今年は、松本清張・太宰治の生誕100年ということで、新聞などの特集記事を
良く目にする。

 私の若い頃は、松本清張は現役のバリバリだったが、太宰治は既に亡くなって
いた。2人の小説はほとんど読んだ。若い頃は、太宰治の作品を読み漁ったこと
がある。

 そこで、最近話題になっているので、太宰治の「人間失格」をわくわくしながら
読んでみた。ところが、いくら読み進んでも、退屈な思いにかられた。あれ、昔は
確か引き込まれて一気に読んだはずだったのにと思いながら・・・。ついに最後ま
で退屈だった。

 他の作品もそうかなあと思って、読むことを迷っているところだ。

 若い頃は、読書が趣味というほどではないが、夏目漱石、芥川龍之介、志賀直
哉などを良く読んだ。今も現役の大江健三郎も読んだが、文章が長くて読みずら
かったのを覚えている。講演会などを聞いて人柄が好きだったので、無理して読
んだものだ。

 最近、昔読んだ小説を読み返しているが、太宰の「人間失格」みたいな退屈な
思いはしない。夏目漱石の「こころ」・「坊ちゃん」、芥川龍之介の「羅生門」・「鼻」、尾崎紅葉の「金色夜叉」等々、今読んでも夢中になる。特に金色夜叉は
長い割には引き込まれて一気に読むことができた。

 昨年は、「源氏物語千年紀」ということで、特集が新聞などでくまれていた。
同窓生の女性などに聞くと、読んだという人が多い。これは一度読破しなければ
と思い、昨年の夏に、瀬戸内寂聴訳の文庫本を読み始めた。

 こいつは何じゃと思いながら読んでいる。これがどうして女性に人気があるの
かわからない。何しろ10巻もあり、読みにくさもあり、まだ半分ぐらいまで読ん
だところだ。ぼちぼち読むことにする。

 さて、太宰治であるが、「斜陽」を読んで、これも退屈であれば、以後一切読
まないようにしよう。

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