業績が悪いので、人員整理を行いたいという相談をよくうけます。当然、固定費を下げないと事業継続が難しいからでしょう。

どのように進めて行けば良いのか、専門家の方のアドバイスが欲しいとおっしゃいます。人員整理はするという決断はされているようです。しかし、今までやったことがないので、大きな問題が発生しないように進めたいとお考えの方が多いです。

でも人員整理をすると腹をくくったなら、少々問題が起きても前面に出て解決してやるというくらいの気概が必要です。

それと気になるのが、人員整理を総務の方々と一緒に資料を作られて進めようとする会社です。ルールとしてはそうかもしれません。現状の経営数値や人件費をはじき出し、そこからあるべき姿の数値を出して、リストを作成する。

ところが、この雰囲気だと総務部長さんが、該当者にお話をされるような感じがします。

でも人の一生を左右する話を部長がなさっても良いのでしょうか?
実はこの仕事は社長にしかできません。

社長からの話であれば、従業員の方もある程度納得されます。真摯に社長が事情を話し、頭を下げるべきです。自分では言いにくく、逃げていて総務部長に任せるというような無様な姿勢では、会社は良くなりません。

問題から逃げていること自体が、業績悪化の原因になっていることを認識すべきです。誰も助けてくれません。社長というポストに就いた以上、全責任を負わないといけません。

いろんな軋轢もあると思います。ひとり悩まないといけません。でもそれが社長にしかできない唯一の仕事なのですから・・・

親や奥様にも相談しても答えは出ないと思います。決断は、自分の心の中で行うしかないです。業績悪化の責任を取るための禊と理解しても良いのではないでしょうか?

総務部長に人員整理を任せる会社に未来はないと思います。