行政刷新会議の事業仕分けが始まった。闇将軍みたいな者の一声によって国会議
員の仕分け人の人数が大幅に減ったが、とにかく、予算の無駄の排除を期待したい。

 マンションの管理費や修繕積立金についても、無駄がないかの事業仕分けが必要
ではないか。管理組合の理事の方々に真剣に取り組んでいただきたい。

 通常の管理費の項目については、管理委託契約書において、費用の明細が記載さ
れているはずだ。また、予算案や決算書においても明細が記載されているはずだ。
これを検討して本当にこれだけの費用が必要かを判断しなければならない。

 疑問な点があれば、他の管理会社に見積りをしてもらい比較するのも一つの方法
だ。

 理事になったとたん、役所が税金を使うように、前例に従い、ことなかれ主義に
陥り、無駄な出費に目をつぶる。そういうことになっていないか。

 管理組合と管理会社とは対等な委任(委託)契約である。改善が見られないのな
ら、よりよい管理会社に変更することも検討すべきであろう。これがみんなの金を
預かる理事の役割であり、責任である。

 次に、長期修繕計画に従って修繕積立金をしているかを検討しよう。この場合、
長期修繕計画は、平成20年に国土交通省が「長期修繕計画標準様式・作成ガイド
ライン」を出しているので、これを参考にしよう。余計な工事を多くしていない
か。工事の回数を必要以上に多くして工事費を高く見積っていないかを検討しよ
う。

 適正な長期修繕計画を基に修繕積立金を積み立てて、その計画に従って工事を実
施する。決して、管理会社の思いつきによって工事をしてはならない。

 機械式の駐車場料金は、修繕積立金として積み立てているか。これを通常の管理
費として計上しているマンションが非常に多いが、これは機械式駐車場の修繕費用
として積み立てておかなければならない。機械式駐車場は、将来非常に修繕費用が
かかることを覚悟しなければならないのだ。

 マンションの管理は管理組合が主体的に行うというのが基本中の基本だ。未だに
管理会社に全面的に管理を委ねて疑問をもたない理事は、理事になる資格がないと
言える。

 平成13年8月から施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」
の新しい考え方に立って、管理組合も管理会社も変わっていかなければならない。

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