タレントの酒井法子(ノリピー)が覚醒剤所持・使用の疑いで逮捕され、奄美
大島で使用したということが、テレビで盛んに言われている。その度に複雑な思
いがする。

 中学3年の2学期まで過した奄美大島は、亜熱帯の自然の豊な故郷だ。私の育っ
た宇検村屋鈍は、湾の入口に集落があり、ちょっと足を伸ばして湾を出ると東シ
ナ海が広がる。そこは干潮になると一面のサンゴ礁が海面から出て絶好の漁場と
なる。そこで魚を獲ったり、ウニや貝を採ったりしたものだ。

 故郷を離れて単身で兵庫県尼崎市に行くというときに、母から言われた言葉が
今でも忘れられない。「故郷を奄美大島と言うと、都会では馬鹿にされるから、
故郷は鹿児島と言いなさい。」ということだった。戦前、両親は神戸に住んでい
たので、自分たちの経験に基づく助言だったのだろう。

 確かに奄美大島は鹿児島県に属するが、本土の鹿児島とは気候・風土・人情も
全然違うし、文化も違う。故郷奄美について誇りに思っていた私は、この母の助
言だけは絶対に聞くまいと思った。

 中学校・高校を尼崎で過ごした私は、自分の故郷は奄美大島だということを積
極的に言い、鹿児島ということは絶対に口にしなかった。それで馬鹿にする奴が
いたら、こっちから願い下げだと思っていた。おかげで多くの親友を得た。

 昔は船で30数時間かかったが、今では飛行機で1時間少しで行けるようになっ
た。観光で訪れる人も多いと聞く。

 奄美大島には昔から島独自の音楽があり、数多くの島歌がある。豊な自然と人
情・歌があり、そこにいるだけで癒されるのに、何故覚醒剤を吸わなければなら
ないのか。残念でならない。

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