前記事では広告を空中に浮かべる方法という記事を書きましたが、今回は壁などに投影した広告が歩行者についてくるというものです。

その名も「フキダシステム」というこのサービス、特定のエリアを移動する人の近くに広告メッセージのフキダシを投影し、それがぴったりついてきます。キャッチコピーだけでなく、画像や動画も投影することができます。複数の人に、それぞれ異なるメッセージを投影することも可能です。

これまでの静的なポスターでは見過ごしにされてしまうところが、このシステムなら注目を得やすいというメリットがあると開発元は強調しています。現場に必要な機材はカメラとPCとプロジェクターと手軽な印象。ただ、フキダシと限定するよりも、ポスターがついてくる、と表現したほうが適切でしょうか。〔フキダシステム〕というネーミングも、ちょい微妙です。

また、複数の人に別々のメッセージを配信(?)できるわけですから、年代・性別などの属性をその場で自動認識して広告を繰り出すことができれば効果はさらに高まり、媒体としての価値も出てこようというもの(現時点ではムリ)。

今後、「より高度な技術との組み合わせを模索したい」と開発元は発言していますが、やはり技術よりもソフトウェアのほうが大事でしょうね。たとえば、どのような商品広告に活用するか、どのような表現手法でアピールするか…。毎日の通勤(痛勤)時に、自分の意思とは無関係に不要なフキダシがまとわりついてきたら不快に感じる人もいるでしょうから、誰もが楽しく感じてくれる表現と商材でなければ逆効果になってしまいます。

そういう観点から、特定のイベント会場など似た目的や近い属性を持っている人々に向けて発信するのが効果的では。また、これまでの採用事例では映画宣伝などが多いようですが、子供やギャル向け商品に、動くことをうまく取り入れた表現アイデアで発信するとおもしろくなるはずです。

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