2010年 4月の記事一覧
ISOコンサルタントの選び方教えます
我々自身の話なので、説明が主観的になり勝ちですが、なるべく客観的に述べます。
ISOコンサルタント以外の一般のコンサルタントにも通じる話でもあります。
ISOコンサルテイングのゴール(目的)は何か?といえばそれは・・
- ISOの認証が取れること
- その作ったシステムがその企業の固有の事情を反映していて、運用しやすく成果が出やすくなっていること
- 取得後の維持管理運用がしやすく、現場から使いやすいと言われること
その為には、どんなコンサルテイングが必要か、それはどんなコンサルタントか?
1. 認証を取るためのコンサルテイングについて
ISOのコンサルタントは実は、60%くらいの割合でISOの現役の審査員、審査員補
または、元審査員である。驚くかもしれないがこれが実態だ。
審査を裁判に置き換えると、審査員が検事、弁護士がISOコンサルタントになる。
つまり、ISOコンサルタントは、両方やっていることになる。だから、どこをどうすれば
審査が通るか細かく知っている。
ある会社では、「弁護士」でも別の会社では、「検事」になる。だから、我々ISOコンサルタントがコンサルに関与して、ISOの審査が通らないことは殆どない!
では、ISOコンサルタントは誰でもいいのか?
もう一度言おう。ISOコンサルの第一のゴールは認証を取ること。
しかし、これはISOコンサルの「最低限の仕事」です。
そして認証を取るのは、審査に向けてシステムを慎重に、安全に重厚にすると、問題なく受かる。
2.3.使いやすく成果が出るシステムが作れる
しかし、審査認証で、ISOは終わるわけではない。その後、その企業でシステムが定着し、現場の改善や、顧客の満足=支持が増えて業績が良くなることが真の目的である。
では、この辺が支援できるコンサルタントとはどういう人か?
それには、ISOの知識やノウハウだけではない「他の要素」が求められる。
それは、指導先と本音のコミュニケーションを取り、その企業の固有の事情を十分理解し、「審査」はギリギリで通って、且つ以後は使いやすく成果の出やすいシステムが作れるかである。
我々ISOコンサルは、通常10回以上指導先に足を運ぶ。毎回知識とノウハウを切り売りしているのではない。
最も重要なことは、「ISOプロジェクトの参加者と我々コンサルトとシステムの構築について、白熱した議論が戦わされ、納得性の高いシステムを作ること」です。
こういう事が「コンサルでは重要なのだ」と言う価値観を持っているかを、事前の面談で、感じ取れるかどうかが、選定のポイントと言える。
マニュアルやノウハウは、過去のもので、必要ではあるが100%あなたの会社に当てはまらないことがある。
現場の人に負担をかけるシステムとは?
ISOを導入した為に、ある伝票(記録)を作った。その記録を毎日記入しなければならない人が、20人いた。これが、現場の人にかける負担のことだ。
こういう事を極力なくし、ISOを取らなくてはならない。
我々はISO指導で、一年以内にその企業を去る。しかしその作成した「伝票」は、半永久に残る。目には見えにくい「大変な労力」を残す事になる。
こうした、コンサルテイングこそ避けなくてはない。
審査は通ったが、ISOの維持管理が大変
過去ISOを取った企業の約50%の声だ。半分以上担当コンサルタントの責任
だと思う。
ISOは会社を強くする手段です。このことが、十分判っているコンサルタントを
選ぶことが極めて重要です。
ISOの審査=認証は、通過点です。いつも考えていることだ。
コンサルタントで一番重要な資質とは何か?と言えば
「対人感受性」と「センス」だろう。
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ISO原人
ISOは9001、14001どっちを先に取ったらいいの?に答える
このような、初歩的な質問、実際聞きにくいし、本にも余り解説していない。
ISOの9001と14001は視点の全く違う規格である。
9001は、品質14001は環境のマネージメントである。
「仕事の品質、製品の品質を向上しようとする9001」「仕事を通じて<環境>をコントロールする14001」ということになる。
両者とも、その事によって、品質向上とコストの削減を図り、立地する近隣地域に対して、環境に関する影響を最小限にし、永続的な事業活動を維持し、社会的責任を果たすものだ。
9001優先が正しい順序
では、ISOの取り組みを考えている企業としては、どう対処したらよいのか?
特別の理由がない限り、ズバリ!9001から取り組むのがベストだろう
何故なら、9001で成果をあげ、収益を稼いだその余力(資金)で14001に取り組むのが理に叶っているからだ。
9001の取得企業は3~4年後に約6割が、14001に取り組んでいるというデータがある。
これは、何故か?
ISO9001を取った企業は、その業界の中で、社外・社内の様々な事情で、ISOに取り組む必要性があった。
という事は14001に関してもその「社会的地位や立場」から、早晩その必要性が出てくる。
まず、社内の体制・システムを固めて、しかる後に「社会的責任」の具体策といえる「環境」に取り組む。きわめて合理的で、“自然“な流れといえる。
もう一つの具体的理由
人間は、前向きに何かにトライして成果が出るとやる気が向上する。そして、その成果が次のテーマに対して更にモチベーションを高める。これを好循環という。
ISO9001を正しく運用すると、このようになる。
しかし、ISO14001は特に当初は、殆どが「コピー用紙は両面使用しなければいけない」とか「夏のエアコンの温度設定は28度以上に」と言う様に「OOしてはダメ、ダメ」が多い。
こういうやり方は、決して従業員のモチベーションは高めない。
タバコを吸いたい人に禁煙を迫るようなストレスを生じさせる。
9001で、モチベーションを十分あげて、利益も獲得してからなら、14001の多少の「ストレス」にも耐えられる。
これが、逆だと、うまく行かない事がけっこうあり得る。
「9001が先」の理由はご理解頂けただろうか。
最近は<9001;14001>同時取得が50%に迫る勢い
「どちらが先?」と言うテーマなのに恐縮だが、最近の傾向は、新規取得の約半数の企業が9001と14001を同時に取る方式が増えている事だ。
それは、先ほどの話・・「9001取得の企業の6割が、3~4年後に14001を取っていると」大いに関連がある。
こういう事実が世に知れ渡るとどうなるか?それなら、「一つ一つ取るより一緒にとってしまえ」と言うことになる。
そして、これには、多くのメリットがあるのだ。
1.システム構築の手間ひまが、40%以上省ける。2. そして、費用も同様に削減。
3. マニュアルも1冊で澄むので、運用が楽だ。
4. 審査費用も割安になる
・・・・・・・・・などなどだ。
つまり、コンサル費用も審査費用も、運用の手間もうんと節約出来る。
当グループの50人規模以下のISO統合(9001+14001)コンサルの標準指導回数は、20回、11ケ月で完成する。
ISOは以前に比べ、新規取得は9001が減り、14001が増えている。
しかし、最近の特徴は、自社の為に、自社の体質強化の為にというISO本来の取得目的の企業が、むしろ増えている事だ。
「人から言われて」「取引先に言われて」は、以前の動機だ。
今は、もっと中身が濃く、運用しやすいISOシステムが主流だ。
ご参考までに。
今なら、助成金で、ISO取得費が100%賄えます。
詳しくは、ご連絡により、説明いたします。
ISO原人
審査の準備・・心得10か条
この文章は、ある指導先のために実際に使った、審査前のチェックリストだ。
ポイントを絞って、準備・心構えについて述べている。参考になります。
1. ISOの審査は、「認定審査」である
・ 「認定」とは<システムが出来ている事を前提に>質問してゆくもの
・ 従って不合格させるために行うものではない
2. しかし、審査とは「不備・欠陥、抜け」を捜すものである
3. システムの不備、不整合を「刑事」の様に捜すのが審査員の仕事
4. 伝票があれば、その様式が「ルール」である。
記入がないという状態は、「ルールが実行されていない」事になる。
5. 審査員はISO規格を殆んど「暗記」している。
・7.5.1といえば規格の文章が浮かんでくる。
ISOで「指摘=不適合」を受けるのは、規格を守らない時だけ。
6. 審査員は殆んど、その業界の現場実務を知らない、経験も無い。
・ だから、「このやり方で我々は永年やっているし、問題は無い」
と言う強い信念の主張ほど強い。
7. 我社の「品質・環境マニュアル」は審査前に、一応読み込んでいて、
ポイントとなるところは、チェックしている。
8. 審査員の年齢は55歳以上が圧倒的に多い。
製造現場で、製造、生産管理などを経験している人が多くを占める。
9. ただし、サービス業の経験者は少ない。
10.審査とは、個性が出るものである。同じ現象でも指摘の角度、視点
<規格>が人によって、異なる。
現場審査対応チェックリスト12か条
1. □ 現場(事務所、倉庫)の5Sは実行されているか?2. □ 不要なもの<廃棄物>は明示(表示)されているか?
3. □ 商品と備品・機材は明確に識別されているか?
4. □ 顧客所有物はエリア分け又は、カンバンで区画しているか?
5. □ 消火器は表示と現物が一致しているか?有効期限内か?
消火器の表示がピアノに隠れていないか?扱える状態か?
6. □ 営業所周囲の水周り<汚水・雨水下水など>は把握しているか?
7. □ 品物<預かり品>と保管台帳は一致しているか?
8. □ 臭気、振動、騒音、土壌汚染の事前チエック!
9. □ 近隣の苦情は?コミニケーションの記録は?
10□ 商品保護の状態は?今の状態でいいか?
11□ 事務員さんへの質問に備えているか?
・ ごみの分別、環境目的、目標、日常管理、チェック
・ 電話注文、クレーム受け付け、事故対応、営業ノート、
・ 受注手順、変更手配、遅延の対応
・ 品質目標への自分の役割、自覚、教育
12□ リフトのメンテ、点検、定期に動作確認が必要なもの、設備など
審査は、“多少悲観的に”準備する。そして、当日は、“楽観的に対処”する。
受験勉強の要領だ。ISO原人
今なら、ISO取得費が100%賄える助成金が活用可能!
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ゴミ収集業、省エネとコスト削減を実現した14001とは?
この会社、茨城県の水戸市、ひたちなか市を中心に活動している。近隣の市町村から、ゴミ収集の仕事を受託している。
「パッカー車」という収集車を70台所有していた。この業界では、中堅の規模だ。
ISO-14000については、以前より聞いていたが、特に逸早く取得しようとは思わなかった。
そんな時、懇意にしている同業者がISOを取得したというので、早速「見学」にいった。
K社長が注目していたのは、従業員の「躾や、教育」の面だった。
K社長はいつも従業員に言っていた。「ゴミを気持ちよく処理すれば、人の気持ちも
きれいになる。汚い車で回っていると、そう思われない。汚い服装もいけない」と。
しかし、なかなか社内に徹底されていなかった。
同業者の見学で、見たかったのは、この辺だった。
見学して驚いたのは、全事務所、一時処理場など、すべての場所が、「ピカピカ」だった事だ。
「どうしてこんなに変わったのか?」責任者に質問してみた。
答えは意外にも簡単なものだった。
つまり、「職場、車、服装」の清掃、美化は、作業そのものと同じに「業務」なのだという事を、ISO策定過程で、皆が討論して、納得したからだという。
そして、もう一つ。従業員のマナー、挨拶が、格段に違っていた。
K社長は、唸った。そして、この事だけでも、ISOに取り組む価値はあると、思った。
早速、専務と部長に、ISOの取り組みを指示した。
ISOの取得は、9ケ月で、完了(認証)した。
しかし、その途中の6ケ月目に効果が現れ始めた。月間1,000万円以上かかっていた燃料費が、10%近く下がっていた。
社長は、経理課長に再度チエックさせた。間違いではなかった。
社長は、専務を呼んでISOの活動内容の詳細を聞いた。
専務の説明は、こうだ、
ISOの年間目標の中に、各チームで、
1、 経済速度60キロの遵守
2、 アイドリングの禁止
3、 毎日の移動経路の記録と最適な、方法の検討
を実行しているという。
1, 2は誰もが思いつくが、3は、従業員自らの提案だったという。
毎週職場で就業後、ミーテイングが開かれ、毎日のコース、経路の改善を検討したという。
時間帯を考慮した効率的な、ゴミ収集経路の設定、改善。さらに、収集ポイントごとの回収時間の測定など、今まで考えなかった事も把握するようになった。
「現場を回っている人しか判らない」ことばかりだ。
ごみの収集・・誰がやっても同じような仕事に、一見みえる。
「頭を使う仕事」と皆が思っていない。しかし工夫次第で、コストも「省エネ」もできる。
ISOを始めるまでは、運転日誌を付けてはいたが、改善までには到らなかった。
そこで、社長は、節約された燃料費の25%を毎月、達成チームに、「報奨金」として、還元する事にした。
現場は、さらに「モチベーション」が上がった。
K社長は言う。「わたしは、利益の事は、考えていなかった。」
いつも、言っていたのは「車をきれいにしておけ」だった。
燃料費の削減は、企業と環境に「貢献」した。
そして、何よりも「仕事の改善マインド」が作られた事が一番嬉しい。
各人、各チームに「目標」を与える事は、「知恵」を出す事に繋がることが実感
出来た。
そして、永年の「懸案」だった、職場の清掃、車の清掃、服装の美化、言葉遣い、挨拶の励行などは、社長が口うるさく言う光景はなくなり、今では、従業員がお互いに注意し合うようになっている。
ISO-14001とは、組織の「環境」へのマネジメントをルール化する「規格」だ。
しかし、同時に、「職場の意識の環境」をも変化させる。
現在この会社、大手企業との提携によって、大型ゴミ処理プラントを建設して、「ゴミ収集から、ゴミ処理まで手がける」総合環境企業として、発展している。
ISOの審査はどうなったら、「落ちる」のか?
これからISOを取ろうという企業には、関心の高いいテーマだと思う。
ISOの専門書
が世に多くある中で、以外とこの点について、詳しく書かれていない。
我々ISOコンサルタントは、何百という会社の審査結果を知る立場にあり、審査の
現場のリアルな状況が伝えられる。
「重大な不適合」
ISO審査では、この「重大な不適合」がいくつも出ると、不合格になる。
重大とは、何を指すのか?その典型的なのが
1.内部監査が実施されていない
2.マネージメント・レビューが実施されていない
3. システムに重大な「欠落」がある などが典型だ。
1.2.は理解できるだろうが、3.はいろいろある。
例えば、多いのが、9001の7章の設計・開発の「適用除外」について、適切な理
由かどうか?
また、「プロセスの妥当性の確認」の項目が、明確な理由も無しに、除外している場合だ。
また、実際業務が行われていないのに、記録だけあるような場合。実態がないために、「重い不適合」となる。
更に、「軽い不適合」が、同じ種類のものが、何度も何度も出てくると、「軽い」が「重い」に格上げされる場合がある。
ただし、「軽い不適合」ばかり10も20も出ても、不合格にはならない。
第一次審査で見つかる
審査は、2次に分かれているため、通常これらの不適合は、第一次審査で見つかるか、我々コンサルタントが審査前に発見する。
第二次で見つかったら、その時点で、不合格になり、場合によってはその場で、審査が中止になる場合もある。
ISOコンサルタントが指導している場合は、一次の前に見つかる。
問題は、プロに頼まず、自力でシステムを作った場合が危ない。
何故コンサルタントに依頼したら、100%近く大丈夫なのか?
1つは、コンサルタントのほぼ全員がISOの審査員資格試験をパスしており、かつ
その約60~70%が、現役審査員の場合が多い為である。
審査の質問パターンを覚えると、対応しやすい
<質問パターン>
1.これについてのルールはありますか?
2.そのルールどおり実行されていますか?
3.実行された記録を見る。そして、記録は正しいか確認する?
4.もし、このルール以外の状況のときは、どうしますか?
という流れが基本パターンだ。だから、何度もこのパターンの内部監査を繰り返し
トレーニングすることだ。
審査での多くの場合の問題とは?
1.緊張や「あがって」冷静に答えられない
2.質問の意味、規格のどこを質問されているのか、すぐに理解できない
3.質問を曖昧に理解して、的外れに答えてしまう
以上が、不適合を起こしやすい原因だ。
審査は通常50人規模の組織で、2人が2日くらいで行う。支店や工場がいくつも
あると、日数が増える。
通常の流れ
・ 社長(経営者)ヒヤリング・・30~40分
・ 管理責任者 ヒヤリング・・・60分前後
・ そして、各セクション、現場に別れる。
ISOの審査は本来「認定審査」という認識
「認定」とは、どういう意味か?
「わが社はISOのシステムが出来ました。確認してください」
「はい、じゃ点検しましょう」という形だ。
つまり、入試のように、「落とす」為にするものではない。
だから、「重大」がなければ、殆ど受かる。
軽微な指摘が20個あっても、審査後「是正」し、報告すればよい。
因みに、当グループの最新の受審成績は
10月 A社 200人 サービス業 9001+14001 軽微の指摘 3件
11月 B社 31人 サービス業 9001+14001 指摘なし
12月 C社 29人 製造業 9001+14001 指摘なし
1月 D社 25人 商社 9001 指摘なし
と好調だ。
審査は恐れることは一切なし
今なら、ISO取得費が100%賄える助成金が
あります。詳しくは、ブログを確認ください。
ISO原人
ISOを取るなら、最低限知るべき審査機関の仕組み
~審査機関はよく判らない、しかし最低限知っておくべき事を押さえよう~
混乱している事、認証審査機関と認定機関の違い
ISOの審査機関は、国内には、外資系も含めて、80前後ある。そんなに必要か?
と思われるが、認証件数の減少に伴なって、最近若干減少ぎみだ。
ところで、認定機関というものをご存知だろうか。これは、審査機関を審査する機関で
日本に認定機関は一つしかない。
財団法人 日本適合性認定協会<通称 JAB>だ。通常「認定機関」は国に一つしかない。因みに、日本の<JAB>は経済産業省の外郭団体である。
IAFという国際的なISOの団体がある。各国の認定機関を統括し「相互認定」の仕組みになっている。つまり、英国の認定機関<UKAS>とJABは地位が同じで審査機関がどちらの認定を受けていても、審査の「価値」は同一になる。
世界規格であるISOはどの国でとっても価値は同じである。
しかし、実態と形式は異なる。実際同じISOの認定でも、JABよりUKASの方が“ブランド力”がある。
JABは世界ではメジャーではない
輸出に頼る企業には、UKASをお勧めしたい。JABは日本では「メジャー」だが、国際的には、決して「メジャー」ではない。
ISOは審査機関が認証する。その審査機関を認定機関が審査して認定マークを与える。審査機関の品質を保証している。
どの認定機関を選ぶかは審査機関の自由だ。日本の審査機関が外国の認定をとってもかまわないし、いくつも認定を取っている外資系の審査機関がいくつもある。
よく、町でISOのマークと審査機関のマークを表示しているトラックを見かけるが、どうせなら、認定機関を表示したほうが意味があるのです。
審査機関と認定機関の違いご理解いただけたでしょうか?
尚、どの認定にするかは、担当のコンサルタントに相談すべきだ。
審査機関の選び方のワンポイントアドバイス
審査機関は、多くの審査員を職員としてまた嘱託として確保している。
そして、業界別、規格別に登録させている。
大きい審査機関ほどたくさんの分野をカバーしている。
そして、定期的に教育し、審査品質の維持向上に努めている。
実際、審査は毎年あるわけだが、同じ人が来るとは限らない。とすると、審査員による
意見の違い、指摘の違いがあったのでは困る。しかし現実には多いのだ。そこで、審査機関による「品質管理」が重要になる。
だから、審査機関を選ぶ一つのポイントは、正規職員の多いことだ。
そして、教育の頻度、審査の方針などだ。ばらつきが少なく平均レベルが高いのが理想だ。
外資系、独立系、そして日本の業界系列系
審査機関をあえて色分けすると、こうなる。私がお勧めするのは、この順番だ。
理由はこうだ。
最もISOの業界で、世界中で審査の経験を持っているのが、大手の外資系だ。組織の規模、業種、様々なケースに対応しノウハウを蓄えている。実際日本の審査機関より、10年のキャリアの差がある。
中には、世界数十カ国に支店、現地法人を持ち、同じく全世界に拠点をもつグローバル企業の審査を行っている外資系がある。日本の審査会社は残念ながら、そのレベルにはない。
独立系とは?
これは、業界(鉄鋼連盟やガス協会などの)団体とは無縁の独立した機関である。
この独立系には、認定にも加盟しないところもあり、また外国の認定のみというのもある。個性的だが、一つの理念をもって運営しているので、相性があえばお勧めだ。規模が小さいことが多い。
業界をバックにした機関は、約半分が「財団法人」で、民間でありながら「お役所」みたいなところが多い。未だに営業担当がいない場合も珍しくない。
歴史的に、その業界団体加盟の企業の審査で事業が成り立っているので、顧客対応が弱い。
中小企業に強い審査機関とは
ところで、最後に今のISO取得の中心である中小企業(50人以下が多い)に向いているのはどこか?
残念ながら、これも外資系になる。理由は先ほどの「経験」の話になる。
ISOはどの国でも、大企業から取り始める。そして中堅が取り、中小になってくる。
すると、10年先行している外資系は10年早く中小企業の審査経験・ノウハウを持っていることになる。
実際、大企業の審査と中小とはコンサルでも審査でも全く違うのだ。
つまり、その会社が金属加工か食品会社かの違いよりも、1000人規模か35人かという違いのほうが、やり方の隔たりは大きいのだ。
その点、独立系は歴史が浅く、審査事業を始めたときから、中小企業しか相手にしてこなかったという事情がある。この辺を頭に入れて、選んで行きたい。
審査会社は実はいつでも変えられる。相性がわるければチエンジ。
しかし、結婚と同じで、なるべく変えないほうが良いのは言うまでもない。
今なら、ISO取得費が100%賄える助成金を活用できる。
ISO原人
ISOはどんな会社でも取れるの?に答える
答えは「YES」である。 では「どんな」とは具体的に何を指しているのか?
1.どんな規模の会社でもOK?
2.どんな業種でもOK?
3.どんな目的でも、その会社がどんな状況でもOK?
1. 規模の問題。2人以上の組織ならOKだ。1人は難しい。以前当グループの
コンサルタントが2人の会社の認証を支援して、全国紙の夕刊に載ったことがあった。
2人とか5人という組織の場合、ISOは簡単に作れると思うとそれは大間違いだ。
実は、この人数になると、「コンサルタントの力量」がえらく必要になる。
何故かといえば、例えばISO9001の場合136項目の「規格要求事項」がある。
しかし、1万人の会社も5人の会社もこの要求事項の数は変わらない。だから、少人数の組織のほうが、一人何役もやることになり、システム作りに工夫と経験による判断が必要になる。
2. の業種の点では、これはなんでもOKだ。メーカー、建設、卸、商社、小売、サービスなんでも対応出来る。
ある人材派遣会社でISOのプレゼンをしていたとき、社長室長はISO9001って製造会社が取る規格だと思っていたことが判った。
CS部なんて聞いたこと無い
しかしその会社、何と組織の中に「CS部」なるものが既にあった。
「CS部」とは自社の派遣スタッフの仕事ぶりについて、“顧客の満足度”を定期的に調査し、その状況から自社の派遣スタッフの教育や、業務の改善を組織的に実践していた。
CS・・それは、最新のISO9001の2大目標<CSと継続的改善>の1つである。
我々の経験では、それを、CS部として、組織的に実践している会社など、大企業でも殆ど見かけない。
つまり、この会社、ISOを取る前に、すでに現在9001の肝心な部分(要求事項)を実践していることになる。
この点を指摘したら、9001のことについて、どんな業種でも取り組み可能なことを、即座に理解した。
なお、最近は以前に比べ、サービス業のISOの取得比率が、急速に高まっている。
そして高い成果が出ている。(詳しくは、ISOジャパンネットホームページ、またはブログの「サービス業で威力を発揮するISO」をお読みください)
NPOでも、学校でも宗教法人でもOK! そして本来の形に
3. どんな目的でも、OKだ。
以前は ・取引先から要求されて、・新規の顧客開拓を有利に運びたい・業界の中で地位向上と知名度向上を図りたいという目的が大半でした。
しかし、今日、圧倒的に多いISOの取得目的は「自社の体質強化と自社従業員の品質意識の向上」である。
ISOに10年以上携わる者として、「ようやくISO本来の形になってきた」と思う今日この頃である。
だから、現在ISOの新規取得自体は一時期より減少しているが、本来の目的のISO取得は増えていると思える。
そして、その組織がどんな形態でもISOはOKなのだ。
例えば、小学校がISO14001<環境>を取得しているし、NPOでもNGOでも宗教
法人でも、団体、組合でもOKだ。会社である必要もない。
個々の事情も関係ない!
よく、ISOを検討している企業で、こんな事を言われる。曰く
1. 人事異動が控えている
2. 決算がもうすぐだから
3. 今忙しいから・・・ などと言い、スタートを躊躇することがある。
そんなとき私は言う。
「社長、忙しくない会社は(暇でも)ISOは取りませんよ」と。
「ISOのマニュアルには山田部長という個人名は書きません」と。
そして、「御社の事業が同じなら、どんな組織変更があっても、いつでも、ISOは取り組めます。」と言うようにしている。
どんな、規模でも、どんな業種でも、どんな目的でも、どんな状況ででもすべてOKだ。
そして、今なら、業績が落ちて、相対的に仕事が暇な会社は「助成金」が活用出来るので、まさに、殆どの企業がISOに取り組める状況です!
詳しくは、ブログ「ISOの取得費が100%賄える助成金」をお読み下さい!
ISO原人
急告!!
ISO取得費用を100%賄える助成金
獲得は今が最大のチヤンス
~中小企業のISO取得費約300万が今なら無理なくゲット~
=こんな思いの中小企業(50人規模)経営者に最適です=
1.かねてより、自社の体質強化と業界での地位向上の為、ISOの
取得を考えていた。
2.しかし、この不況で業績が落ち、資金の余裕が無くISO取得は先
送りしようと考えている。
3.不況だが、リストラ(人員整理)はやりたくない、今は将来に備えて力を蓄える時期だと思う。
国の数ある助成金の中で、ISOの取得費が実質「ゼロ」になる助成金があります。
但し、この助成金を受給する為には、いくつかのハードル<条件>があります。
<ハードル>
1.100人以下の中小企業であること
2.業績が前年比5%以上ダウンしている事
3.人員整理をしていない事
4.ISOの教育を計画している事
5. その他 細かな2~3の要件を満たすこと
これらの条件を満たせば、助成金は受けられます。
この助成金は今しか申請できない“期間限定”です。
この助成金は、できた経緯を鑑みると、恐らくここ数ヶ月の“命”と言えます。
理由は、次の事情からです。
1. この助成金、昨年11月に民主党政権が条件緩和をした。と言う事は、
条件厳格化も景気の推移によって、秋にも十分ありえる事。
2. 御社の業績が今後少しでも向上すると、その時点で申請が出来なくなる。
3. また、今はよいが、上の条件の中の「5」についての細かな審査が厳しくなる可能性がある。
助成金でISO取得費を「0」にしたい経営者は、今
30年に1度の“絶好のチャンス”に出くわしている。
<50人規模の中小企業の場合をモデルに実際に試算すると>
・従業員50人、雇用保険加入35人、ISO9001の教育を15回(約1年)実施の予定
(試算) 25人×15回×助成金仮単価@12,000円=450万円
*助成金単価は、企業毎に算出結果が異なる
(参考) ISO(9001、14001)のそれぞれの取得費(コンサル料+審査料)は
50人規模で約 300万円<当社調べの相場>である。
今なら、この助成金でISO取得費を100%以上賄(まかな)える事になる。
今、限られたこの瞬間(数ヶ月)だけの与えられた「特典」です。早いもの勝ちです。
気づいた人は「幸運」です。
450万円の純利益は、あなたの会社の「いくらの売り上げに匹敵するのでしょう」
恐らく「 億」になると思います。
この不況に億単位の売り上げを新規に獲得するのは、「至難のわざ」です。
助成金の獲得は、難しくありません。数種類の申請書類を作成すれば可能です。
100人以上の中堅・大企業にはこの特典はないのか?
否、実は可能なのです。但し、助成金の助成率が低いのです。しかし、教育の参加者
を100人で考えれば結果(ISO取得費が100%賄える)は同じです。
(試算) 200人の企業、研修参加者100人、雇用保険加入者 160人
ISO研修会は3班に分けて18回コースで実施(ISO9001の教育)
100人×18回×助成金単価@10,000円
=1,800万円
(参考) 200人の会社のISO取得費(何れも概算)は
・ 研修費(コンサル料)=810万円 (18回を3グループ実施)
・ 審査費用 =250万円 合計 1,060万円
やはり、ISO取得費は100%以上賄えます。
100人以上の企業でも十分可能です。
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ISOについての詳しい話は他の「ブログ」及びISO指導実績250社以上の
ISOジャパンネットのホームページをご覧下さい。
ISO原人
現場の人が使いたがらないマニュアル<手順書>は
ISOでは作らない!
現場のマニュアル<手順書>という物は、現場の日常作業で見ることは少ない。
仕事をするのに、いちいちマニュアルを見るのは・・
1. 新人が仕事を覚える場合、
2. 希にしか発生しない仕事の場合
3. その仕事が極めて重要で、失敗が許されない場合
は、マニュアル(手順書)片手に仕事を進める。
通常の日常の「ルーチンワーク」では、マニュアルを見ることは殆どない。
特に日本人は。
めったに使われないが、現場の人に要求されるマニュアルとは何だろう?
一言で言うと「分かりやすい」ではないだろうか?
分かりにくいマニュアルとは以下のようなパターンだ
1. 文章が、硬く抽象的、かつ曖昧
2. 小説のようにだらだら書いてあるもの
3. 基準やポイントが示されていないもの
4. ビジュアル(図、イラスト、写真、動画)が少ない
という特徴がある。現場の人から「嫌われるマニュアル」である。
ISOのマニュアル、手順書はこれらと全く反対のものである。
栃木県の工場現場で
ある栃木県の製造工場で、ISOの取得指導をしていた。その工場では、イラン人
中国人、ブラジル人が約20人働いていた。
現場の手順書作成のところで、工場長と相談した。彼らは日本語は片言しか分からない。仕事は日本人のベテランが実地で教えていた。
しかし、現場マニュアルは無かった。日本語でマニュアルを新たにつくっても、外人用のものを更にまた作る必要があった。
そこで、我々は提案した。
DVD(VTR)で作業を撮ろう
日本人作業員のベテランのやる作業を撮影していった。約一週間を要した。
そして、外国人を集め順次上映し、質疑応答を繰り返した。
日本語が覚束ない為、なかなか意思疎通が難しいようだが、彼らは毎日現場
作業をやっている。DVDは作業を一目瞭然で確認できた。
我々がISOで目指す現場マニュアルは「実践的であること」なのだ。
審査当日も問題なくパス
審査当日、審査員に<DVD>を見せてから現場巡回(監査)を実施してもらった。
審査員も納得していた。
最後の会議(クロージングミーテイング)で、DVDの件は、当社の実情にあった正しい方法だとの賛意がなされた。
分かりやすく、使いやすく、実際的であること。これがISOで目指す我々グループのコンセプトだ。
それが、外国人にも分かるDVDによる「手順書」だった
生きたマニュアルとは
現場の人が活用するマニュアルそれはいつも活用され、メンテナンスが日常的に行われ、どんどん使いやすくなってゆく物でなくてはならない。
一度作ったマニュアルが何年も改定されないのは、活用されているとは、言えない。
何故なら、顧客の意向、経済情勢、社内の体制、事情など様々な変更要因が
存在する。
そして、現場のマニュアルは、現場の人自身が改訂してゆくのがベストである。
これがISOで我々グループが目指すマニュアル<手順書>の実際だ。
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ISO原人
サービス業でISOが威力を発揮する理由
ISOの取得がサービス業で盛んだ。当グループも運送業、介護サービス業などの
ISO取得支援をしている。
そして、従来の見方に反して、これらの現場では、多大な成果が見られる。その一例をサービス業の中でも「シビアーな現場」と言われる、医療サービスでの話をしよう。
ご承知のように、今や病院の半数以上が「赤字経営」となっている。それでいて、医師
及び看護師が慢性的に不足の実情。
医療サービスの重要な価値とは何かと言えば「命を守る事」だろう。しかし、その命を
守る方法は、高度な手術やCT,MRIといった高額な検査機器によるだけではない。
問題は、そういう目立つ事ではなく、日々の日常的な医療行為で、ISOが威力を発揮
していると言う部分である。
9001の「識別」「トレーサビリテイ」
「識別」とは何かと何かを区別すると言うこと。「トレーサビリテイ」とは、追跡可能性
の事で、問題があったとき、その原因を特定する手がかりがきちんとしていること。
ある患者に50ミリグラムの注射をするとき、間違えて150ミリ投与すると、薬によっては、患者が危篤になったり、体調によっては、急死する事すらありえる。
薬の量の外に、高血圧の患者に糖尿病の薬を投与したり、危険な事態はいくつもあり得る。
死亡事故は患者も気の毒だが、その病院にも「致命傷」を与えることがある。
その事故が原因で、来院患者が激減し、廃業に追い込まれる例は珍しくない。
多くの病院は、高価な検査機器を何億もかけて、導入している。たちまち、その返済
が不可能になる。
医師の指示ミス、看護師による薬の取り違えや、勘違いによる事故は起きてはならない。
極めて難しい手術や、高価な検査機器による事故よりも、日常の注射や投薬のほうが頻度がはるかに高く、事故の確率は高い。
わずか、3~5秒の投薬前の確認(レビュー)作業の抜けをなくすだけで、防げるのだ。
その、確認作業の確実な実行で、病院の「命運」が左右される。
ISOを取り入れている病院で必ず実行されている事
それは、投薬や採血のまえに必ず「お名前は」「生年月日は」と聴くことである。
例えば、既に1ケ月も入院していて、担当看護師がその患者を知り尽くしていても、
毎日必ず「名前」「生年月日」を確認する。
患者には、一見ナンセンスのように見えるが、そうではない。
看護師は通常20人くらいの患者を受け持っている。だから、その都度患者を確認することは、「必須の動作」なのだ。
分かりきった事、当たり前のことが、必ず実行される。これこそISOが職場で実践されている光景なのだ。
多くの病院では、最近入院患者の手首にプラスチックのタグ(腕輪)が嵌められていて
退院まで取れない。
そのタグには、患者の氏名と生年月日さらにそれをバーコードで印刷している。
患者に直接名前を聞くと同時にバーコードでも確認する。ダブルチエックだ。
安全性、信頼性の格段の向上
医療サービスの現場では、こうした確認、チエックが実行されればされるほど、安全性、信頼性は向上する。
命を守る医療現場は、万が一にも起こしてはならないのが致命的事故である。
しかし、不幸にも起きてしまった場合は、その原因を「追跡」しなくてはならない。
その考え方と、方法が「トレーサビリテイ」と言うISOの規格要求だ。
原因分析、再発防止策の検討・選択、実施結果の検証と言う一連の是正、予防
措置の流れになる。
「追跡できるような状態」にしておかなくてはならない。
「サービス業でISOが威力を発揮している」は事実です。
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ISO原人
「ISOなんか要らない」という声に答える
ISOが日本で本格的に普及して約20年が経ち、一応の社会的認知が得られ
と思う。
しかし、一方でマイナスの意見もない訳ではない。曰く
1.ISOなんて不要だ
2.ISOを取ったって、何の成果も出ない
という意見も出ているのも確かだ。
1.2.とも、ISOを取得してないと言えない意見だ。
全世界で100万社
ISOは2010年現在、全世界で100万社(組織)が取得している。日本はそ
の約1割10万社の水準だ。
毎年、単純に言うと世界で5万社ずつ増えたことになる。
ISOは、民間の「任意」の規格であり、国や自治体が奨励してはいるが、「強制」
ではない。
この事実を見ただけでも、「不要」なものが、これだけ普及する事はない。
つまり、「不要」という人は、「わが社には」と言う、前提があるのではないか。
事実上の標準<デファクトスタンダード>
世の中には、誰にも強制されないが、その分野では「殆どの人が活用している
もの」がある。例えば、マイクロソフトのウインドウズというOSソフトだ。
パソコンの95%に普及している。誰にも「使え」と強制されたものではないが、皆が使っている。
「使わざるを得ない」が正確かもしれない。これを、「事実上の標準」という。
ISOは、経営マネジメントの手法・仕組みとして、唯一の世界標準といえる。
ISOは、今事実上の標準になりつつある。
どの国の政府も直接その規格の内容や審査に関与していないが、ISOに対する評価は、一定の価値を認めている。
成果というもう1つの価値は
ISOを取得したが、成果が出ないと言う意見にたいしては、我々ISOコンサルタントの実感としては、取得した企業の約半数がこうした意見をもっていると思われる。何故か?
1つは、取得した動機に原因している。例えば・・
1. 取引先<得意先>からの要請
2. 公共入札などで有利になる為
3. 同業者が取ったから、遅れを取らない為に
に代表される意見である。何れも、自社の「意思」がない。
当然の事ながら「成果」は出にくい。
経営トップの「意思」が現場に伝わらなければ、活用は限定される。
成果は出にくい。
上記の動機は実は、初期(10年)くらいは殆どの企業がそうだった。
そして、もう1つの原因は、初期の頃の日本のISOコンサルタントの
レベルが低く、「複雑で、運用しにくいシステム」を指導したことである。
つまり、こうした要因、いきさつを持ったISO取得企業は、殆ど「成果
は出ない」のだ。
今は、自社自身の為に取得する企業が90%
我々は必ず、ISOの取得前に「どんな動機で?目的で?」と質問する。
今日、上記の動機を言う経営者は殆どいない。
自社の体質強化、業界内での地位向上を、実力を伴なって実現しよう
としている。
そして、こうした企業から特に最近、多大な成果が報告されている。
ISOで成果が出ないのは、その企業の取り組みに、なんらかの原因が
ある。
そもそも、ISOに成果を期待していない企業が「出ない」という。
「真剣にやれば、必ず成果は出る!」
ISOを人から言われて取る時代は終わった。
自社のために、体質強化のためにISOを取る。
以前のような「ブーム」は終わった。
しかし、私はこれからが、本当のISOの普及だと思う。
例え取得する企業が以前より減っても。
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ISO原人
3Kといわれた
3Kといわれた業種のゴミ回収業。茨城県のK社は、従業員70名。大手のゴミ回収業。先代社長がトラック1台から身を起こした。
2代目の現月山社長が、その行動力と粘り強さで今日を築いた。
おたくは、いつISOをとるのか?
経営が順調に推移する中、近隣の自治体を顧客とする中、窓口の役人から、お宅はいつISO14000をとるつもりですか? と聞かれるようになった。
月山社長は、「うちの会社は、お客の信頼を得られる事をいつも心掛けています。だから、特別そのようなものを持つ必要はないです。」 とその度に言い放った。
勿論、最近同業社の多くが、仕事柄ISO14000をとっているのは承知していた。何故なら、入札で、指定業者で指名される為には、一つの有力な資格である事に間違いなかったからだ。今、地方自治体自身がISO14000を取得している状況も、更に普及を後押ししている。
こうした時、同業者の会合があり仲の良いC会社のC社長と隣り合わせ、話題がISOの事になった。
月山社長は、その社長に持論をぶつけた。
C社長は、ニヤニヤして、ひたすら月山社長の言い分に耳を傾けていた。そしてポツリと言った。 「でも、うちの会社は随分変わったよ。一度見に来いよ。」
月山社長は、その自信ありげな言い方につられて、 「わかった!来月行くから。」と思わず言ってしまった。
床がピカピカ、挨拶も満点!
1ヵ月半後、C社を訪れた。まずびっくりしたのは、どこを見ても 「床がピカピカ」 で、あった事。更に従業員が皆、気持ちよく、丁寧に挨拶する事に驚かされた。
ISOの取得状況の説明を担当部長から受けたが、その事よりも 「床」 と 「挨拶」 の方が強烈な印象として残った。
「どうして、こういう状態ができるんだろう?うちではとてもここまで行けない。ISOでこんなに変わるのか?」と心の中で呟いた。
C社は、月山社長のK社とは、競い合う良きライバルのような関係だった。いつも気にしていたが、仲は良かった。
それから約2ヶ月間、月山社長は、あのC社のような状態に自社を持ってゆくにはどうしたら良いのか考えていた。
そうした中、水戸のH製作所を退職したOさんが挨拶に訪ねて来た。その際、社長は質問してみた。 「あなたもH製作所でISOをやった経験で教えて欲しいんだが、うちあたりで具体的成果が出るだろうか?」
ISOもツール!使い方次第!
すると友人であるOさんは、
「社長!何のシステムも技法もツール(道具)ですよ。道具!道具を使うのは人(=経営者)ですよ。」
月山 「だから、何故知り合いのC社はあんなに変わったのか?それを聞いているんだよ。その手法がISOなのかどうか?」
こんなやりとりを1時間した後、月山社長は、Oさんに
「どうだろう、あなたも定年になってのんびりしたいだろうが、ISOの経験を生かして、うちに週3日くらい来てもらえないだろうか?」
Oさんも話の流れに乗って、そんなつもりはなかったが、「アルバイトのつもりで手伝うか。」 と軽い気持ちでOKした。
K社のISO取得は、やや漠然とした中でスタートした。そして10ヵ月後、見事認証が取れた。
ISOは目的じゃない!体質強化が目的
社長は、その間こんな事を言い続けた。幹部に 「ISOを取るのが最終目的ではない。問題は、強い体質の会社にすることだ。じゃ、それはどういう状態かと言えば、C社のように会社のどこを見てもピカピカで、誰が会社に来ても気持ちよく挨拶できる社員にすることだ!」 と。
認証が取れた月の2~3ヵ月後。
総務部長がこんな報告をしてきた。
社長、当社はゴミ回収車(パッカー車)が60台あります。 このガソリン代が
月35,000ℓかかる。これが、ここ2~3ヵ月、28%ほど減っている。ℓ=100円として、70万円のコスト削減になっているという。
月山社長 「えー。そんなに減っているのか?仕事量が減ったんじゃないよな?
どうしてなのか、詳しく調べてみてくれ。」
半年前から、K社では、ISOの部門別目標の展開をスタートしていた。
各部門が年間目標を掲げ、実績を把握する会議を開いていた。
各人が“省エネルギー”“省資源”、環境に配慮した仕事のルールを守る具体策をつくり、実行していた。中でも最も大きい影響は、毎日使う車のガソリンであった。
経済速度の遵守、アイドリングストップの実行、空ぶかしの自粛、そして安全点検、その為の運転マニュアルの作成等を行い、実践していた。そして、それが確実に成果を出し始めていた。
それまでK社では、ゴミ回収車を運転する社員は、自分の担当する車が、1ヶ月に一体何リットル使い、何キロメートル走り、燃費(リットル当たりの走行キロ数)について、考えたことはなかった。
毎月の会議で、その詳細な実績が各人別に報告され、上手な運転の仕方をしているチームに具体的が質問がされるという場面が見られた。
月70万円のコストダウン→年間840万円~1,000万円。これは大変な成果であった。
社長はC社のような 「しつけ」 が実現されることを願って、ISOに取り組んだが、思わぬ成果が先に出現した。
しかし、職場や、60台のパッカー車も、だんだん綺麗になっていることも間違いなかった。
「ゴミを載せる車だからこそ、いつもピカピカにしろ!」 これが口癖だった。
「ゴミの車がピカピカなら、お客さんも安心して、ルールを守ってゴミを出してくれるようになる。」
こんな、ややこじつけの言葉を朝礼で繰り返していた。
そして社長は、コストダウンした利益を、貢献した社員に還元した。社員は、更に自分
の目標管理を推進していった。
月間MVP賞を設け、個人表彰を毎月1日に実施した。
ISOはコストダウンに役立つ?
ISO原人
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期間限定・関東地区企業優先5社、先着順
受注が落ち込み、ISOに興味
千葉県にあるC社は、創業が昭和44年、年商約2億円の下請部品加工メーカー。
S社長は、16名の従業員で、10社の取引先から厚い信頼を得る仕事を、誠実にやっていた。
S社長は、常に新しい方法、管理システムには関心を持ち、様々なセミナーや勉強会に参加していた。
その社長も、創業当時は、資金繰りに大変苦労した。創業2年目の夏、受注は順調だったが、資金が足りず、奥さんの実家から300万円を社員のボーナス資金として借りた事もあった。
それ以来、無借金経営を心掛け、現在ではそれを実現し、かつ品質の向上と、技術のレベルアップ、社員の教育に力を注いでいる。
こうした中、どんどんこの業界(遊具の部品加工)も受注が落ち込んでいった。
そして、夏のある日に、一片の通達のようなものが、最大手の取引先の社長名で回ってきた。
「当社は先日、国際規格のISO―9001をとりました。
品質マネジメントシステムと訳されるこの規格は、仕事の仕方を標準化し、継続的にそのレベルを改善してゆくもので、今後、製造業に於いては、不可欠な規格になると確信します。
就きましては、当社の社員監査員が年2回、御社を下請負企業として、監査し、評価の結果を連絡させて頂きます。そして、必要な改善事項については、3ヶ月以内に実施されるよう希望します。」 ……という内容だった。
勘のいいS社長は、これは「下請けの選別だ」と直感した。そしてさっそくISOについての情報を一週間で収集した。
しかし、本を2~3冊読んだが、よく判らなかった。そこで知人から聞いて、更に実際にISOを指導している人をさがし、その人に話しをきいてみた。
約4時間、詳しい話をきいた。根堀り葉掘り。
よし、やろう!
S社長は話を聞き終わって、すぐそう思った。
S社長は 「ISOはややむずかしい部分もあるが、我々のような中小企業に向いているものだ」 と思った。
それは…
他の中小企業同様、我々クラスの会社は、優れた技術力、品質の高い製品づくりはできる。だから、ここまで生き残っている訳だ。
しかし、その技術を高める、或いはコントロールする管理技術が殆どなにもない。
人が辞めれば、又、一から教育しないといけない。仕事の仕方があるようでない。又、必要な図面や標準書がいつも使える状態になってない。
こうした事は、管理の技術、システムが無いからだ。この辺を直さなくては、強い会社にはなれない。つまり、生き残ってゆけない。
こう考えたS社長は、すぐさまISOをスタートした。お金がかかる。全部で
600万円くらいになる。今年の利益はゼロになる。しかし、ひるまなかった。
10ヶ月で本審査をパスした。残業で品質マニュアルをつくる日が月に4~ 5日発生した。社員から苦情がきた。
しかし、S社長は 「うちの会社が生き残る方法は、今のところ、これしかない! 頑張ろう!」と激励した。
そして、親会社は、C社がISOをとったという連絡を受けて、半年に一度の監査を省略すると連絡してきた。
親会社からの発注減は10%で収まっていた。他の下請け同業者は30%~40%ダウンしているときいていた。
30%~40%受注が減ると、会社の資金繰りがおかしくなってくる。信用保証協会の融資を申し込む企業が増えていると銀行からきいた。
同時に以前からやっていた、5S活動も前進した。
※ 5Sとは 整理、整頓、清潔、清掃、躾の 頭文字=Sをとって名づけられたもの 品質管理の最もベースとなるノウハウ |
それから半年後、同業者の下請企業1社が不渡りを出し倒産。更にもう1社は廃業した。
いずれも、C社と歴史、技術力等、同レベルの企業だった。
社長はこの話をその日の朝礼で全社員に話した。そして、我社が生き残っているのは、ISOのおかげだ。そして、深々と頭を下げた。
「皆頑張ってくれて、有難う!」
その後S社長は、社内の教育をコンサルタントに頼み、月2回指導してもらっている。
そうした改善を続ける中、S社長はこの言葉が、大変気に入っている
「凡事徹底」
当たり前の事をちゃんとやる……シンプルなコンセプトだが実はこれが出来そうで、
出来ない。
又、全員が出来れば、見違えるように成果(品質や納期、コスト)が出る。
当たり前の事が出来て、難しい事も生きるのだ。
難しい事だけしていればよい…という考えは全く間違いなのだ。
例えば
部品の加工をするとき
・ 設備の点検を、点検要領に従って必ず行うこと
・ 必要な抽油や、刃具の交換は、予め決めた間隔で必ず行うこと
・ 月1回は、設備をバラして徹底的にピカピカに磨く
等々、やれば誰でも出来る事を実行する。
この点をベテランの技能者に徹底するのが最も大変だった。要領のわかっているベテランは、基本を省略することがある。結構ミスが発生する。しかし、誰も注意しない。
これを直すのに、うってつけのキーワードだった。
クレームは大幅に減る
何故なら、内部監査員制度というISOの仕組で、半年に1回ペースで職場の監査を社員がやり、問題があると「是正勧告」が職場のリーダー宛に出される。
1ヵ月以内に対策をしなければならない。強制的に。
受注先が拡大
今迄主要10社と取引していたC社は、このISOをきっかけに、他の大手企業からも仕事の依頼、打診が増えていった。
そのとき、新規の取引先に行って、社長はISOを活用してどのような仕事の管理をしているかを、自社の品質マニュアルで詳しく説明する。
すると、先方は 「じゃ、お宅に頼みます」 と言う事が多くなった。
業界の不況は依然続いているが、C社はコストダウン目標も毎年達成している為、収益は改善している。
今、C社に同業社の見学者が、月に2~3社来るようになっている。いずれも、下請企業の社長だ。皆、何かを吸収しようという思いだ。
S社長は、一通り工場を案内した後、言う。
設備や機械は、今、廃棄する会社が多いので、中古の良質のものが安く買える。しかし、… そんなものより大事なものがある。
それは、「自社独自の管理システム」です。これは買うことは出来ない。社長自らがつくるしかない。
そのとき、スタンダード(標準)モデルとなるのが
ISO原人
緊急企画! ISO取得費が「助成金」で「ゼロ」になる! 〇かねてから、ISO取得をお考えの経営者に朗報! 〇不況だからこそ可能な、国の「助成金」を有効活用してISOを取りましょう 〇申請にはいくつか、条件があります。しかし、難しくはありません 〇詳細は、説明致します。至急ご連絡下さい、期間限定企画です。 |
利益が伸びない!
この花屋さん、東京の郊外にあり、殆どがパートさんでしたが、従業員は何と80名、この地域に、4店舗展開している。この業態では“大手”に入る。
社長の北村さんは女性 51歳。お母さんの始めた花屋さんを継いで、18年でここまで拡大した。キメ細かいサービスで、お客さんの心をつかんでいった。
女性は花をもらうと素直に喜ぶ。その心情を理解して、商売に次々反映させていった。
お誕生日や、結婚記念日、結婚式や法事のときの花の品揃え、値段の割りに見栄えのする花の選び方を、次々に工夫していった。
しかし、最近北村社長は悩んでいた。4店舗あるお店の利益が伸びないのだ。売上は順調だがロスが多く、結局、儲けが少ない。
「何故だろう?」 各店長とも会話してみたが、たくさんの「儲からない理由」を並べたてられ、逆に整理できない。
当り前の仕事が出来ていない
こうした中、知り合いの経営者(従業員40名・小売業)から、国際規格のISOをとった話を耳にし、様子を聞きに行った。
知り合いの元村社長は言った。
元村社長「いや、うちあたりで出来るか心配だったんだが、何とか1年かけて、認証とれたよ。書類づくりが大変だったけどね。」
北村社長「で、何か具体的なメリットはありますの?」 と素直に質問した。
元村社長「いや、まだそこまでは行っていないけど、ともかく、我社の仕事の整理が出来たのと、どこが問題かがすぐわかるのが、今の“メリット“かな… 」
北村社長「でも、お金がたくさんかかるのに、効果が出なかったらどうしよう、と思いませんでした?」
元村社長「勿論考えたけど、ISOはね、理解するとわかるけど、当り前の事ばかりなんだよ。当り前の事が、うちあたりの企業では出来ていないんだよ。」
北村社長「うーん。わかったような、わかんないような話ね。」 と、やや不思議がっ
た。しかし、その言葉とは別に、その社長の表情がやけに明るい事が印象的だった。
どうも、400万円くらいはかかるみたいだ。うちの年間の経常利益の約半分近い。結構な投資だ。
形式的にただ「カンバン」として取り組むほど、うちは余裕はないし、もう少し考えなくては……と思った。
2ヶ月がたったある日
北村社長は、お客さんから大クレームをもらった。電話口で、カンカンになったお客が
「社長を出せ!」 とわめいたからだ。平謝りに謝って、「すぐ代品をお届けします。お
代は結構ですから。」 と。
電話の後、さっそく店長に「こんな初歩的なことで、何でミスばかり起こすの?当り前
の事が出来ないんじゃ、アルバイトだって、だめよ、ちゃんと教育しなきゃ。」
と、こう言って、ふと、「当り前の事ができないんだ。」という元村社長の言葉がよみが
えった。
そうだ、この辺だ!
と気づき、すぐさま元村社長に電話して、ISOを指導したコンサルタントを紹介してもら
い、会う約束をした。
今なら、ISO取得費が「助成金の活用」で実質10万円で可能になります。 期間限定、関東地区企業優先、5社先着順 |
1週間後、指導の契約をし、翌月、キックオフ。ISOの取得作業がスタート。5人のプロ
ジェクトチーム。全店長と息子の専務さんの構成。
そして、約10ヵ月後、見事ISO-9001の本審査をパスした。
そして、半年が経過し、月々の売上、利益をチェックしてゆくと、月にして30~40万円
の利益が向上していることがわかった。
何故だろう。ISOってそんなに効果があるのかしら。息子さんを呼んで、じっくりISOの
中味と、何をポイントにシステムづくりをしたのか、説明してもらった。
確かに北村社長は、ISO導入に当って、1つだけ息子さんの専務に言った。
「うちの従業員は、80%がアルバイト。でもお客さんにはそんな事は関係ない。誰が
やっても、同じ質のサービス・販売が出来るようになれば、ISOをやった意味がある。
この点だけは心してやってちょうだい。」 と言ったのであった。
期待以上の成果。ISOのせいかどうかよくわからなかったが、ようやく理解ができた。
ISOを取る為に、最も力を入れた事。それは…
お花の販売をちゃんとしたシステムにした事だ。
メニューがなかった
例えば
・ メニューをつくる
お花は店先で、ご注文によって花を見繕い、お客さんに渡し、お金をもらう。しかし、例えば2,000円の花の場合…
菊の花なら 何本 と決まっていないのだ!
バラの花なら 何本
その時の花の大きさ、仕入れが多い時、少ない時で、又接客する従業員によって、バラバラなのだ。
お客さんが、以前、バラを2,000円買ったとき、「10本あった。」 と憶えている場合は少ない。しかし、これはよく考えてみるとオカシイ。バラの大きさが中くらいのとき、
10本で2,000円と決めておくべきなのだ。
そこで、この会社は、15通りのパターンに分けて、写真をつくった。
定価をつけて。→ 全店の共通メニュー(マニュアル)とした。
又、お客さんから電話で注文が来ることも多い。
その時、店員はメモをとった。しかし、よく聞き違いが発生する。もっとも、お客さんも言い違うこともある。更にやっかいなのが、記憶違い。言った事をお客自身が忘れてしまうのだ。
これを解消する為にこの店では…
受注メモという様式をつくった。簡単なものだが、大変威力を発揮した。
レストランのウェイトレスのように。必ず、注文内容を復唱した。
FAX のあるお宅には、そのメモを確認メモとして、返信した。そうでないお客には、
「ご注文を確認いたします。」
“バラ(赤) 15本と、カーネーション(白) 10本”で、代金は 3,200円 明後日
午後1時お届けですね?
「申し訳ございませんが、今申し上げた事を控えていただけますか?有難うございます。」 というやり方をルール化した。
又、花はすぐ枯れる。いつお届けするかによって、又、その花をいつ使うのか、タイミングを聞いておくことも徹底した。
「ご主人の誕生日が4日後ですね。お届けは前日夕方に。はい、わかりました。」
そして、在庫のある場合は、少し花がつぼみの物を多くした。
そんな様々な細かなマニュアルを、わかりやすく、アルバイトが今日入ってきてもわかるように、写真と解説、注意点を書き加えた。
こうした売り場のマニュアルを20種類ほどつくり、店長にその指導要領を教育した。
効果は絶大だった。
クレーム 80%減
何しろ、1ヶ月で月に20~30件はあったミス、つまり、商品が注文したものと違うというクレームが80%も減った。
大変なコストダウンだった。花が無駄にならず、かつ、二重手間の配達が減り…という状況だ。
又、以前は、「花の本数が違う。この店はいい加減だ。」 というシビアーなお客は、黙って、他の店へ行ってしまったが、これがなくなった。つまり、固定客が増えていった。
約10ヶ月で、ISOの取得に要した投資、約500万円を取り戻した。
更に、売り上げが伸び出した。利益率が上がり、売上との相乗効果で、2,000万円以上の経常利益となった。
定着率も改善
又、面白い事は、アルバイトの定着率も改善されたのだ。
仕事を先輩の見よう見まねでやるよりも、ルールや方法が、はっきり目に見える方が、若い人はモラルが上がるという単純な理由だった。 毎月、20~30万円かけていた求人募集費用も、2ヶ月に1度で済むようになってきた。
北村社長は、最近つくづくと思う。「当り前の仕事と思っている事が、当り前に行われる事こそ貴重なのだ。」 と。
この事例は、たまたまISO-9000の取得をきっかけに実現した改善である。何も
ISOを取らなくても出来そうな内容である。
しかし、ISOは、仕事の標準化だけを念頭においているのではない。、この度の規格(9001・2008年版)は、特に
1. 顧客満足の実現
2. 継続的改善 が2本柱になっている。
この考え方が、50ページに及ぶ品質マニュアルのいたる所に顔を出す。
ISOとは、その会社の仕事の商品や、サービスを保証する規格ではない。
何を保証するのか?
その会社の仕事の質=経営の質を保証するものなのだ。
だから、社長からアルバイトに至るまで、どんな考え方と、どんな仕組(ルール)で仕事をするのかを定めた「会社の憲法」なのだ。
「仕事の仕方」… これは、サービス業、ソフトウェア業、販売業という業種では、殆ど人任せ、当事者任せである事が圧倒的に多い。
均一なサービス、販売、接客はなかなか行われない。
商品を海外に輸出している製造業が、最も早くISOに取り組んだ。
しかし、今では、“引越しのS社”がTVで宣伝しているように、サービス業の方が、効果が挙がるとわかってきた。
人手に頼る商売こそ、ISOは威力を発揮する。
人が直接、接する業種こそ、ISOの意味がある。
という事が実証されつつあるのだ。
マクドナルドの店頭のアルバイトに
「ハンバーガーが1個ですか?… お飲み物はいかがしましょう?」 と聞かれる。
すると、つい 「ホットコーヒー 1つ」 と言ってしまう。
「お飲み物は… 」は、マニュアルで言う事が義務付けられている。
言うと、言わないでは、売上げが恐らく、何十億も違うと思われる。
小売業、サービス業の方々、是非これを念頭に、今の自社の仕事を見直してみましょう。
ISOは何故、これほど普及したのか? それは、
こうして決めた「ルール」が実行されているか否かを、定期的に、お金を払って、第三者に監視に来てもらう事になっているからなのである。
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「ISOはその会社の製造する商品・製品の品質を保証しない」。なぜか?その証拠は?
それが端的に分かるのは、製品の容器やパッケージに「ISOマーク」が印刷されているのは見かけない。
当然だ。印刷したら、ISOのルール違反で、資格認定を剥奪される。
不良品の率
ある製造業が、3%の不良率ながらISOの認証を取り、ISOの仕組みを活用して、年々30%のペースで、不良率を改善していった。現在は1%を少し上回る状況。
一方、ISOなんか関係ない。うちは長年、品質管理を継続的にやっているから問題ない。現に、0.3%の不良率は維持している。という中小企業経営者もたくさんいる。
さて、問題はこうした状況で、「対外的にどう評価されるか?」を考えなくてはいけない。
何故なら、品質のレベルをISOは問題にしてはいないのだから。ISO9001は、どんな品質にかかわるマネージメントの仕組みがあるかを問題にしている。
だから、3%の企業がISO認証企業で、0.3%の企業がISOとは関係ない企業と
なる。
では、これからの展開はどうなるだろう。
たとえば、新規の仕事の引き合いがあったらどうだろう。
当然、ISO取得企業が評価されやすい。たとえ、品質の水準が劣ってもISO取得企業が優先される。何故か?
仕事を発注する側から考えて見よう。ISO取得企業は品質の向上について日々改善する仕組みがあり、かつその実施状況について、第三者(審査機関)による監査を受ける。
問題・課題があれば、第三者から、指摘を受けて、改善状況、方法を報告することになっている。
他方、ISOの無い企業は、例え今高い品質水準があっても、今後どうなるかは、未知数となる。
したがって、この不況に新規顧客が容易に開拓しやすいのはISO取得企業なのだ。
そして、さらに、環境の視点まで入れると、ISO(14001)の取得の有無は新規取引の決定的な要素になる。
鳩山首相のCO2の25%削減の国際公約は、徐々に産業界に浸透してくる事は間違いない。
「企業の存続コスト」・・ISOの必要性を考える場合の重要視点だ。
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