マンション管理組合の顧問
記事投稿日2010年08月20日金曜日
投稿者:一般社団法人エースマンション管理士協会 カテゴリー: General
マンション管理士の業務として、マンション管理組合の顧問というのがあ
る。月5万円ぐらいで管理組合と契約している場合が多い。
顧問契約(民法上の委任契約である)というと、弁護士の顧問契約が一般
的である。弁護士が企業の顧問弁護士になるという契約である。私は、弁護
士事務所に勤務していたことがあるが、弁護士の顧問料というのは、その事
務所を維持するために重要な資金である。
駆け出しの弁護士は、まず、この顧問契約を多くとることに努力する。こ
れによって安定的な収入の確保ができて、一人前の弁護士として認められる。
弁護士の顧問料については、高いのから安いのまで様々で一概に言えない
が、一応の相場はあるようである。
弁護士が企業の顧問になると、日常の法律相談については、無料になるが、
訴訟事件の依頼を受けたときには、別個に着手金(委任契約上の費用である)
と成功報酬を受領することができる。
弁護士の顧問料は、相談事が多かろうが少なかろうが一定である。企業に
とっては、顧問弁護士がいるということは、一つのステータスであり、また、
顧問料は必要経費として税金対策にもなっている。
それでは、マンション管理士の場合の顧問というのはどうか。管理組合と
顧問契約をすると、その業務内容が細かく決められている場合が多い。弁護
士みたいに法律相談がある場合に、それに応えればいいと言うようなもので
はない。
総会や理事会への出席、管理組合の運営全般の補助、管理費の滞納に関す
るアドバイス、管理会社の仕事のチェック等々様々である。弁護士の顧問と
は比べ物にならないほどの仕事量である。ステータスでも何でもなく、正に
仕事に対する対価である。
それで顧問料が5万円とは、決して高いものではないと思う。ただ、この
顧問料は、管理組合員の管理費の中から提供されるものであり、小規模のマ
ンションにとっては、決して安いものではない。また、企業のような税金対
策としてのメリットもない。
現在のところ、マンション管理士を顧問としている管理組合は少ない。管
理組合にとって顧問料は無駄なものと思われている。また、マンション管理
士の方も、この顧問契約の必要性について説明が不足している。
管理会社の変更(リプレイス)、管理費の削減、大規模修繕のコーディネ
ート、規約の改正等の単発の仕事の方がはるかに報酬額が高く(この報酬の
定め方にも問題があると思うが。)、マンション管理士の方もこれらの仕事
に魅力を感じるようだ。管理組合の方も、管理費が現実にいくら安くなった
と数字として出るので、これらに関心が向く。
しかし、マンション管理士の仕事の基本は、顧問だと思う。顧問契約を通
じて上述の単発の仕事の必要性と妥当性が明らかになってくる。管理組合の
事情を熟知した上で、リプレイスの必要性、管理費の妥当性、大規模修繕の
時期や必要性の判断を管理士が管理組合にアドバイスをする。顧問が主であ
って、単発のこれらの仕事は従たるものと思う。
リプレイスの後に、マンション管理士が管理会社の仕事をチェックする必
要がある。大規模修繕の後に、マンション管理士が大規模修繕工事の欠陥の
有無等を管理組合とともに監視する必要がある。また、大規模修繕の後の修
繕積立金の使われ方を監視する必要がある。
他方、管理会社が適正な仕事をしていれば、それを正当に評価し、管理組
合の無茶な要求を抑える必要もある。管理業者も営利企業であり、適正な利
益を上げることは当然だからだ。
マンション管理士がマンション管理士としての適正な仕事をするなら、長
い目で見れば、マンション管理士を顧問としている管理組合の方が結局は得
をするということになると思う。そうなるような仕事をしなければならない
と思う。
同じマンションにマンション管理士が顧問として長くかかわり、そのマン
ションの適正な管理を最後まで見届ける。これが、マンション管理士制度を
創設した趣旨ではないのか。マンション管理組合の役員の方々は、目先の利
益にとらわれるのではなく、何十年の後々まで、マンションの管理が適正に
行われることを念頭において管理士を選んでほしい。
※一般社団法人エースマンション管理士協会のホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/
http://ping.blogmura.com/xmlrpc/4i320vqvtdpv
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る。月5万円ぐらいで管理組合と契約している場合が多い。
顧問契約(民法上の委任契約である)というと、弁護士の顧問契約が一般
的である。弁護士が企業の顧問弁護士になるという契約である。私は、弁護
士事務所に勤務していたことがあるが、弁護士の顧問料というのは、その事
務所を維持するために重要な資金である。
駆け出しの弁護士は、まず、この顧問契約を多くとることに努力する。こ
れによって安定的な収入の確保ができて、一人前の弁護士として認められる。
弁護士の顧問料については、高いのから安いのまで様々で一概に言えない
が、一応の相場はあるようである。
弁護士が企業の顧問になると、日常の法律相談については、無料になるが、
訴訟事件の依頼を受けたときには、別個に着手金(委任契約上の費用である)
と成功報酬を受領することができる。
弁護士の顧問料は、相談事が多かろうが少なかろうが一定である。企業に
とっては、顧問弁護士がいるということは、一つのステータスであり、また、
顧問料は必要経費として税金対策にもなっている。
それでは、マンション管理士の場合の顧問というのはどうか。管理組合と
顧問契約をすると、その業務内容が細かく決められている場合が多い。弁護
士みたいに法律相談がある場合に、それに応えればいいと言うようなもので
はない。
総会や理事会への出席、管理組合の運営全般の補助、管理費の滞納に関す
るアドバイス、管理会社の仕事のチェック等々様々である。弁護士の顧問と
は比べ物にならないほどの仕事量である。ステータスでも何でもなく、正に
仕事に対する対価である。
それで顧問料が5万円とは、決して高いものではないと思う。ただ、この
顧問料は、管理組合員の管理費の中から提供されるものであり、小規模のマ
ンションにとっては、決して安いものではない。また、企業のような税金対
策としてのメリットもない。
現在のところ、マンション管理士を顧問としている管理組合は少ない。管
理組合にとって顧問料は無駄なものと思われている。また、マンション管理
士の方も、この顧問契約の必要性について説明が不足している。
管理会社の変更(リプレイス)、管理費の削減、大規模修繕のコーディネ
ート、規約の改正等の単発の仕事の方がはるかに報酬額が高く(この報酬の
定め方にも問題があると思うが。)、マンション管理士の方もこれらの仕事
に魅力を感じるようだ。管理組合の方も、管理費が現実にいくら安くなった
と数字として出るので、これらに関心が向く。
しかし、マンション管理士の仕事の基本は、顧問だと思う。顧問契約を通
じて上述の単発の仕事の必要性と妥当性が明らかになってくる。管理組合の
事情を熟知した上で、リプレイスの必要性、管理費の妥当性、大規模修繕の
時期や必要性の判断を管理士が管理組合にアドバイスをする。顧問が主であ
って、単発のこれらの仕事は従たるものと思う。
リプレイスの後に、マンション管理士が管理会社の仕事をチェックする必
要がある。大規模修繕の後に、マンション管理士が大規模修繕工事の欠陥の
有無等を管理組合とともに監視する必要がある。また、大規模修繕の後の修
繕積立金の使われ方を監視する必要がある。
他方、管理会社が適正な仕事をしていれば、それを正当に評価し、管理組
合の無茶な要求を抑える必要もある。管理業者も営利企業であり、適正な利
益を上げることは当然だからだ。
マンション管理士がマンション管理士としての適正な仕事をするなら、長
い目で見れば、マンション管理士を顧問としている管理組合の方が結局は得
をするということになると思う。そうなるような仕事をしなければならない
と思う。
同じマンションにマンション管理士が顧問として長くかかわり、そのマン
ションの適正な管理を最後まで見届ける。これが、マンション管理士制度を
創設した趣旨ではないのか。マンション管理組合の役員の方々は、目先の利
益にとらわれるのではなく、何十年の後々まで、マンションの管理が適正に
行われることを念頭において管理士を選んでほしい。
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