2014年の傾向
2月4日から本格的な甲午(こうご・きのえうま)の年が始まりました。
気象医学である黄帝内経(こうていだいけい)を紐解くに、甲の年は「太宮」とあり、これは
土運が大過することを意味しています。
土運が大過の年は、雨や湿気が多く、土剋水の理で、腎水の気が傷つけられます。
腎臓、膀胱、泌尿器、子宮、腰、骨、耳の病気に用心しましょう。
人は腹痛や四肢の冷え、しびれなどに犯されやすく、気持ちが鬱々として晴れにくくなります。
また、身体が重く感じ、いらいらするなどの症状が起こりやすくなります。
土気があまりに盛んになると、筋骨が委縮して、足腰が不調になりやすく、水やお茶を飲み
過ぎると、症状が悪化するものです。また土の臓腑である脾胃が、過剰な気や湿によって不調
や潰瘍を起こさぬよう、食の節制も大事となります。
私と同じく、糖尿や通風などの関節痛のある方は、既に予兆を感じている方も多いでしょうが、
土剋水の理で、五味の甘(でんぷん・糖質)を多く摂ると症状は悪化します。
正月の餅を少し控えたつもりでしたが、セイブル錠を飲んでも抑えは足らず、膝が痛むのが
困りものです。^^;
黄帝内経にある気交変大論の記載ですが、土気が強くなる年は、風雨が多くなって、河川の
氾濫や堤防の決壊、土砂崩れが起こりやすくなります。
その折には、人は腹部の膨張、軟便、腹鳴り、下痢などに罹りやすくなります。
この年、太渓脈が絶えると死に至ると記載されていますが、太渓は少陰腎経に属する腎の経絡
の原穴です。足の内踝の後ろの跟骨上にあり、動脈の脈動がある場所ですが、太は大、渓は
山間の流水の意味で、腎陰の気を潤すツボです。
特効治療点としての効能は、頭痛目眩、咽喉腫痛、歯痛、難聴、耳鳴、咳嗽、気喘、胸痛喀血、
消渇、月経不順、不眠、健忘、遺精、インポテンツ、小便頻数、腰脊痛、下肢厥冷、内踝腫痛に
用いるツボです。
不調あるときは、今年はこのツボを大事としましょう。
六元正紀大論の記載では、地支が午の年は少陰君火が天を司るとあります。
少陰が司天の年は、気化の運行が天の時に先立って現れます。
季節の変化や特徴が、早く現れやすいことですね。
初気、1月20日からは寒気が広がるとあります。
冬眠する動物は再び隠れ潜み、水はよく氷ることでしょう。
霜や雪が降り、風がしばしば吹くことになります。
陽気は寒気に抑えられて力を発揮することができず、人々も起居が慎重になりがちとか。
こういう時は、人は関節の硬直、腰部や臀部の疼痛などの症状が起きやすくなります。
そして春から温熱の気が訪れようという頃になると、身体の内部や外部にできものが発生する
こともあります。
土運の気は陰雨で、その正常な気化は柔軟、重厚、潤沢ですが、変化が異常な最近の場合、
風が強く吹き、突然雨が降って天地が揺れ動き、腹が脹れたり身体が重いなどの病気が現れ
やすくなるとあります。
今年は、四緑木星が中宮となりますが、その象意にも風があり、強風が印象的ですね。
四緑木星が中宮になる日は風が吹くといいますが、はてさて?^^;
強風、竜巻、台風などに対して、土木工事も調うと良いな。
四緑木星の易象は巽の卦で、斉(ととの)うの意があります。
信用、縁談、心や人の往来、音信、運搬、旅行、通勤などの意もありますが、そ
れぞれの人の課題に沿って、調えるべく整理しましょう。
気学では、四緑木星の四は四季でもあり、四方を分けるという意で世間往来を示します。
また、緑は、青と黄色の中間色で、三碧木星と五黄土星の中間に位置します。
青い若者が成長して、少し黄色に変わった姿で、四緑木星の木は木製品などで、
木気の生成が進んで調った姿になったものを示します。
巽の字義は、順(したが)う、譲るの意味合いですが、支障に遭えば柔らかくよ
けて吹きすぎる風の心が、諸事・諸関係を調え、成長する極意かもしれませんね。
午とは、忤( ご:さからう )で、方向が逆転することや 成長した樹が繁茂して、今度は老化の
方向( 次世代に向けた準備 )に向かう状態を意味しています。
道理や傾向に逆らうことなく、譲るべきは譲り、順うべきは従って、理に適い、
敵った調え方を目指しましょう。
今年一年が、何方にとっても良き調いの年となりますように。(念)
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