ISOは9001、14001どっちを先に取ったらいいの?に答える

このような、初歩的な質問、実際聞きにくいし、本にも余り解説していない。

ISOの9001と14001は視点の全く違う規格である。
9001は、品質14001は環境のマネージメントである。

「仕事の品質、製品の品質を向上しようとする9001」「仕事を通じて<環境>をコントロールする14001」ということになる。

両者とも、その事によって、品質向上とコストの削減を図り、立地する近隣地域に対して、環境に関する影響を最小限にし、永続的な事業活動を維持し、社会的責任を果たすものだ。

9001優先が正しい順序


では、ISOの取り組みを考えている企業としては、どう対処したらよいのか?
特別の理由がない限り、ズバリ!9001から取り組むのがベストだろう

何故なら、9001で成果をあげ、収益を稼いだその余力(資金)で14001に取り組むのが理に叶っているからだ。

9001の取得企業は3~4年後に約6割が、14001に取り組んでいるというデータがある。

これは、何故か?

ISO9001を取った企業は、その業界の中で、社外・社内の様々な事情で、ISOに取り組む必要性があった。

という事は14001に関してもその「社会的地位や立場」から、早晩その必要性が出てくる。

まず、社内の体制・システムを固めて、しかる後に「社会的責任」の具体策といえる「環境」に取り組む。きわめて合理的で、“自然“な流れといえる。

もう一つの具体的理由


人間は、前向きに何かにトライして成果が出るとやる気が向上する。そして、その成果が次のテーマに対して更にモチベーションを高める。これを好循環という。

ISO9001を正しく運用すると、このようになる。

しかし、ISO14001は特に当初は、殆どが「コピー用紙は両面使用しなければいけない」とか「夏のエアコンの温度設定は28度以上に」と言う様に「OOしてはダメ、ダメ」が多い。

こういうやり方は、決して従業員のモチベーションは高めない。
タバコを吸いたい人に禁煙を迫るようなストレスを生じさせる。

9001で、モチベーションを十分あげて、利益も獲得してからなら、14001の多少の「ストレス」にも耐えられる。

これが、逆だと、うまく行かない事がけっこうあり得る。
「9001が先」の理由はご理解頂けただろうか。

最近は<9001;14001>同時取得が50%に迫る勢い


「どちらが先?」と言うテーマなのに恐縮だが、最近の傾向は、新規取得の約半数の企業が9001と14001を同時に取る方式が増えている事だ。

それは、先ほどの話・・「9001取得の企業の6割が、3~4年後に14001を取っていると」大いに関連がある。

こういう事実が世に知れ渡るとどうなるか?それなら、「一つ一つ取るより一緒にとってしまえ」と言うことになる。

そして、これには、多くのメリットがあるのだ。

1.システム構築の手間ひまが、40%以上省ける。
2. そして、費用も同様に削減。
3. マニュアルも1冊で澄むので、運用が楽だ。
4. 審査費用も割安になる 

・・・・・・・・・などなどだ。

つまり、コンサル費用も審査費用も、運用の手間もうんと節約出来る。

当グループの50人規模以下のISO統合(9001+14001)コンサルの標準指導回数は、20回、11ケ月で完成する。

ISOは以前に比べ、新規取得は9001が減り、14001が増えている。

しかし、最近の特徴は、自社の為に、自社の体質強化の為にというISO本来の取得目的の企業が、むしろ増えている事だ。

「人から言われて」「取引先に言われて」は、以前の動機だ。

今は、もっと中身が濃く、運用しやすいISOシステムが主流だ。

ご参考までに。


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                                     ISO原人