IHクッキングヒーターあるいはオール電化住宅について、いろいろ論争がある。
電磁波がどうのこうのとか、いや安全だとか言われているが、ここでは、関西電
力と大阪ガスの論争みたいな問題については全く関係なく、マンションにおける
問題について見ることにする。

 最近のマンションであれば、オール電化住宅もあり、また、IHクッキングヒー
ター(電磁誘導の作用により、鍋底渦電流を発生させて、鍋そのものを発熱させ
る過熱調理器。電磁調理器ともいう。)の導入を見越した電気工事が施されてい
るものもある。

 しかし、少し古いマンションであれば、IHクッキングヒーターに備えた電気工
事がなされていない。このようなマンションにおいても、各区分所有者が独自に
IHクッキングヒーターを使用している例がある。

 それ自体は専有部分の問題であり、各自の判断に任されているともいえる。し
かし、IHクッキングヒーターは、かなり多くの電力を消費するものであり、それ
を使用する者が少ないうちは、問題は表面化しないが、使用する者が増えてくる
と、マンションの電気はもたなくなるおそれがある。

 問題が表面化したときに、それ以後のIHクッキングヒーターの使用を禁止する
と、早い者勝ちとなり、不公平である。そこで、マンション全体が使用できるよ
うにするためには工事が必要であるが、今後それを使用する予定のない人にとっ
ては、工事代金を全員で負担するのには反対ということになる。

 今後の推移を見ながら、あらかじめ、管理組合で将来を見越して対策を立てて
おくべき問題ではないかと思われる。

 ※エースマンション管理士ホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/