私の学生時代は夜間大学だったので、昼はバイト、夜は勉強の繰り返しでした。
トヨタ生産方式に魅せられて、卒論はNPS生産方式です。
あの頃、大野先生に直に教えを請うていたとは光栄です。実際に指導いただいていた工場の現場に、アルバイトでいました。

でも本当に凄い思い出は、毎日最低1個、改善提案を出さないと帰らせてくれないのです。パートさん・アルバイトさんも同様です。

「何でもいいから書いて帰れ!」と言われます。
1週間、10日くらいはネタがありますが、1か月も経つとネタが尽きてきます。
それでも考えて出しなさいと指導されます。

それが全従業員に対して行われる訳ですから、良くなるのも当然です。
改善が文化になっています。

改善することが文化にまでなっていないと、付け焼刃の対処療法になります。毎日毎日繰り返し、改善し続けて初めて成果が出ます。どの企業も改善ができないのではなく、この文化づくりができないため、トヨタに比べて成果が出ないのだと思います。

今、どの企業も苦戦されています。
何か改善したい、着手したいとトップはお考えのはずです。
でもそれはトップダウンでの指示のもとに行われるものがほとんどだと思います。従業員の方の自主的な意見を反映したものまでは行ってないと思います。

厳しい状況の時ほど、企業文化で大きな差がつきます。商品やサービスの出来不出来以上にこの文化が大切だと痛感します。

企業は商品やサービスを作る以上に、文化を作っていかないと安定した経営にはならないのではないでしょうか。

文化といっても日々当たり前のことを繰り返していることなのですが、そこに差がつくようです。

当たり前といっても企業によってやり方やとらえ方は違います。当たり前なことに意味のあることをさせる。そのレベルを上げ続ける。その結果が文化になっていくような気がします。

目先の数字や売上が気になるのはわかりますが、経営は売上づくり以上に文化をどう作っていくかです。事業を安定させたい、大きく伸ばしたいと思うなら企業文化づくりも念頭に置いておかないといけません。

売上以上に大事なものがあると感じた企業が、次のステップへと進まれているのではないでしょうか?