日管連とその傘下の各都道府県マンション管理士会を公益社団法人とすべきであ
ると言ったが、後に、「マンション管理士法」を制定し、その法律によって他の士
会のように、中央の会とその傘下の都道府県会を定める。そして、公益社団法人か
らマンション管理士法上の法人に移行することを視野にいれなければならないと思
う。

 そうすることによってはじめて他の士会と同じような組織となる。そして、会長
は、選挙で選ぶべきである。先日も日弁連の会長の選挙がマスコミに大きく取り上
げられたが、本来そうあるべきである。他の士会も中央のみならず、地方の会長も
選挙で選んでいる。この会長を選挙で選ぶということは、社団法人の段階でもやる
べきである。

 一般社団法人から公益社団法人に移行し、最終的に「マンション管理士法」上の
法人に移行を目指すべきであるが、その準備段階である社団法人の段階においても、
民主的な会の運営がなされていなければ、「マンション管理士法」の制定を進める
ために説得力がないし、国も立法する気にもならないであろう。

 社団法人の段階では、中央である日管連ないしは地方の都道府県マンション管理
士会に入会しなければマンション管理士の名称を名乗れないとか、ある一定の仕事
ができないという「強制加入」の制度はできないと思われる。しかし、「マンショ
ン管理士法」ができて、その法律上の法人に移行すると、強制加入を認めるべきで
あろう。

 しかし、その強制加入を認めるための条件として、マンションの管理に関する業
務の独占をマンション管理士に認める必要がある。業務の独占を認めるということ
は、いわば、その資格者に特権を与え、反面、資格を持たない人の業務を制限する
わけである。これは憲法上の職業選択の自由とも関係することである。だから、マ
ンション管理士もそれ相応の痛みを覚悟しなければならない。

 資格に特権を与える代わりに、組織の運営を明確にして信頼できる団体にしなけ
ればならない。その一つとして強制加入がある。加入してはじめてマンション管理
士を名乗れるとか、一定の業務ができるとすべきである。

 問題は、業務の独占の範囲である。マンション管理に関する事項は、一々ここで
挙げるまでもなく、多岐にわたっている。その全てを独占にするわけにはいかない。
その一部を独占にしてもらう代わりに法律の制定と強制加入を認める。後に、独占
業務の拡大を目指していけばよい。

 他の士業も業務の独占の拡大を目指して、「政治連盟」等の別組織をつくり政治
家などに働きかけているのだ。マンション管理士会も法制定や業務の独占を目指し
て、そのような組織を作ることを検討すべきであろう。

 具体的にどのような業務を独占にすべきか。私は「第三者管理者」はマンション
管理士でなければできないとすべきだと思う。これを認めてもらう代わりに、強制
加入を承認し、組織の明確化をはかる。

 必ず、マンションには第三者管理者を置かなければならないということではない。
そこまでの法制化は今のところ無理だと思う。マンションの管理組合が第三者管理
者を置くことを決定した場合には、それは、マンション管理士から選ばなければな
らないということだ。

 第三者管理者は、個人でも法人でもなれるが、法人の場合、一定以上の数のマン
ション管理士が所属していることという条件をつければよい。

 第三者管理者というごく限られた業務の独占を認めてもらうのに、強制加入を承
認しても、そもそも、それだけのためであれば、会に加入するメリットはないので
はないかという疑問もあろう。しかし、法制化のため、組織の明確化のため、はじ
めの一歩を踏み出すためには誰もが納得するような業務の独占から始めるべきだと
思う。そして、組織が明確になって会が信頼を得れば、おのずと、会に加入するメ
リットはあると思う。
 続きは次回へ。

 ※一般社団法人エースマンション管理士協会のホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/

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