神戸市の男が無登録営業と業務上横領の容疑で書類送検された。無登録営業での
送検は初めてのようだ。

 マンション管理の適正化の推進に関する法律(適正化法)によると、マンション
管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録
を受けなければならないとされている(適正化法44条1項)。

 登録をし、国土交通大臣が監督できるようにすることによって、マンション管理
業の信用を確保しようとするものである。この登録を受けないものは、マンション
管理業を行ってはならないとされる(適正化法53条)。

 無登録でマンション管理業を行うと、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が
科される(適正化法106条2号)。

 業務上横領でも送検されているが、刑罰は業務上横領の方がはるかに重い。刑
法253条によると、10年以下の懲役を科することになっている。

 新聞(朝日新聞2月23日朝刊)等に取り上げられているのは、適正化法の違反
(無登録営業の他、多くの犯罪が規定されている)で、初めての送検だからであ
ろう。

 この記事の背後には、このような無登録の者に依頼した管理組合の理事の責任
(管理組合への民事上の責任)があることに注意すべきである。

 管理組合が管理業者に管理を依頼する場合、業者から重要事項の説明等を受け
る。このようなちゃんとした手続きを経て契約(管理委託契約)をすれば、無登
録であることが判明するはずである。

 こういう当たり前の手続きもなしに管理委託契約をしたのであろうか。

 無登録営業というのは、単なる形式犯であるが、本件では、約2,000万円の業
務上横領があり、管理組合に損害が発生している。この点について、理事達が善
管注意義務を怠ったと認定されれば、損害賠償責任(管理組合に対して)が発生
するのである。

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