今年は値上げの年になりそうだ。価格高騰は天侯不順と新興国の消費拡大が主因となっているようだ。

2010年夏にロシアの干ばつによる小麦が不作で輸出を停止、

中国でも北部の干ばつ、南部では寒害による小麦生産に被害が発生、

タイでは洪水によるパームヤシが流され、パーム油の生産が減少、


それによって、

先物相場は昨年6月末に比べ、小麦は約9割、トウモロコシは約2倍、

大豆は約5割の値上りしている。

その他、砂糖は30年ぶりの価格水準で、米も徐々に値上りしている。


今、エジプトをはじめ中東で民衆のデモが発生しているきっかけは

食料の値上がりと失業率と言われている。

又、米国大手企業は原料値上げを理由に商品の値上げ検討に入ったと報じられた。

マクドナルドは牛肉や小麦の値上りで製品価格を値上げせざるを得ないと発表。

早晩、国内食品メーカーもパン、食用油をはじめ多くの食品に値上げが始まりそうだ。


新興国、特に中国の消費拡大は顕著になって来ており、

大豆の輸入量については日本を抜いて世界最大の輸入国となった。

資源やモノの輸入については中国と競争する場面が増えて来ており、

日常生活では寿司ネタのマグロやその他の魚介類にも影響が出て来ている。

かっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイトのメニューにシャコが消えたままになっているのは

仕入れ価格が前年の3倍になったからと言われている。


又、為替相場も気がかりの一つで、今は1ドル82円前後だが、

日本の国債値下りでドル相場も下がって数年前の90円を超えて来ると

輸入価格は上がり、物価のダブルパンチを喰うことになってしまう。

しかし、これは日本の避けられない構図となって来ている。

物価が上がっても日本は中東と違ってデモは起きそうもないが、

消費者の買え控えが起こり、国内メーカーや小売業・スーパーマーケットの

減収減益要因につながり、企業の衰退が起きるようになる。

この流れはグローバル社会においてはどうしようもない事実になっており、

国内小売業はこの事実を受け入れた上で、今後の政策を決める時が来た。


・物価の高騰

・消費の節約

・価値ある商品づくり

・価値ある商品の販売

この流れを真剣に考え、量を売り、消費する時代は過ぎ去って

商品を大切に作り、大切に売る時代になった。

小売りの現場で働く者にとって、売上の拡大はなくても利益を残す商売をするには

各商品の販売に役立つ情報や商品を大切にする売り方を

真剣に取り組む時に来たと強く感じている。


今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜

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