2009年 11月の記事一覧

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09年11月30日 20時36分05秒
Posted by: mansyonkanrisi
 平成20年度マンション総合調査(国土交通省)によると、マンションのトラブル
発生として最も多いのは、居住者間の行為、マナーをめぐるものである。実に63.4
%のマンションで問題になっている。続いて建物の不具合に係るもの(36.8%)、
費用負担に係るもの(32%)となっている(重複回答)。

 居住者のマナーをめぐるものとして、生活音、違法駐車、ペット飼育、バルコニ
ーの使用方法、共用部分への私物の放置等である。

 この中で、生活音以外の問題は管理組合の規約にこれらに関して定めてあり、そ
の違反行為の認定が明白に認定でき、管理組合で解決することが比較的容易な問題
である。

 ところが、生活音については、どこまでいけば違反するという具体的な数字で制
限できない。標準管理規約(単棟型)の第67条において「共同生活の秩序を乱す行
為を行ったときに、理事長が理事会の決議を経て勧告や是正等を行うことができる」
という規定があるが、この規定は直接騒音問題についての規定ではないし、騒音問
題についてこの規定が適用されるためには、明らかに近隣に響く騒音により近隣住
民がかなりの被害を受けた場合であろう。

 しかし、実際の生活音の争いの問題は、上の階の子供が走り回ってうるさいとか、
深夜に風呂の水を流す音がうるさいとか、ドアの開け閉めの音がうるさいとかいう
問題で、マンションの上下階の住民同士の争いである。共同生活の秩序を乱す行為
と直ちに認定できない。

 したがって、マンションの管理規約違反という問題が認定できず、管理組合が直
接関与することは難しい。

 それでも、管理組合内で話し合って解決するのが最も望ましいと思う。管理組合
の中には、当事者間の問題としてあまり関与したがらないところもある。しかし、
他人事として放置するのではなく、自分たちの問題として取り組む必要があると思
う。理事会や総会で当事者の出席の下で話し合って、マンションの快適な生活を守
るということは、居住者全員の共通の問題だということを話し合うべきである。

 先のマンション総合調査によると、管理会社に中に入ってもらうとか、警察に相
談するとか、当事者間で直接話し合うとか、様々な解決の仕方があるようだ。

 ついには、裁判沙汰になることもある。ここまでくると、お金もかかるし、判決
が出た後でも、しこりが残るだろうし、賢い解決とはいえない。

 裁判においては「受忍限度」内の騒音かどうかが争点となる。特に敏感でも、特
に鈍感でもない一般人において、当該騒音が受忍できる限界を超えたものかどうか
を判断するのである。

 しかし、裁判で判決が出たからといって、当事者が心から満足するものではない。
根本的な解決にもならない。やはり、管理組合が自分たちの問題として、管理組合
の中で解決するのがベストである。

 最近、千葉県内で、マンションの住民の発案で騒音条例ができたというニュウス
が流れた。それも一つの方法に違いない。騒音問題は全国的に深刻な問題である。

 そもそもこのような騒音問題が起こらないようにするために、マンション住民の
コミュニティの形成・充実が不可欠だ。前にもブログで指摘したように、お互いが
顔見知りであれば、少々の騒音も気にならないだろうし、当事者間で話し合って解
決することも容易にできる。

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09年11月25日 17時12分11秒
Posted by: mansyonkanrisi
 マンションの場合、言うまでもなく居住者全員でマンションの修繕費を負担する。
それぞれ経済的な状況が異なるので、修繕の度に修繕費用を徴収するという方法は
現実的に取れない。

 そこで、毎月一定の修繕積立金を積み立てることを規約に定めている。その積み
立てた金額は、マンション管理組合に帰属し、途中でマンションを売却しても、そ
の売却した個人には返還されない。マンションの売却に際してはこの修繕積立金の
額もマンションの評価額に含まれているのである。

 毎月の修繕積立金の額を適正に決めるためにはどうしたらいいのか。長期修繕計
画書に従って決めることである。ところが、多くのマンションにおいて、適当に決
められていると言わざるを得ない。

 30数年先を見越した長期修繕計画書を作って、修繕費用がいくらかかるかを概算
してそれに従って毎月の修繕積立金の額を定めなければならない。そして、積み立
てられた修繕積立金は、長期修繕計画に従った工事(大規模修繕であろうが、小規
模修繕であろうが同じこと)を行うときに支出されるのである。

 管理会社の思い付きによって工事をしてはならない。長期修繕計画書にない工事
がどうしても必要であれば、総会の決議によって長期修繕計画書を改正して、それ
に従って工事をするというのが、ルールだ。

 このように、長期修繕計画は、毎月の修繕積立金の額を決定する役割を果たすと
ともに、積み立てられた修繕積立金の支出をも決定するのである。このように長期
修繕計画をちゃんと定めてあれば、毎月の修繕積立金の額が決まり、後で修繕積立
金を段階的に上げていかなければならないとか、一時金が必要であるとか、そうい
う問題が起こることが少ない。

 ちゃんとした長期修繕計画がなされ、それに従った修繕積立金の積み立てがなさ
れ、かつ、それに従った修繕工事の支出がなされていれば、後で、修繕積立金が不
足して、その値上げが問題になって区分所有者間の紛糾が起こることはない。

 多くのマンションにおいて、長期修繕計画書があることはある。それが適切なも
のかどうかは甚だ疑問だ。それぞれの工事の額が適切か、余計な工事を多くしてい
ないか、工事の回数を必要以上に多くして工事費を高く見積っていないかを検討し
よう。

 長期修繕計画書は、マンションの修繕(大規模であろうが小規模だあろうが)の費
用をあらかじめ予測し、月々の修繕積立金を決定するために基本となるものであり、
マンションの価値を高め、快適なマンションライフの実現にために重要なものであ
る。

 ところが、これがいい加減なものが多いため、このような現状に危機感を持った
国は、平成20年に「長期修繕計画標準様式・作成ガイドライン」(国土交通省)を
出しているのだ。まだ、古い長期修繕計画書である場合、これに従った長期修繕計
画書の作成を管理会社に要求しよう。

 長期修繕計画書が適切なものであるかどうかを判断するため、複数の管理会社に
依頼して長期修繕計画書を作成してもらって、比較する方法もある。また、信頼で
きる建築士に依頼して作成してもらう方法もある。

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09年11月17日 20時35分01秒
Posted by: mansyonkanrisi
 15日(日)に書写山 円教寺と姫路城に行った。春と秋の恒例の高校同窓生の
ハイキングだ。

 書写山は西の比叡山といわれ、天台宗の道場だ。書写山円教寺は、西国三十三
霊場の第二十七番札所である。また、映画「ラスト・サムライ」のロケ地でもあ
る。数々の時代劇のロケ地にもなっている。

 書写山(標高370m)まではロープウエイで登ったが、そこから眺める景色も
絶景だ。ちょうど紅葉の見頃で多くの観光客が訪れていた。

 円教寺の帰りに姫路城に立ち寄った。姫路城は、今年の秋から平成の大修理が
行われ、来年の花見が終わる頃には工事のため天守閣が足場で覆われる。5年間は
天守閣が見られなくなる。その前に見ておこうということだ。

 自然とふれあい、気の置けない仲間達10人と紅葉を見ながらのんびりと一日を
過ごした。みんなから元気をもらった。

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09年11月11日 19時26分03秒
Posted by: mansyonkanrisi
 行政刷新会議の事業仕分けが始まった。闇将軍みたいな者の一声によって国会議
員の仕分け人の人数が大幅に減ったが、とにかく、予算の無駄の排除を期待したい。

 マンションの管理費や修繕積立金についても、無駄がないかの事業仕分けが必要
ではないか。管理組合の理事の方々に真剣に取り組んでいただきたい。

 通常の管理費の項目については、管理委託契約書において、費用の明細が記載さ
れているはずだ。また、予算案や決算書においても明細が記載されているはずだ。
これを検討して本当にこれだけの費用が必要かを判断しなければならない。

 疑問な点があれば、他の管理会社に見積りをしてもらい比較するのも一つの方法
だ。

 理事になったとたん、役所が税金を使うように、前例に従い、ことなかれ主義に
陥り、無駄な出費に目をつぶる。そういうことになっていないか。

 管理組合と管理会社とは対等な委任(委託)契約である。改善が見られないのな
ら、よりよい管理会社に変更することも検討すべきであろう。これがみんなの金を
預かる理事の役割であり、責任である。

 次に、長期修繕計画に従って修繕積立金をしているかを検討しよう。この場合、
長期修繕計画は、平成20年に国土交通省が「長期修繕計画標準様式・作成ガイド
ライン」を出しているので、これを参考にしよう。余計な工事を多くしていない
か。工事の回数を必要以上に多くして工事費を高く見積っていないかを検討しよ
う。

 適正な長期修繕計画を基に修繕積立金を積み立てて、その計画に従って工事を実
施する。決して、管理会社の思いつきによって工事をしてはならない。

 機械式の駐車場料金は、修繕積立金として積み立てているか。これを通常の管理
費として計上しているマンションが非常に多いが、これは機械式駐車場の修繕費用
として積み立てておかなければならない。機械式駐車場は、将来非常に修繕費用が
かかることを覚悟しなければならないのだ。

 マンションの管理は管理組合が主体的に行うというのが基本中の基本だ。未だに
管理会社に全面的に管理を委ねて疑問をもたない理事は、理事になる資格がないと
言える。

 平成13年8月から施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」
の新しい考え方に立って、管理組合も管理会社も変わっていかなければならない。

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09年11月02日 13時52分09秒
Posted by: mansyonkanrisi
 政権が変わり、最近政治のニュースが面白い。今までさっと流していたが、じっ
くりと読むようになった。政治が良い方に変わってほしいものだ。幻想を抱かず冷
静に見ていきたい。

 政治が声の大きい業界を向いて行われ、その見返りに金と票を当てにして、多数
の声なき声を無視してきた。表向きは、それが日本の発展・経済政策のために必要
だと言う言葉の下で。

 しかし、実際には目先の利益ばかり追い求め、自分の地位の安泰を第一に考えて
いる企業人に日本の将来を見渡せるはずもなく、その声ばかり聞いたので今日の状
況を招いた。経済は一流、政治は三流と言われていたが、最近は、経済も政治も三
流だったのだ。

 映画「沈まぬ太陽」は面白い。日航の体質(特に上層部)が今日の体たらくをも
たらした。JR西日本の上層部と重なる。この後に及んでも免れて恥じない体質は
どうしようもない。

 さて、日本の住宅政策は持ち家(特に新築)取得の援助に傾いてきたと言われて
いる。それは業界の強い要請のもとに行われてきた。経済のカンフル剤という観点
から新築住宅の推進がはかられてきた。

 しかし、先にも述べたが、今、マンションを含め住宅が600万戸以上の余ってい
ると言われている。その住宅を有効に利用するために公的な支援が必要ではないの
か。中古マンションについてはバリアーフリー化や間取りの変更というリホームや
リノベーションを進める。

 新たな事業の開拓にもなるし、何にも利用されないで遊んでいる莫大な資産を有
効活用することになる。売買や賃貸の市場に出せるように、政治が業界をリードし
てその活用のために援助してほしい。

 前原国土交通相が住宅リホーム需要の喚起策などの検討をすることを表明してい
る。是非、中古マンションの利用を促進してほしい。

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