれないのではと悩まれます。

そうではなく、一緒に仕事をして結果や成果を出すことの方が先だと思います。
利益が出ていない状態で給与アップを先に行うと人件費負担が大きくなるだけです。

お金で解決しようという姿勢の会社は伸びません。給与アップされた社員の方も自分の能力とやる気を給与と天秤にかけて、次の職場へ移って行くかもしれません。

能力があるのに発揮していない社員に対しては給与アップではなく、成果・結果がでるようにサポートしてあげて下さい。それが一番の良薬になります。