今年のはじめに、大阪地方検察庁から封書が届いた。別に悪いことをした心当
たりはな かった。しかし、聖人君主ではあるまいし、たたけば多少の埃がある
のが人の性、封を切るまでは何か落ち着かなかった。

 開けて見ると、10万円の過料を数ヵ月後までに支払えとの通知だった。宅建の
講習をする株式会社を設立しているが、会社のある事項について変更すべきであ
るにもかかわらず、5年ほど放置していて、つい最近その変更登記をしたところ
だった。

 登記事項が変更すると、一定の期間内に登記しなければならないとされている
事項がある。これを5年間怠ったために、過料に処せられたのである。

 不動産登記法でも、表示登記は、1ヶ月以内に登記をしなければならないとさ
れ、これを怠れば、過料に処せられる。住民票の変更にも、怠れば過料に処せら
れるという規定がある。
 また、区分所有法では、マンションの理事長などが、集会の議事録を作成しな
かったり、規約や集会の議事録などの閲覧を正当な理由なく拒絶したときは、20
万円以下の過料に処せられるという規定がある。

 ところで、罰則という場合、刑事罰(刑罰)と行政罰の2種類がある。
 刑罰は、死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料・没収(没収は他の刑罰に付加し
て科されるので、付加刑という)の7種類がある。
 行政罰としては、過料がある。

 科料(かりょう=とがりょうなどという)と過料(かりょう=あやまちりょうな
どという)をよく混同するが、前者は刑罰であり、後者は行政罰である。

 刑罰は、裁判を経て裁判所が言い渡しをする。また、前科となる。
 行政罰は、行政庁が通知する。前科という問題はない。
   
 なくなく10万円の過料を支払ったのは言うまでもない。

 ※エースマンション管理士ホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/