この人に評価して欲しい。という従業員からの声が時々あります。年数回の大事な評価なので自分の信頼している上司に、自分を評価して欲しい。それなら、どんな低い評価であっても納得します。

おっしゃる意味はよくわかるような気がします。
私も同様の立場であればそう言うかもしれません。

特に現場で、年齢が逆転している場合など、起こる可能性があると思います。適正で公平な評価だけではダメで、評価される方が納得の行く形での評価方法が大事です。

私が評価制度導入の際に判断させていただくのは何かと言いますと、その会社に安心できる評価者がいるかどうかです。

制度や中身ではなく、従業員から信頼されている方がいるかどうかです。
だから評価制度は、仕組みではなく、信頼関係の上に成り立っているのではと思います。

自分が信頼している上司に自分を評価して欲しいと思うのは、当たり前のことかもしれません。評価される方が、進んで自分のレベルはどれくらいなのか計って欲しいと思うくらいでないとうまく行かないようにも思います。

それとたった一人の上司の評価が、高いウェイトを占めるとなると行き違いが発生してきます。

理想は、部長会議や課長会議などで全従業員の人事考課表を回してチェックすることです。できる限り数多くの目で見ることがより公平性を保つことになります。

そうすることによって評価者の目も養われてきます。人間的に成長するチャンスが生まれます。

評価制度導入の第二の目的は、この評価者、いわゆる管理職のレベルアップにあると思います。

下から信頼される上司になれるかどうか?能力や技術ではなく、信頼される上司になれるかどうかです。

そのような方が管理職です。

一人でも多くの安心できる評価者を社内に作って下さい。