2010年 5月の記事一覧

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10年05月02日 05時15分21秒
Posted by: isojapan
何の商売・事業でも失敗はつきものだ。ルールは決まっていても、その通り出来ない事や、単純ミスで起こるものだ。その結果としてお客さんから苦情(クレーム)をもらう。


私の知り合いで、ドトールコーヒーによく行く人がいる。ある日、都内のドトールコーヒーに朝7時に行った。開店時間に合わせて。

 

 しかし、一向にオープン(開店)にならない。2Fフロアに従業員が居て、下りて来ない。大声を出しても聞こえない。イライラしているところへ、ようやく7:15に女性店員が来てドアを開ける。2~3人居たお客は口々に文句を言った。


「開店時間7:00と書いてあるじゃないか!」と。

「すいません。すいません。」 とあやまる店員。


そこで、私の知人は店の責任者を呼んで、言った。

「おたくは有名なコーヒーチェーンだろう? もう私はこういう事を3度も体験した。いったいどうなっているんだ。お客の事を考えているのか?」と言い放った。


店長は「二度とこのようなことのないようにします。」と繰り返すばかり。


私の知人は「おたくの責任者の公式な対応策をききたい。」 と更に言うと、店長は「それは申し訳ありませんが、勘弁してください。」と頭を下げるばかりで、埒があかない。


私の知人はここで引き下がらない。(珍しい人だが) 何と事のいきさつを書面にして、ドトールコーヒーの社長宛親展で手紙を書いた。


すると約1週間後、営業本部長(取締役)から電話がかかってきた。更に、相前後してコーヒー豆の詰め合わせが届いた。


本部長曰く「大変ご迷惑をかけ、不快な思いをさせ申し訳なく思っております。以後このような事がないよう、関係者に指示すると同時に、教育し直します。」 と平謝りしていた。


しかし、知人は言った。

「私は永年、ドトールコーヒーを飲んでいる。大変好きなんだ、お宅の味が。だから許せない。」「今、言った対応では私は納得しかねる。」


社長に合わせろ


「二度とこういう事が起こらない為の具体的ルールを示して下さい。」 と言った。更に「示していただけないのなら、社長に会わして下さい。」と追い討ちをかけた。(厳しい人だ・・・)


更に言った「あなた方、サービス業、小売業の人は常々お客第一だとか、顧客満足だとか言っているけど、こういう事態に対して、対応が全然いいかげんだ。」


「もっと真剣に抜本的に対応しなさい。」「そして、それをはっきりわかる形で、お客さんが納得するように示しなさい。」 と言った。


本部長はさすがに、声がつまった。「はい、よくわかります。」「もう一度社内で検討し。ご連絡します。」 と一言。


この実例で

クレームに対して、真摯に対応するとは、対策が問題の本質をつかんでいて、その場限りのものでない事が最重要ポイント。


関係者があやまるとか「教育します」とかは抜本的な対策ではない。

本当に再発防止をする姿勢と、ビジョンがあるか否か。


更に、この件をきっかけに、ルールや仕組(例えば、監視カメラをつけるとか、該当する店の責任者の評価を著しく下げるとか)にまでゆかなければならない。


クレームは、お客様の「叱咤激励」である。それを小言とみるか、うるさい客だとみるか、その企業のトップの考え次第。


「クレームから学ぶ仕組」をつくっている企業。クレームはその場対応のみという企業。大きく将来が分かれる。あなたの会社はどうだろうか?


「クレームに学ぶ」仕組

簡単そうで、けっこう実施されていない。

大手のチェーンなど、教育はかなりしっかりしている。その為のお金もかけている。


しかし、実践されているかどうかは、把握されていない。監視されていない。全国に何千店もあれば、そうなる。しかし、だからこそ「仕組」をつくっておく必要がある。


では、小企業ではどうすべきか?

それは、社長自ら何事にも優先して対応し、事の本質を見定めて、対応策(再発防止策)をつくるべきである。


そこには、業務改善のヒントがたくさん現れてくるはず。


クレーム学会なるものが出来たときく。

難しい理屈はわからなくても、その企業のトップの考えさえあれば、仕組はつくれる。


ある運送屋さんで、納品の時必ずハガキをおいてゆく仕組をつくった。不満、又は満足したこと、感じが良かったこと等、一ヶ月に数十通の返信がある。


社長に直接返信される。

この仕組をつくって2年。今では、お客様を紹介頂くことが増えてきた。月に20件前後、タダで仕事が見つかる。


営業所が4ヶ所あるが、その各担当者の仕事ぶりが手に取るようにわかると語る。

そして、重大なクレームのときは、社長自らがおわびの品を持参して訪ねる。じっくり

1時間は話を聞く。


その結果を必ず全担当者の前で発表している。

不況、廃業の多いこの業界で、むしろ売上、利益が増えているという。


ISOは<顧客の不満>を是正する仕組みにして初めて機能する!


                                         ISO原人
10年05月02日 05時14分27秒
Posted by: isojapan
これは、ISO9001の最大の目的である「顧客満足」について、実際ISO取得企業で実践した状況だ。


このホームページで「劇的成果」を挙げた運送業P社の話。

P社はピアノやコピー機の重量物をを二人以上の人員で運んでいる。

一方は一般家庭中心、一方はオフイス中心だ。


ISOを初めて以来、年1回は一般客にアンケート調査を実施している。

昨年は集計した結果98%の回答者が「とても満足および、まあ満足」と

回答していた。


しかし、一部の顧客は、「わがままな」回答をしていた。


これは、夏場にピアノを家庭に搬入する作業のときに起きる「不満」だった。


つまり、夏場30度を越える日に250キロを越えるものを運ぶと、作業者は汗ダラダラになる。生理現象だから仕方がない。


しかし、最近の顧客は、「要求レベルが高い、そしてうるさい」

アンケートに「汗臭い」と苦情を言う。さらに、「靴下が汚れている」と文句を言う

客も少なくない。


重量物であるピアノの搬入は、簡単には終わらない。荷降ろしして、5分や10分は

かかる。そして、据付後「取り扱い方やお手入れの説明」も義務付けけられている。


毎日、1日に3~4軒の納品を行う。

真夏は二軒目の作業前に、作業Tシャツは、汗だらけだ。そして、靴下も汚れてくる。

人によっては、「臭う」


作業の結果なのだから、と言いつつも顧客が「不快」と思っている事も事実だ。


昔の人は、こういう状況を「よく働くわね、ご苦労様」とねぎらい、冷たい麦茶をくれた。

しかし、今の主婦の中には、違う反応をする人も多いのだ。


最近の学校に「理不尽な苦情を言う親」とやや通じる自分本位の人。


この問題について、P社では、各営業所のリーダーがあつまり、改善検討会議が開かれた。2時間弱の検討の結果、以下のような改善案がまとまった。


1. 作業Tシャツはその日の納品件数分用意してゆく

2. 靴下も同様に準備

3. タオルを複数もってゆき、コンビ二などで小まめに汗を拭く。

4. 習慣化するまで、出来ているかどうかを相互にチエックする。

5. 顧客の反応を注意してみる。


と言う「改善案」がまとまった。

一般の人が見ると、「なんだ、そんな事か」と思うかも知れない内容だ。


しかし、この運送会社では、「画期的」な事なのだ。


つまり、いままで、ピアノの搬入は、販売店からの指示で動いていた為、顧客とは

この運送会社にとっては、「販売店」だけなのだった。だから、顧客からクレームがあると販売店から聞かされていた。


従って、よっぽどの苦情でないと来なかった。ISOを始めるまで、それが「顧客満足」

のモノサシだった。


ピアノを運ぶ一軒一軒の家庭に「聞く」ことは無かった。


こういう態度は、サービスを提供する側の論理だった。


改善の効果は抜群だった。満足度は更に向上した。そして、従業員の快適度も向上し、会社への信頼度が向上した。


今P社は、3つの長期作業改善目標を掲げている。

1. 作業技術の向上

2. 顧客とのコミュニケーションの向上

3. マナーの改善だ。


特に力を入れているのが、2.3.だ。


運送会社に就職する人は、通常人と話が苦手である。だから、営業ではなく運送

作業の仕事を選んだ。たとえ、1~2分の説明でも本人には、とても難しい

ことなのだ。


しかし、ISOを契機にドライバーたちは、1.2.3が出来て初めて仕事が完結したと

思うようになっている。


そして、P社は今年に入って、ピアノの足に履かせる「耐震マット」(定価6,000円)の

売り上げが前年を大きく上回る実績を挙げている。


殆どドライバーがピアノの納品の直後に、説明してその場で販売しているものだ。


これは、マナー教育、コミュニケーション教育の賜物である。

「顧客満足」・・P社では、ISOの取り組み前には無かった「概念」だ。


                                           ISO原人
10年05月02日 05時13分39秒
Posted by: isojapan
ISOを人材育成の為に導入する。中小企業では、「正解」である。


中小企業で人材育成は「永遠のテーマ」である。この最重要課題についてISO

では果たしてどうなるのか?


最も判りやすいのは、人材育成の仕組みが作りやすいのか?どうかである。


人材の育成でまず重要なことは何か?と言えば中小企業に於いては、「どんな

ことが出来る人材」かを、具体的に細かく、その「スキル」を示す事である。


何でも出来る人は、大企業に来るが中小企業ではそうは行かない。

問題は「明確な人材像」があれば、採用もしやすい。


ISOのスキルマップ

ISOでは、従業員を全員“スキル”の視点で「たな卸し」する。


縦軸に氏名を、横軸にスキル名をかなり詳細に書く。製造業であれば、旋盤とか、NC旋盤という風に担当する機械名を書く場合もある。


そして、そのスキルが4段階評価でどのレベルかを上司が年1回判定する。

更に、未熟なスキルをいつまでにクリアーするかを年間計画化する。


そして、その実技教育を誰がいつ(実施月)教育するかも計画する。

そして、記録し後日(通常2~3ケ月後)その教育が有効であったかどうかを、判定者を決めて行う。


もし有効でなければ、再教育の日を決め実施し、同様に繰り返す


ISOで重視している教育は、OJT<現場教育>だ。外部の講習は必要な時だけだ。

だから、教育が仕組みとして、定着しやすい。


ISO審査でも「教育」の項目は細かくかつ、厳密だ。


それは、ISOシステムはパソコンやITで実行するものではなく、「人」が実施するものだからだ。


人を育成する仕組み

中小企業の永遠のテーマだ。このブログですでに書いた、以下の二つを

読んでない人は是非参照して下さい。


「優秀な人材が集まるISO]

「技術者の大量退社を乗り越えた自動車部品加工業」

この二つの事例は、ISOが教育で重要な役割をになっていたことが判る。


人の育成の仕組みは、実は中小企業にとって、日々の仕事と同等に重要な課題なのだ。トップに望まれることは、この認識である。


業務の遂行と教育を意識としては、同じ価値を置けることが必要で、その為に

ISOが、重要な役割を果たすことは間違いない。


ISO原人
10年05月02日 05時12分51秒
Posted by: isojapan
助成金で、「150%」分の研修費が受けられる!

ISOの助成金活用第2弾!“一石三鳥だ!”

今度は、既にISOを取得済みの企業様向け企画

<こんな、ニーズにピッタリ!>


1. ISOは、既にとったが、最近ややマンネリ化ぎみで、内部監査員を再トレーニングしたい。内部の講師では物足りないが、外部の講師は費用がかかり躊躇している。


2.ISOを取得するときは、審査も控えていたので、全社員に一とおりISOの仕組みを研修した。その後毎年何人もの新入社員、中途社員が入り、各職場でISOの内部監査員が個々にISO教育を実施しているが、ばらつきが大きく足並みが揃わない。


3.内部監査員が当初の約半数に減り、補充する都度、個々に教育してトレーニングしているが一同に集まって研修する時間、費用が確保できず、困っている(管理責任者の思い)


<こんな企業に最適なのが今回の助成金活用企画です!>


例えば2.の場合  参加者60人を2回に分け2日ずつ研修を実施すると、助成金は


 ・60人×2日のMAXの助成金額は、・・164万円  になります。


当社の標準の研修費用は2回で約60万です。・・・「270%の助成」になります。


150%を越えちゃいました。


因みに、内部監査員研修は、社内で実施したほうが、外部より教育効果は、

格段に高いのです。


この機会に内部監査員の再教育や新規養成、社員のISO再教育を

国の助成金でやりましょう。

そして、不況なので「利益補填も」同時にやっちゃいましょう!


助成金について、その申請条件について、ISOの内部監査員教育、一般社員への

ISOの基礎教育については、お問い合わせ下さい。


詳しい説明をいたします。


                                         ISO原人
10年05月02日 05時12分05秒
Posted by: isojapan
~千年王国の仕組みとは?~


千年王国を築いたローマには、優れた仕組みや、思想ともいうべき「ルール」が多く

存在した。この話の続きだ。


ISOとローマの仕組みの共通点は、何かと言えば「人に頼らない」かつ「個人のカリスマ」にも頼らないことだろう。


しかし、ローマの歴史には、ユリウス・カエサルをはじめ、幾多の名将や名皇帝が輩出したが、やはりこの「法則」は貫かれている。


つまり英雄豪傑はたくさん輩出したが、あくまで「ローマ」という国家の枠組みのなかで個人の偉業がなされたことだ。


そして、今までの「ルール」は改革(メンテ)はされたが、否定はされなかった。

ローマは、政変はあったが、国家は1000年存続した。

敗者の同化


ローマの拡大と繁栄の最大の要因がこのルールである。


前回ご説明したように、ローマは最盛期には、全ヨーロッパ、小アジア、北アフリカ=地中海世界全域、をほぼ支配していた。


つまり、あらゆる人種、民族と抗争し且つ勝利したことになる。イタリアのローマという一小都市国家が、わずか300年程度で成し遂げた偉業だ。


軍事力が強大だったという理由を挙げたがる人が多い。しかし、戦争に勝利しても、その国家民族を統治できるかどうかは別だ。この証左の事例が現代にもたくさんある。


現在、ローマに“匹敵する軍事力”を持つアメリカがイラクやアフガンで苦労している。それは、戦争ではなく「統治」である。


ローマは同じような戦役を千年の間に大小50回以上経験し、世界帝国を築いた。

そして、殆どの国を併合して、統治できたのだ。


その根幹が、「敗者の同化」という施策である。


ローマは戦争で勝利しても、例外を除いては「略奪」やその征服国民を奴隷化しなかった。

そして、その民族の宗教を禁止せず、風俗、習慣も認め、通貨の継続も認めた。


更に、相手が望めば、その国の安全保障もになった。その対価は10%の所得税ということもあった。相手は、軍事力を今の日本のように持たない場合もあった。


戦争より難しい統治


「統治の持続」は、敗戦国が長年恨みを募らせたり、反乱を起こしたりする要素があると、10年も続かない。


つまり、統治とはきっかけが敗戦であっても、双方がWIN-WINでなければ、長くは成立しない。


紀元前100年前後、当時の地中海の一方の覇者であった「カルタゴ」の名将ハンニバルが、戦う象を連れて、アルプスを越えてローマに攻め込んだ。


ローマは各地で大敗し、以後17年に亘ってハンニバルは、イタリア半島各地をせめ続け、殆どの会戦でハンニバルが勝利した。歴史に残る軍事の天才だった。


しかし、軍事的天才イコール統治(政治)の天才ではなかった。イタリア各地の領主

領民の多数は、結局ハンニバルに恭順しなかった。


「自分たちは、ローマの一員である」という、深い自覚を覆すことが出来なかった。

それは、ローマのそれまでの「寛容なる統治」のなせる技だった。


結局ハンニバルは、殆どの戦争には勝ったが、イタリアの支配者にはなれなかった。

そして後に、カルタゴは大敗し、ローマに併合される。


戦争より難しい統治、否、統治は戦争より遥かに高度なマネージメントなのだ。


更にきめ細かいルールが

ローマ軍が強かったのには、理由がいくつもあった。

1. 傭兵は雇わなかった、国民が兵士になった。

2. 指揮官は、会戦に負けても、解任されても殺されなかった

3. 25年兵役に従事したら、ローマ市民権が与えられ、殖民地を与えられることも


ISOでよく行われるルールの根拠は、

1. 人はミスを犯すが、人を責めない

2. ミスが悪いのではなく、再発防止(対策)をしない事が悪い

3. 一つの「教訓(=改善)」はルールにして、予防するようチームで共有する。


「人は信用しない、しかし人に力を発揮させる仕組みを、最大限知恵を絞って、

且つ過去の教訓も織り込んでルールや、法律にする、更に思想にする」


組織と個人はギブアンドテイク(WIN-WIN)の関係でお互いに発展する。

組織がある目的・目標を達成するためには、その参加者を支える仕組みや

ルールが必要。


参加者の「やる気」を支えるモチベーションの源泉も必要だ。


普遍的でグローバル


「歴史上唯一のインターナショナル・グローバル国家」とは、ローマ帝国への「最高レベルの組織」としての尊称だ。


アメリカも幾多の戦争と多数の人種を受容する点で、その資格はあるが、

ローマのような「寛容」とその思想に基づく普遍的ルールの面では、まだ物足りない。


ISOは、今唯一の国際的なマネージメントのスタンダードといえる。それは、

あらゆる国家、組織に受け入れられるルールと認められたからだろう。


1000年続く可能性はある。しかし、いくつかの課題もある。それは、ISOが進化

することだが、細分化して複雑になることだけではなく、小組織に大きな成果をもたらす運用法が必要だ。


<9001の2大目的>CSと継続的改善

顧客満足=パンとサーカス。そして、政体の柔軟な進化変革=改善の継続。


ローマの皇帝は円形闘技場コロッセオで剣闘士の戦いを、市民の人気取りの為に催し、貧民には、パンの無償支給を行った。


そして、ローマは、王政、共和制、帝政と国家の規模拡大と影響力に応じて、

政体を進化させた。


ISOは5~6年で、規格改定(規格の進化)が行われる。時代とISOの普及に合わせて。


ISOは、これからも進化するが、企業の98%を占める中小企業のマネージメントに

視点を下げないと「普遍的」には成りえない。

ISO原人
10年05月02日 05時11分19秒
Posted by: isojapan
大手自動車メーカーホンダの保安部品の製造を永年手がけているN社は21人の

従業員がいた。メーカーから見ると孫受けの立場。仕事は拡大している。国内よりも

輸出が好調なのだ。


しかし、メーカーの「安全」と「環境」への要求は年々厳しくなる一方だ。


吉沢社長は二代目。仕事は順調なのだが、悩みがあった。あと、2年半で、工場の

ベテラン技術者が、大量退職する予定なのだ。「団塊の世代」である。


ここ3年、工場には、何台もの大型機械を設備投資した。累計5千万円以上にのぼった。


問題は「技術の伝承」だ。


定年を延長することは可能だ。しかし、こちらが残って欲しい優秀社員は、待遇次第で、他に移る可能性がある。


今、この業界に限っては、“ミニ人手不足”が発生しているのだ。


この状況に社長は、既にメーカーからも要請のあるISOで解決できないか、あるコンサルタントに相談した。

可能性はある。しかし、うまくゆく保証はない。5分5分だ。

吉沢社長は考えた「5分5分ならやる価値はある」  「よし、やろう」


<そのやり方とは>

1.ベテランに、プライドに見合う立場を保証し、且つ相応しい待遇も与える。

2.ベテランの仕事のやり方を会社として 「トレース」=伝承する。

3.新人を3名採用し、中堅をベテランがトレーニングし、2年で技術継承する。

4.ベテランが技術の伝承を終えたら、更にレベルの高い(高付加価値の)仕事を

ベテランに担当させる。



社内マイスター制度発足!

社長の命名した制度の称号だ。5人の技術者が任命された。


  任命式は、盛大に行った。任命書を1人ずつ手渡した。 

  ISOの手順書の作成ノウハウが、活用された。

  

  2年以内と言う目標が示された。仕事のマニュアル化とその実地指導。

  Iスキルマップ、テクニカルレビューなどISOの手法は、様々活用された。


  いままで、“メーカー指定”の標準書が現場手順の中心だったが、独自の「スキル手順書」が作成された。

  

  マイスターが説明し、その内容を中堅社員が「ドキュメント」として手順を作成していった。その「手順」を元に、実地指導がマンツーマンで行われた。


  1年後、成果が出てきた。指導を受けた中堅社員のスキルの精度は、マイスターの85%のレベルまで達した。


  勿論、最終仕上げと出荷検査はマイスターがおこなった。


  ISOは、技術の伝承にも大変有効だ。

現場では、親子ほど年の違う“ペアー”が、遅くまで議論や質問を戦わしていた。


手順書は中堅社員がパソコンで文書化した。

月2回、技能検討会が行われ、会社としての「基準要領」が作られていった。


総数37枚の詳細な手順書が完成した。


2年後、マイスターは、5人の「弟子」の養成に成功した。


N社の「団塊世代退職問題」は、進化した形で解決した

                         ISO原人
10年05月02日 05時10分30秒
Posted by: isojapan
「内部監査」という制度はISO以外にもあると思うが、ISOのようにシステムの中で、重要な位置づけになっている場合は少ない。


審査における必須重要要件・・内部監査

ISOの審査(認証・維持)において、必ず確認されるのが「内部監査の記録」である。


初回認証審査では、内部監査が行われていないと「重大な不適合」になる。


そして、審査の報告では、最後に必ず、「この審査はあくまでサンプリングした部分の審査の結果である」という理(ことわり)が審査員から述べられる。


つまり、本来審査は、全業務について全て監査して初めて、システムの適合性が判断できる。しかし、実際問題全部の業務について監査はできない。


それは、膨大な量の伝票や、記録をすべてチエック出来ないことで理解できよう。限られた時間・コストでサンプルを見て全体を判断するしかない。


だから、組織自身が審査以外の機会に、内部監査することは極めて重要になってくる。ISOはその意味では、「性善説」だ。


つまり、ISOが組織で機能しているかどうかは、審査員の審査とその組織自身による「内部監査」が補完しあって、はじめて審査の信憑性が担保され、審査が完結する。


だから、審査員は、内部監査が活発に行われ、且つ、たくさんの「是正処置」が内部監査報告書に出されていると、目を細めて褒める。


そして、「この組織は、ISOにしっかり取り組んでいる」と思う。


ISO運用の要は内部監査なのだ

ISOは、取れたけど、成果が出ないという企業は、この「内部監査」の状況を見れば

何故、成果が出ないかすぐに理解できる。


何故なら、各職場の業務上の問題・課題が内部監査で指摘され、関係者が改善に向けて、意見・アイデアを出しているか?いないかは、報告に如実に現れるから。


最も良くない内部監査報告は、殆ど「特に指摘事項なし」というコメントが続き、報告が

白紙の状況の時だ。


そんな状態なら、ISOなどお金をかけてやる必要はない。


現場でのISO内部監査の問題点

日本の企業では、他部門の仕事ぶりを別の部門の人が監査する事は、殆どない。ましてや、問題を見つけ、改善を要請するなど「ありえない」事だ。


多くは、人と仕事が「属人化している」ので、職場への問題指摘はイコールその人を「攻めているような感じ」になる。だから、監査する人も、当たり障りのない監査になりがちだ。


そうすると、監査の形骸化が起こり、ISOが機能停止に向かう。


内部監査は担当者の人事評価ではない。

あくまでも仕事の遂行についてISOのルールを基準に監査して、問題をお互いにオープンに把握し、会社全体の問題と捉える視点が必要だ。


ISOは社風の変革を迫る

ISOの「内部監査」は、第一者監査と言い、組織のトップからの指示で監査が実施される。


会社から任命を受けた監査員がISOマニュアルを基準に各職場を「社長の代わりに」

監査すべきものだ。


だから、自部門の恥を隠すとか、攻められるという感覚を社内から一掃する必要がある。ISOによって、新たな価値観を作る必要がある。


ISOを取り入れて、成果がいまいちの企業は、この辺から変える必要がある。


内部監査員の技量を磨く

もう一つ重要なことは、取得後1~2後には内部監査員の再訓練をお勧めしたい。

できたら、社外のプロに頼んで。


ISOの審査員がよい。何故なら彼らは、様々な企業で監査を有料で毎日やっている。その人に学ぶ事以上にスキルを磨ける機会はない。


2~3年に一度やるべきである。


監査の品質向上はイコールその組織のISOのパフオーマンス(成果)の向上に直結する。


ISOは内部監査で決まる!過言ではない。


今なら、助成金の活用でISO取得費が100%以上賄える!


                             ISO原人
10年05月02日 05時09分37秒
Posted by: isojapan
いよいよプロ野球の開幕、そして春の選抜高校野球が始まった。野球好きの私は、わくわくする季節だ。


最近は、大リーグもいつでも見られ、興味が尽きない。


ところで、データ野球の今日、よく中継で様々な「指標」が解説に登場する。


「得点圏打率」「出塁率」「盗塁成功率」「エンドラン成功率」「対左投手打率」「配球図」

などだ。


野球は「ホームイン」した選手の回数の多いチームが勝つ。だから、盗塁がいくら成功しても、エンドランがうまくいっても、得点になることが「保証」されるわけではない。


これらは「途中経過」であって、結果<得点>ではない。


勝敗と密接に関連する「途中経過」の指標

しかし、これらの指標と得点との相関関係は極めて高い。つまり、これらが高い値を示すとチームは優勝争いに参加する事が極めて高い。


そして、日々の練習も「この指標」に基いて、コーチの指示のもとトレーニングに励む。


結果=勝敗、を良くするのはその結果に行き着くまでの「プロセス」を、得点が取りやすくなるように努力する事だ。実際得点に結びつくかどうかは、確率の問題になる。


弱いチームの改善

もし、あなたが弱いチームのコーチを任せられたら、どうするだろう。


もし、エンドラン成功率が低い場合は、いくつもの改善ポイントが考えられる。


1. 投手のモーションのクセをどう盗むか

2. 盗塁のスタートのタイミング

3. 走力のアップ

4. スライデイングのしかたの改善

5. 打者との連携、サインの確認ミスのなくしかた


などなどの「プロセス」の改善・強化だ。練習を繰り返し、実践で確認するしかない。


ISO9001・2000年版から明確になった「プロセスアプローチ」とは?

ISO9001は「品質マネージメントシステム」という。様々な組織の活動を通じて「結果」

としての製品品質や、サービスレベルを、プロセスの改善で上げてゆくシステムの個と。


<この経緯を企業の営業活動で見てみよう。>


営業の成果・ゴールとは、契約または、受注である。売り上数値になるもの。

しかし、多くの企業でプロ野球でもやっている事すら出来ていない。


例えば、次のような「プロセス指標」、あなたの営業部門にあるだろうか?


1.見込み客発掘率・・・・月に何件見込みを見つけたか?

2.有効面談率・・・・・・・・商談がステップアップした面談数の率

3.キーマン面談率・・・・・決定権のある人との面談率

4.見積もり提案率・・・・・商談をした中で、「見積り」を出した確率

5.成約確率・・・・・・・・・・商談数の中で成約した率


どうだろう?そんなに難しい「指標」ではないはずだ、しかしこのような指標を日常的に

管理し、営業部門の生産性を組織的にチーム毎に改善を継続している企業は殆ど見かけない。


これらの指標が何故重要かは、先ほどのプロ野球の例で想像がつくだろう。


つまり、プロセス指標には、改善の糸口、改善の視点が示されている!

プロ野球では得点を、企業の営業では受注を求めて日々努力している。しかし、求めている目標、レベルに及ばないときどうするか?


現場を預かっている者にとって、何をどうやって、この現状を打破するか?改善するか?は、藁(わら)をもつかむ思いで求めている事なのだ。


そこで役立つのは、結果指標の「得点」や「契約数」は役に立たない。


経営者・上司は、聞き方が間違っている!

よく見受ける光景。営業マンが大型の受注を取った。すると上司や社長がこう訊く。


1. 何が売れた?<製品名>

2. 誰が買った?<顧客名>

3. いくらの金額で?<受注金額>

4. そして、だれが売った?<セールス担当者>


全くナンセンスと言わざるを得ない!


プロセス管理の視点で言うとこうなる


1. その客のニーズはどうだったのか?

2. 何故わが社の製品に興味を持ったのか?

3. どんな、説明が購入を決意させたのか?

4. 「金額への要求」はないのか?・・・・・・・・・・・・・ という質問をすべきだ


何故なら、これらは、今後のマーケテイング活動、営業活動の改善に貴重な情報だからだ。皆さんの会社で、営業マン同士でどんな「会話」がされているのか?


そのやり取りで、その組織の水準、将来像が大体描けるものだ。

プロセスの把握、今後の企業の未来を決める。

ISO9001の重要視点だ。


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ISO原人
10年05月02日 05時08分13秒
Posted by: isojapan
~下請部品メーカーのISO-9001を中心に~




制作  ISOジャパンネット

(www.isojapannet.com)

南陽経営開発 株式会社

048-836-1488

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ISO取得を検討中の中小企業の為の小冊子

ドキュメント『維持審査の現場 』の内容紹介

<50人部品下請メーカー9001の事例>

・ISO審査員と現場担当者とのリアルな会話が印象的。ISOのポイント

となる審査項目について詳しい解説。

・全38ページの会話中心の判りやすい内容で構成。

・ブログでは知りえない「ISOの真実」が豊富に述べてあります。

・ ISOで成果を出す秘訣、工夫が随所に見られる。

・ 規格を忠実に守るだけではない「生きたISO」が実感できます。

・ コンサルタントの指導ノウハウ満載!必見です。

プロローグ   「維持審査はとくに何もなかった」

第1章 ISOの維持審査は、何の為に?やるのか?

第2章 ISO-9001「継続的改善」の進め方の実際

第3章 「顧客満足」はどうやって、測定するのか?

第4章 「品質目標の進捗管理」のノウハウ

第5章 「プロセスの監視と改善をどう進める?」

第6章 「維持審査と改善をリンクする体制とは?」

第7章 「審査員はコンサルタント?ではないか!」

第8章 「審査機関とのつき合い方教えます」~もっと要求してもOK~

第9章 「こんな審査は無駄だ!」

第10章 「良い審査はISOと会社を活性化し、儲かる会社に変身させる」
10年05月02日 05時06分34秒
Posted by: isojapan
取引先の評価・選別

ISO9001の規格要求の中で、5.4購買先の評価、選定という

要求項目がある。


自社の製品(又はサービス)の品質に影響を与える仕入先の評価は一定の

基準を設け、定期的に評価し、選定する事を義務づけられている。


必ずしもISOを取得していなくては、ならない訳ではないが、最も判りやすい

仕入先の評価(仕入れ品の評価ではない)がISOの取得である。


何故なら、アンケートを出している企業自身が通常ISO9001を取得し、運用

しているから、その意義と効用を体験している為だ。


無言のメッセージ   <9001の例>

こうしたアンケートが来たら、経営者はこう考えるべきである。


1. 仕入先であるあなたの企業(の品質の)体制を評価しています

2. ISOをとって、品質管理の仕組みを創る意向があるか教えてください、

(心配しています)

3. もし、明確に品質管理の仕組み(ISO)を作る予定(意向)がないと判断

出来れば、近い将来には御社との取引は、見直します。


 という意味(メッセージ)です。


「うちは、長年優れた部品を納入しているから、ISOなど取らなくても、

問題ないと思う」と考える経営者も多いだろう。


しかし、この答え方は、ISOをよく理解していない人の「言い訳」なのだ。


このアンケートは何を聞いてきているのか?製品品質のことだけを

訊いているのではない。


品質と体制両方なのだ。

アンケートを軽視してはいけない!

もし、あなたの会社が、その取引先オンリーだったら、選択の余地はない。

ISOを取らなければ、企業存続の危機になる、と考えたほうがよい。


もし、主要な取引先の場合でも、同じである。選別に洩れたら

一気に、売り上げの30%がなくなったら、「経営危機」を迎えるのだから。


今まで、10年、20年取引のある、取引先でも冷徹に考えるべきである。

「いい仕事をやっているのだから、」と慢心することは、禁物である。


プロセスと仕組み(体制)を問題にしている

いい製品かどうかは、毎回の受け入れ検査などで、既に判っている。

問題は、良い製品が出来る「過程=プロセス」や、問題が起きたときの

対処の仕組みだ。


例えば、自動車メーカーのリコールの場合などが典型だ。


「その欠陥部品は、OO年OO月OO日以降につくられたもので、そして、

それは、いつまで同じように作られたのか」という問い合わせに、


明確に迅速に「証拠=記録」を見せて答えなくてはならない。

それには、製造の細かな管理記録を常時提出できる体制を要求される。


ISOの取得とは、「いい品質」だけを要求されているのではない!


「いい品質」は勿論、そしてその製品をつくる、もろもろのデータや過程

の記録を完備する必要があり、


さらに場合によっては、従業員の育成計画や、熟練技術の継承の状況まで

問題にされる。


社内で、不具合(不良品)が見つかった場合の対処の仕組みや、方法なども

チエックされるのがISOなのだ。


ISOの取得企業と未取得企業との違い

ISOを取得した企業とは、国際的な認証基準をクリアーした企業であり、

その「企業のマネージメントの水準」を保証している。


未取得企業は、つくる製品のレベルがどんなによくても、社会的には

経営品質が国際基準レベルで保証されていない、ということになる。


取引先からの「アンケート」には、このような意味がこめられている。

「軽視するべからず」だ。


そして、たとえ取引先から言われて、「嫌々取ったISO」でも、

じつは、今後の厳しい仕入先の選別に万が一漏れて

あらたな取引先を探す時、どれだけ「強い見方」になるか想像して欲しい。


そして、例え取引先から言われたメッセージ「アンケート」であっても


「もうおたくの会社は、ISOを取るべき段階にきています」

というメッセージなのだ。自覚するべし。



                                   ISO原人


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10年05月02日 04時55分53秒
Posted by: isojapan
「136 対 52」

この数字は、ISOの規格要求事項の「9001対14001」の項目数の比較である。


9001の約38%のウエイトが14001だ。14001の「簡単さ」が、まずこれでわかる。


更に、14001の52の要求事項のうち、約40%が9001と重複している。


と言う事は、9001の経験がある企業が14001で新規にシステム構築する

ルールは、30項目になる。


9001の構築より、100項目も要求事項が少なくなる。

「超簡単」という言い方も頷ける。


実際、14001でも、内部監査、マネージメントレビューなどは、検討内容が違うだけで、やり方そのものは、変わらないのだ。


経験があれば半分以下のエネルギーで


ISOを、「いろはのい」から始めるのと、すでに9001の経験で、そのコンセプト、用語、パターンに慣れている企業が14001に取り組む事は、精神的、物理的エネルギーは、半分以下で足りる。


14001と9001規格の違いのポイントは、14001から言えば、


1.法令の遵守

2.環境側面の把握と管理


この2点に重点があることに尽きる。


詳細は略すが、正直言って中小企業で、ある特定の業種以外では、難しい

システム作りや分析(環境の)作業は、とても少ない。


法律については、所在する地方自治体のホームページで殆どチエックできる。


更に手間が省ける方法があった!

それは、統合マニュアルにすることだ。


統合とは、9001と14001を一つのシステム、一冊のマニュアル(品質環境マニュアルとする)で、構築してしまう方法だ。


すでに、9001システムが存在するわけだから、14001のみの「要求事項」を新規に

作る事になる。


当グループが最近指導した、半導体関係の中堅製造業(45人・東京)の例で言うと、

(統合)マニュアルが、54ページで、認証を果たした。


6項目しかない

そのシステムのISO統合マニュアルの目次を見ると、9001の規格項目と14001の項目が一覧で対比されている。


するとどうだろう「純粋に14001規格のみの新規規格要求」は、6項目しかない!


つまり、9001と重複する要求、例えば、「方針」は、品質方針と環境方針にそれぞれ

なるのだが、統合では、「品質・環境方針」と一本化して表現する。


その他、例えば教育訓練などは、やはりパターンは9001の枠組みを使って、

環境の教育項目を1,2加える形になる。


つまり、新たに帳票や、マニュアル手続(ルール)を作るのではなく、項目を追加

していく形になる。


「超簡単」は本当だった!


このように見ていくと、9001を取得した企業が追加で、14001に取り組むのは、

実際、新規に9001に取り組むのに比べると「超簡単」になる。


特に、14001の「環境側面」の「負荷が小」である業態の企業の場合は、この言葉が完全に当て嵌まる。


そして、審査の手間も別々に受けるより軽減(=工数削減)されるのは、間違いない。


そして、それは、審査費用に反映するのも、また同じだ。


結論

1. 9001を取得している企業で、14001に関心又は、潜在的必要性があれば、

すぐに取り組むべきだ。

2. そのとき、システム、マニュアルを統一して、「統合マニュアル」にすべきだ。

3. 中小企業の場合、管理責任者は9001と14001両方兼務にする。


以上が、今のISO取得の流れ(トレンド)に沿った、お勧めの取り組み方だ。


是非参考にして頂きたい。


                                    ISO原人


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10年05月02日 04時54分58秒
Posted by: isojapan
優良客獲得ツールとなった ISO9001+14001

~中堅運送業のISO取得による経営改革ストーリー~


 

  埼玉県、戸田市にある(有)M物流は、トラック26台を保有する、地域の中堅運送業。


昨年は、久しぶりに経常利益が、500万を上回った。例年8月はトラックが動かないことが多かったが、その年は8月もフル稼働だった。


この道一筋の47歳O社長は、温厚で勉強熱心だった。


国土交通省から最近発表された、「運輸安全マネジメント」にも逸早く関心を持っていた。


かねてから、自社のサービス力の向上と人材の育成に関心を注いでいたが、明確な方法が見つからなかった。


そして、悩みがいくつもあった!


顧客の構成は、定期顧客が約50%で、後の半分は1~2日前に依頼が入る「スポット業務」で仕事が埋まる毎日だった。


何とか、定期の優良顧客の件数を増やしたかった。


しかし、


この「スポット客」の業務で、先月も2件の“事故”が発生していた。


何と「100-0」(100%当社側が悪い)の物損事故だった。保険は掛けているものの、補償額は70~80万円になる。


ドライバーの意識の問題なのだが、年間10件近く発生していた。


O社長は、こうした状態をなんとか解決しうる仕組がないか悩んでいた。


ISOについては、関心はあったものの、どんな成果が出るのかよく分らなかった。


そんな時、一枚の「FAX」が飛び込んできた。地元の「診断士」からのISOの個別相談

の案内だった。早速、TELし一時間半説明を聞いた。


ISOは、小企業のほうが成果が出やすい?

はじめはやや耳を疑った。しかし、丁寧なその説明に次第に納得していった。


 そこで、O社長は、自社の課題を正直に言った。


 <課題>  1.事故の撲滅

         2.ドライバーの意識改革とサービス力の育成

         3.優良新規顧客の開拓


ISOコンサルタントは状況を聞いてから言った


「ISO(9001)は、経営全体を改善する“ツール”です。小企業は、この仕組を信じて

社長が先頭になって真剣に取り組めば、1~2年で成果に繋がります。」


さらにコンサルタントは「御社の課題は明確なので、この課題を解決するためのシステムの構築をやりましょう」と言った。


ISOの策定は、毎日業務が忙しいため、第2、第4の土曜日にプロジェクトを開催した。それから1年後、ダブル(9001+14001)でISOの認証を取った。


取り組む前までは、サービス業で、ISOがどれだけ有効なのか、やや疑問だったが、システム構築の過程で、充分有効だという、「確信」に変わっていった。


今まで何もしていなかった!

ISOを学ぶうちに、今までM社は、目標―実施―検証―改善の業務サイクルが殆んど「実施」を除いては、行われていない事が詳しく理解できた。


特に、人材育成の「方向」が明確ではなかった。

まず取り組んだのは 「1.の事故の撲滅」だった。


ドライバーは、毎日事務所に全員が集合するのは、業務の実態から無理だった。


しかし、常に事故防止の意識を持たせるには、管理者とのコミニユケーションは極めて重要だと思えた。


スポット業務の指示は、多くは携帯電話で行われていた。(これも指示ミスの原因の)


そこで、毎日O社長が「ボイスメール」で全員にメッセージを伝えた。毎朝ドライバーは携帯で社長の激励と安全運転の注意の声を聞いてから、出発していった。


また夕方6時には、携帯にメールで、ねぎらいの言葉とその日の「事故の有無」について報告があり、無事故の場合は「皆さん今日も無事故で終りました、有難う」と付け加えた。


このメッセージコールの継続で半年後「100%-0%」事故は年2件ペースに減った。


優良顧客開拓に取り組む!


ドライバーには、手製で自社のプロフィールを紹介する「ニユースレター」を毎月作成し、顧客の発注担当者に配らせた。


さらにドライバーに毎月、所定のフォームで「顧客レポート」を報告させた。


顧客の荷物の種類、その量の変化、新しい商品の情報、競合会社の動向などについて、報告するよう義付けた。


初めは抵抗があった。

走行日誌しかつけたことが無いドライバー達の報告は50%しか揃わなかった。


しかし、月に一度の検討会を重ねるごとに、報告の重要性が理解され、4ケ月後には、全員報告するようになった。


O社長は、この報告(情報)を丹念に収集し、分析した。そして結論を得た。

「やはり顧客は我々を評価していない!」

と“確信”を持った。 そして同時に、


O社長は難易度が高くても単価が高く成長性のある、安定した顧客の獲得が必要だと意を強くした。


現在、この種の仕事は、M物流よりもやや大手の企業が担っていた。

例えば、精密製品、ハイテク製品の運送がそれだ。そして、配送量も伸びている。


何とか、これ等の業務を担当したいと思った。


しかし、シビアーな納品時間や取り扱い、セッテイング要領などサービス力の向上が必要だった。


O社長は、このテーマを「人材育成の具体的課題」として設定した。

そして、この考えを、月1度のドライバーミーテイングで説明した。


今まで、会議といえば、重大な「事故」の報告と、再発防止、規律の徹底以外には開いた事がなかった。


O社長はいった。「我々がこのような仕事を手がけられるようになれば、利益も増え、君達の待遇も改善できる!是非協力して欲しい。」


ドライバーの多くは会議の当初 “そんな話は自分達の仕事じゃない”という態度で

全員腕組みし、沈黙していた。


ところが、その中で、先月転職してきたばかりの1人の若いドライバーK君が手をあげて発言した。


K君 「私は、前の会社で、今社長の言った製品の配送とセッテイングをしていました。その為に運ぶ商品の知識の習得とセッテイング要領の研修を1週間受けました。」


O社長 「それで、どんな風に」と促した。


Kさん「初めは、そんな事必要なのか?と思っていましたが、製品を理解すると、

ただ物を運ぶ感覚とは意識が違ってくるようになりました」


さらに「顧客の使用している姿、その製品のメリットなどが分ってくると、仕事への気

ちも変わってくる」と率直に感想を述べた。


その後、反対意見も多数出て、議論はやや混乱したが、O社長は言い切った。


「これから、半年計画でベテランのCさんとK君がこうした精密製品の運送、セッテイングについて研究し、作業マニュアルを作成し、実地訓練も行うことにします」と。


手順「マニュアル」は、2.5ケ月で完成し、訓練も実際の製品を使っておこなった.


新規開拓スタート!

毎月1回、主要顧客を回っている社長は、この作成した「マニュアル」を持参し、新しい仕事に対応できる事を、“見込み客”に説明していった。


しかし、すぐに仕事をくれるほど顧客の反応は甘くはなかったが、諦めなかった


それから2ケ月後、その冷たかった顧客の1社から[連絡]があった。


いわく「ハイテク製品の出荷が増え、配送が手薄になったので、おたくに試しにやってもらいたい」というものだった。


O社長は心の中で「やった!」と思った。

「この仕事をしっかりこなせば、その実績を元に優良顧客の開拓ができる」


そして、1年後4社の新規優良顧客を開拓。


毎月のドライバーミイーテイングは続けられ、安全の為の意識は高まり、新しい商品

の研修は、より細かくなっていった。


「なによりも、会議でドライバーから積極的なアイデイアがどんどん出てくるようになった事が嬉しい」とO社長。

ISOの徹底活用

運送屋はたくさんの荷物をはこべば良いのではない。

良いサービスを提供し、「質の高い運送」をしなくてはならない。


その為には、サービスの担い手であるドライバーの意識の改革と、そして「戦略」に

見合った教育、トレーニングが不可欠だ。


ISOに取り組む前まで、毎年定期的に、ドライバーを1日3万円の外部のドライバー講習に出していたが、今では不要になった。研修は社内でやるのが最も効果があると実感出来たからだった。


業務の研究、顧客の観察、そして戦略の見直しを業務サイクル<ISO>の中で取り組んでいった。


ドライバーからの毎月の報告、ミーテイング、朝夕の社長のメッセージとコミニケーションの量はISO以前に比べ何倍にも太くなった。


居ながらにして、社長は顧客、ドライバー、競合会社、業界の動向をリアルタイムで掴んでいる。


“有視界飛行”経営の実現。


いまO社長は、運送の仕事をもっと楽しく「考える仕事」にできる筈だと考えている。


・CS=顧客満足

  ・継続的改善        < ISO-9001システムの2大目標>


最近では、大手精密医療機器メーカーからも依頼があるという。この時の決め手は、

ISO-14001の取得が高く評価されたと言う。


M物流は、現在定期の優良顧客の比率が75%になり安定した経営を行っている。


この事例は、事実に基づいて構成されている。

運送業は、ISOが堅実に普及している。そして、成果が出る。

                                 ISO原人

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10年05月02日 04時54分05秒
Posted by: isojapan
ISOを取得したP社は、その後不況の影響で10%の業績ダウン。そこで、各営業所長は、新規開拓にISOの成果を活用してみた。その実際事例。

重量物<ピアノ、コピー機>の運搬を、2人乗務で行っている運送会社


  営業所従業員7名のP運送のM営業所のいまの課題は、年間2千万の新規の顧客を開拓し、採算を黒字化することだった。


N所長は、引き合いのあったコピー機販社の営業担当常務との商談に臨んだ。


同業他社が2社相見積を出しており、常務から約2割安いものが出ていると連絡があった。


このR常務は、値段だけでは業者を決めない。作業品質、マナー、時間の厳守など細かい要求をしてくる。更に、従業員の教育など長期的なことにも関心を示す。


   P運送は、昨年全社でISO9001と14001を認証取得した。コストダウンが全社

   で実現し、成果が出ていた。N所長は新規顧客開拓に熱心だった。

 

         ・・・   R常務との商談  ・・・・・・・・

R常務:やーお疲れ様、お忙しいところ、すいませんね。まあどうぞ、ご商売はどうですか?

N所長:まあ、何とか前年キープというところですが、かなり、厳しいです。特に楽器屋さんの伸びが全然ないのが、しんどい所です。


R:なるほど、でもコピー機やOAは伸びているんじゃないの?

N:この不景気ですから、なかなかです。


R:ご承知のように、うちの商品は50キロから100キロはあるんだが、この分野で のおたくの実績は?


N:5年前から全社でC(キャノン)社の仕事をやっていまして、ご好評を得ています。

  因みに、昨年のキヤノンの配送業者の中の評価ランク2位を獲得しています。


R:ほーう、凄いじゃないか?ところで、お宅の業務の品質はどんな感じなの?


N:品質は一概に説明しにくいのですが、まずこれを見てください。

  と言って、過去2年間の顧客満足度調査のデータを見せた。


R:ほう、2年にわたって、98%以上の顧客満足度か?これは、個人の反応だね?

  法人の満足度の方はどうかね?調査している?


N:法人の方は得意先と定期的に打ち合わせをしています。荷主から問題点につい

  ては、具体的に個別にデータで指摘されています。


昨年一年で我々は全社で、事故件数を半減させました。うちの営業所でもほぼ

同じ結果が出ています。こちらが、ここ半年の実績です。


R:なるほど、いいね。時間の遅延なんかについてはどうなっている?


と矢継ぎ早にR常務は質問してきた。N所長は、以下のISO資料で具体的に説明した。

・ 品質目標実績表       ・ 事故件数前年対比実績

・ クレーム対応状況      ・ 顧客満足データ

・ 是正処置・予防処置     ・ 教育訓練計画 


R:ところで、従業員の教育はどうしているのかね?


N:はいそれは、こんな表を毎年作って計画管理しています。

「技能技術資格・教育計画一覧表」をみせた。


R:かなり細かいね、これは、だれが評価しているのかね?


N:私がおこなっていますが、定期的に社内監査がありますので、基準が甘い場合は、修正されます。


R:社員の定着性は?

N:当社は原則社員従業員です。アルバイトや派遣は長期的には事務員を除いて、いません。従ってドライバーの定着性はとても高いのです。


R:お宅と付き合うと、他にどんなメリットがあるのかね?


N:そうですね、他の営業所間とで仕事のやり繰りが出来るので、急な依頼にも対応できますし、大量の場合も、2~3日で全国対応します。


               ~中略~

商談は1時間を超え、R常務は、感心し納得したようだ。


仕事は来月から月150万ペースで仕事が依頼される事になった。

新規開拓は、成功した。

ISOは、営業のツールになる!所長は実感した。


P運送の所長の新規開拓営業で、ISOの取得をどのように活用したか

をご理解いただけたと思う。               ISO原人


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10年05月02日 04時52分48秒
Posted by: isojapan
3人の社長から相談が


最近の話で、実際に中小企業の経営者から続けて3人から質問された話だ。


中小企業も30名ぐらいの規模を超えると、多かれ少なかれISOやPマークに関心を持つ。


自社の「体質強化」や社会的認知度の向上など、様々な事情からだが、A社は事情がはっきりしていた。


A社は、ある外資系損保会社の何万人もの、個人データを倉庫2箇所に預かっていた。もし、盗難や漏洩になったら、大変なことになる。


そして、来年の更新契約の必須条件の一つに「Pマーク取得」の要求があった。


他のB,C2社は、こうした事情がなかった。


しかし、企業の組織および社員の意識の改革を「規格の取得」によって図ろうとしていたのは同じだった


なにもなければISO9001です!

結局、A社はPマークの取得を我々が支援し、B,C社はISOの統合(9001+14001)システムに取り組み、3社とも約1年後に見事認証を果たした。


Pマークは日本国内の規格で、おもに「個人情報」を取り扱う企業を中心にとりくまれている。


A社のように、顧客から要求されたり、業態自体が日々「個人情報」を扱い尚且つ、漏洩したら、会社の信用や、社会的影響が甚だしく「存続の危機」になる場合も珍しくない企業が当然関心を持つ。


例えば、学習塾などは、わりと身近な例だろう。


そういう背景がない企業には、私は必ずISO9001を又は、統合ISOを勧める。


何故か?


Pマークには、社員の育成や業務の改善やレベルアップの要求は弱い


プライバシーマークの規格要求は、目的が明確で、尚且つ経営の一つのマネージメントの側面ではあるが、必ずしも「全体的・全社的」なシステムではない。


そして、もう一つ。


そのシステムを「忠実に」「真剣に」取り組めば、その従業員のレベルや、業務の改善が進む、という点でISOよりは、とても弱いシステムです。


Pマークは、「セキュリテイ規格」であり、「なにも起こらない状態」がベストで、その為の、「禁止事項」がたくさん並んだ要求事項の仕組みといえる。


「OOしてはいけない」「OOは何にもとずいて必ず行うこと」とか「この情報は誰しか扱ってはいけない」等などだ。


改善意欲が湧きにくい。人間の共通心理だ。


ISOとPマーク迷ったら、ISO!

中小企業が今、ISOとPマークを盛んに取得している。しかし、「本当に必要なのか?」を事前に、よく検討しなくてはならない。


中小企業が少ない余裕資金で、会社の飛躍のために「規格の取得」に挑戦する。

そして、社内に定着して名実共に強い体質の会社にする。


その為には、その取り組む「規格」が本当に自社に役立つものかどうかは、慎重に検討する必要がある。


そしてもう一つの問題は、Pマークは今なかなか一回で「合格」しないのだ。


理由は、Pマークの審査の細かさと、それをクリアーできる優れたPマークコンサルタントがいないことによる。


なかなか合格しない、かつ取得しても会社が強くなりにくい・・・


Pマークが今本当に自社に必要なのか?

考えて下さい。


確信がなければISOです。



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