昨日の夜、若手起業家の集まりに参加しました。

30代~40代までの若手起業家12人が集まっていました。


僕が一番年上でした。

最初、少し嫌だなって思いましたが、

お酒を飲みながら話していると、妙に

楽しくなってきて、有意義なひと時でした。


いきなり、司会者に何かお話をして下さいとお願いされ、

また、全員に拍手され、ついついその気になって、1時間近く

話してしまいました。


参加している起業家は殆どがベンチャーでしたので、


『規模の経済性と規模の不経済について』の話をしました。


ご存じのとおり、規模の経済とはエコノミックス・オブ・スケールと言われています。

沢山つくって、沢山、売れば、固定費などのコストは安くなります。

また、沢山つくっていることで、つくり慣れてきますので、経験効果が働き、

生産効率がよくなります。これらは、エクスペリエンス効果と呼ばれています。


プラス、常に沢山、売っていることで、顧客の認知度も非常に高くなります。

商品の価格弾力性が高いモノであるならば、コスト・リーダーシップの強化に

大きくつながるので価格競争力が強化されるのです。


現在のような成熟した市場環境においては、余程、商品力で差をつけることが

できなければ、規模の経済性によって市場のシェアが大きい企業ほど、

コスト競争力が向上します。これは市場経済におけるひとつの常識として考えて下さい。



※『価格弾力性』~商品の価格を下げれば、沢山売れ、反対に価格を上げれば

         売れなくなってしまう。(通常、コモディティ商品に多いです)




次に規模の経済は良いことばかりでは決してありません。

組織が大きくなれば、成長ではなく、ある段階から膨張になることさえあるのです。

僕は組織の研究をしているので、今まで沢山の組織を観ていると、効率性を維持できる

物理的な限界というものもあるのではないかと考えています。

これは、満足と効率という言葉を入れ替えれば、限界効用逓減の法則と同じだと思います。


なので、規模が大きくなれば、大きいことは悪いことになることもあるのです。

これが規模の不経済と言われるものです。

具体的には、官僚主義の台頭であったり、マネジメントにおける不経済や、

専門能力の分散化、社員のモチベーションなどが原因で反対にコストが

増大したり、変化対応能力を劣化させたりするのです。


これらを人間に例えれば、身体が大きくなって肥満体質になってしまうと、

血液の流れが悪くなり、(企業に於いては、お金や情報、知識、知恵)

機能不全を起こしてしまうことになったり、身体の動きが鈍くなる。

以上のことを鑑みると、これから、あなた達が目指す企業像とは、

もう既にお分かりだと思いますが、小さくても強い会社なのです。

注力すべきはやはり人です。


これから社長として、人の教育に専念して下さい。

と締めくくりました。