企業と事業とういう言葉の使い分けは?

視点がどこにあるのか、それで違ってくるように思います。
企業を残すのか?
事業を残すのか?

私のスタンスでは、依頼主の意向に沿うように絵を描くようにしています。個人的な意見よりも依頼主の気持ちが大切です。いくら正しい判断や提案をしてもご本人の意向に沿わないものであれば上手く行かないでしょう。

また、実際現場で起こっていることは、ターン・アラウンドではなく、ソフトランディングです。本当の意味での再生とまではなかなか行っていないような気がします。

中小企業と言っても規模の小さな企業では、トップ交代なんてことは実質考えられません。それに個人保証されているなら尚更です。

そうすると出口は何カ所もあるのではなく、限られて来るように思います。今の事業を縮小し贅肉を落としながら、収益改善を行う。その上で企業として残って行けるかどうかを判断し、銀行の支援を受ける。これが一般的なストーリーだと思います。

よく事業ごと売却されたいという方がおられますが、買って下さるところは少ないです。売り物件なら山ほど出てきています。買った方も購入価格とは別に、
リフォームの資金が必ず必要です。そうすると一からスタートした方が良いくらいの場合があります。余程魅力的な何かがないと売れません。

もう辞めたいというのも本音かもしれません。でも辞めれる方はもうすでに辞めておられます。辞めれない状況下だからこそ、再生が必要になっています。

本当に難しいのは、事業が再生できないと判断された場合です。将来性や成長性、市場性が低いとなると厳しい判断が必要となってきます。

でも再生という言葉が出て来るだけ幸せ。支援して何とかしようと周りが思っている証拠です。

再生で大事なのは、「あきらめないこと。」あきらめずに頑張っていれば必ず答えが出て来るものだそうです。

結局、トップの意識次第と言えるかもしれません。気持ちを切らさず、前向きに出口を見つけて行くことが大切なような気がします。