肥満が世界的な問題になっている。テレビショッピングでは、痩せるための健康機器が連日連夜放映され、一方では、飽食がまるで美徳だと思わせるような番組が連日連夜テレビで放映されている。お腹一杯食べたら、健康機器を使って痩せましょうという意図が見え見えである。しかし、肥満になってから、痩せようとしても、そう簡単にいくものではない。

特に、子供の肥満は大きな社会問題であるが、米国では日本以上に深刻な問題となっている。肉食中心の食生活が問題という面もあるが、学校に自動販売機が設置されており、休憩時間に自動販売機から高カロリーのスナックをいつでも購入できることも大きな原因の一つといえる。そのため、政府が子供の肥満に本格的に取り組む方針を明らかにすると、厳しい規制を予想して学校から自動販売機を撤去する業者も少なくない。

しかし、ここに商機ありとして、新しいビジネスに取り組む企業も現れている。Fresh Healthy Vendingは、子供の健康によいスナックだけを売る自動販売機を学校向けに拡販している。学校に自動販売機を設置して、健康によいスナックだけを販売し、販売から得る利益の15%を受け取る。さらに、自動販売機の売り上げを分析して、メーカーに新商品のアイデアを提供している。

ビジネスが好調で、しかも、引き合いの数がうなぎ登りに増加している。そこで、Fresh Healthy Vendingは、フランチャイズによる拡販を始めた。フランチャイジーは、自動販売機一台あたり11,000ドルを支払う代わりに、Fresh Healthy Vendingに週2回商品を補充してもらう。市場の拡大を期待して、Human Health Vending も市場に参加した。ビジネスでは、常に新しい発想と逆転の発想が求められている。
(Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)
(Source: Bloomberg Businessweek, Jan. 17-Jan. 23, 2011)