業績が悪化してきたので、何とか売上を上げようと必死になられているところが多いようです。しかし、単純に売上を上げたからと言って問題は解決しません。

特に中小企業の場合、資金繰りが一番の課題のはずです。売上は減っても資金回収期間が短くなれば経営的には楽になります。

よく幹部会議などに出席させていただきますが、まず売上をどうやって上げるかの会議内容が多いです。どの企業様もこの問題についてほとんど時間を費やされます。

なぜ回収期間が長くなっていると言いますと、お客様の支払いが悪くなっているのではなく、カードが普及し過ぎているからです。10万円以上の支払いの場合でも当たり前のようにカードです。数百万円でもカードを切られるお客様がおられるとか・・・

売上日報などを見せていただきますと、実際の売上金額の3分の1以下しか現金が入っておらず、後はすべて売掛金になっています。それもじわりじわりと掛けが多くなっているみたいです。

これでは経理担当の方はきついです。売上はあっても資金繰りは火の車です。

そこでご提案です。幹部会では売上アップよりも資金回収をテーマにした内容を取り上げるべきです。

如何に現金でお支払いいただくか?
売ったものは責任を持って回収を行うことなどを詰めることです。

まずお客様に対してはある一定の金額以上の支払いの場合は、現金でお支払いいただくことをおすすめし、その分、金券やクーポン券などを進呈し、次回利用いただく。

また請求書の発行を早める。

お客様との商談の場では、「お支払いはいつでも結構ですから・・・」というのではなく、きっちりと支払期日を言うこと。

また売った人は、責任を持って回収に当たること。

売掛入金一覧表で営業・経理、双方の担当者がチェックを行うこと。

今大事なのは売上を上げること以上に、売掛金を少なくすることです。

対策を打って行かないと、カード需要の伸びに比例して、会社は資金繰りが悪くなります。だから、カードの手数料負担や回収期間が長くなるということを避けるために現金での入金にメリットを持たせて下さい。

また、営業担当者の自覚も大事です。
売りっぱなしは危険!回収までが仕事だと認識することです。

早めに根本的に仕組みを変えていかないといつまで経っても苦しい日々が続きます。経理担当の方から「武内さん、助けて!」という声が聞こえてきます。