みなさん、おはようございます。
広島のコンサルティング会社、エムアイシーコンサルティングです。
あっという間に2月が終わって3月を迎えていますね。このブログを書いているのは3月2日なのですが、2月が30日まであれば、今日は2月30日なのです。
年度末の3月も真っ直ぐ突っ走りましょう!

さて2回目の今日は「損益計算書」です。前回は、どの資料がどういったことを表しているかをご説明しました。「損益計算書なんかわかってるよ・・・」とおっしゃる方もいると思いますが、少しずつ掘り下げていきますので、ゆっくりじっくりお付き合いくださいね。

決算書資料の中でも経営者にとって比較的とっつきやすい損益計算書を見てみましょう。ご存じの方も多いですね。損益計算書には会社の営業成績が出ています。損益計算書は単純です。

例えでご説明します。ある八百屋さんがありました。八百屋さんは野菜を売ることが商売(事業)です。まずは野菜を仕入れます。わかりやすく商品は1種類にします。
 だいこん 1本100円を8本仕入れ → 800円
 仕入れただいこんが1本150円で6本売れました。 → 900円
 つまり残り2本が在庫で残っています。 → 200円
 営業するためにかかった経費として、
 宣伝をするためのチラシ代 50円
 お店の営業に電気代 30円
   〃   車のガソリン 80円
   〃   袋代 10円
 店主さんの給料分 100円
 以上が使った経費です。

 それが損益計算書でこのように記載されています。
  売上   900円
  仕入   800円
  在庫   200円
  原価   600円(仕入と在庫を差し引きして売上6本にかかった分だけの仕入)
  粗利益  300円(売上-原価) 売上総利益とも言います。
  広告費   50円
  光熱費   30円
  車両費   80円
  消耗品   10円
  人件費  100円
  経費合計 270円(広告費から人件費までの合計)
  利益    30円(これが儲けです) 営業利益とも言います。

これが損益計算書です。単純ですよね。商売の順番とは違うので、慣れないうちは少し違和感を感じると思いますが、単純に儲けがいくらあったのかを計算しているのです。
この八百屋さんは商売で30円儲けが出たことがわかります。

では、ここでちょっと考えてみてください。
この店主さんが気前の良い方で、だいこんを10円引きで販売してたとするとどうなりますか?

売上は1本当たり140円になるので、840円になりますね。
もちろん仕入値は変わっていないので、原価は600円になります。
すると差し引きして粗利益は、240円出ています。
経費ももちろん変わらないので、270円かかっています。
つまり、利益は△30円!この八百屋さんは、儲けどころか、赤字になってしまいます。

「そんなのは損益計算書を見て、理解していればわかるんだから、この店主だって10円引きなんかしないよ」とおっしゃった経営者の方。さすがです。
『損益計算書を理解していれば』わかりますよね?

しかし、この八百屋さんの店主はこう考えています。
「10円引きにしても、原価が100円なんだから、1本当たり40円儲けが出るじゃないか!それを6本も売ったんだから粗利益も240円出ている。なんで儲けが出ないんだ」
もしかして御社の営業マンは同じようなことをおっしゃっていませんか?クライアントの社内会議に参加するとこういった発言をする営業の方がかなりいらっしゃいます。中には経営幹部や経営者の方ですらこういった考えの方がいらっしゃいます。(残念ながら営業畑出身の方が多い気がします)事実、国税庁が発表している赤字企業は7割以上あるのです(もちろん戦略的に赤字にしている企業も含まれます)

さらに追い打ちをかけますが、もうひとつ考えてみてください。
仕入れが余分だったので在庫のうち、1本が腐ってしまい捨てた。

そうなると、もちろん売上は変わりません。
しかし原価が売れた分6本と廃棄した分1本の計7本分が上がります。すると原価は700円分で残り1本が在庫です。
となると、粗利益は140円になり、利益は△130円になります。
(わかりやすいように損益計算書上の表記区分は無視して原価に含めています)

きっと八百屋の店主も良かれと思い仕入れたのでしょうが、この結果には愕然とするでしょう。店主の何が悪かったのでしょうか?

この原因は、損益計算書を見ていない、あるいは見ているが『理解していない』からです。次回はこの店主に儲けを出すために『理解してもらう』キーワードをお話しようと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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