No. 26: ビジネスの本質 (October 5, 2009)
スターバックスがインスタントコーヒー市場に本格的に参入する。VIAという商品名で米国とカナダで、すでに発売を開始した。やや高めのコーヒーを売り物としてきた同社は、世界的な消費低迷のあおりで販売低迷が続いており、1杯あたり1ドルを切る低価格で、手軽さと割安さをアピールし、店舗販売だけでなく小売もする。多くの企業は、本業が不振になると、同じ顧客に新しい商品を提供しようと考える。そして、大抵の場合は低価格品に進出する。その結果、長年かかって築き上げたブランドイメージを低下させてしまう。
インスタント商品であっても、顧客はスターバックスのコーヒーを買ってくれると考えてしまう。しかし、スターバックスの商品は、洗練された空間で飲む少し高めのコーヒーである。つまり、顧客が参加して作り上げるスターバックス独自の空間が一緒になってコーヒーという商品を構成しているのだ。オフィスで飲むならネスカフェがあるし、自宅で飲むなら産地直輸入のコーヒー豆がある。しかも小売をする場合、流通業者が十分に利益をあげられる値付けが必要である。彼らも霞を食って生きているわけではない。美味しいコーヒーを飲んでもらうビジネスと、インスタントコーヒーを小売店で販売するビジネスは、本質的に違うビジネスである。 (Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)
インスタント商品であっても、顧客はスターバックスのコーヒーを買ってくれると考えてしまう。しかし、スターバックスの商品は、洗練された空間で飲む少し高めのコーヒーである。つまり、顧客が参加して作り上げるスターバックス独自の空間が一緒になってコーヒーという商品を構成しているのだ。オフィスで飲むならネスカフェがあるし、自宅で飲むなら産地直輸入のコーヒー豆がある。しかも小売をする場合、流通業者が十分に利益をあげられる値付けが必要である。彼らも霞を食って生きているわけではない。美味しいコーヒーを飲んでもらうビジネスと、インスタントコーヒーを小売店で販売するビジネスは、本質的に違うビジネスである。 (Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)