2008年 2月の記事一覧
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足掛け34年、商業施設開発のプロデュースとコンサルタントとして活動してきた私にとって、昨今考えさせられる事が増えてきました。
過去も今日も、そしてこれからも商品を提供する側(供給者)の小売業(飲食業、サービス業を含む)と、それを求める生活者(需要者)との間には、まだまだ広く深い溝があるものだと思うのです。
生活者の消費動向は、時代と共に変化している事は言うまでもないのですが、小売業にとっての普遍的原理原則論は、やはり(1)店舗の場所、(2)店舗の大きさ、(3)店舗の機能、(4)品揃え・店揃え、(5)仕掛けを、その時代のその業種として適応し続ける事で、初めて成立すると言う事です。
しかしながら、現実は同一商圏内での生活者数に対する商業施設は「オーバーストア」。それにも拘らず毎年新しい商業施設が開設されています。と同時に、既存店の衰退、もしくはスクラップ。あるいは近隣に新店舗が出来た事による影響を、何らかの施策を打つことなく「愚痴の連続」で終始する者など等、実態は複雑です。
このような中、既存商業施設(中心市街地の大型店、郊外のショッピングセンターも含めて)での空店舗スペースが年々増加しています。この要因は明確です。
1.その立地では採算が採れなくなった。
2.出店企業の倒産による撤退。
3.核店舗の集客力低下。
4.近隣における競合施設の出店による衰退。
5.施設全体のコンセプト不足。
6.業種構成とレイアウトを含むゾーニングの不具合。
7.施設そのものの老朽化。
8.競合商業施設間での出店テナントの同質化。
9.出店企業の業種転換によるミスマッチ。
10.生活者ニーズへの対応不足。
どの様な理由であれ、商業施設の所有者・管理者にとっては、空店舗スペースが存在すると言う事は、「みかん箱の中の一つのみかんが腐ると、その周囲のみかんも腐ってくるもの」と同じで、空店舗スペース周辺もその影響を受けるものです。そして更に、そのスペース分の賃料が減り、死活問題となるのです。このスペースを単純に埋めるためのリーシング活動を行っても、すぐに良い結果が出る物件は数少ないのが現実のようです。
これらの問題を解決するための有効手段は、なかなか見つかるものではありませんが、幾つかのヒントらしきものが、最近見えてきたような気がします。世の中には、まだまだ起業している企業があり、これらは何とかして新興勢力として既存同業種他社との差別化を図りつつ、出店の加速を上げようと手薬煉を引いているのです。又、単純なリーシング業務ではなく、その商業施設のSCMD(ショッピングセンター・マーチャンダイジング)の提案を含めた提供が不可欠とも言えるのではないでしょうか?
流通業界の各社、とりわけチェーンストアは一般的に店舗展開を行うのにあたり、出店戦略の一つとして、「プロットタイプ(基準店舗形態)」を策定しています。もちろん、年々このプロットタイプは進化、又は廃止を繰り返しているのも現実です。
その根底にあるものは、同業他社との差別化であり、独自の業態確立を意味するものです。プロットタイプは当然の事として、それに適した(1)立地、(2)規模、(3)施設形態、(4)品揃え、(5)ターゲット(客層)が想定されており、既存店舗においては、これらの諸条件とにズレが生じれば、基本的にはスクラップ(退店)をするか、新プロットタイプへのリニューアルによる軌道修正を行う事となるわけです。
前述しましたように、撤退の要因が生じれば空店舗化するのは自然の成り行きなのではないでしょうか。
これらの一部空きスペースを人間で言うところの「すり傷」と考えるのならば、バンドエイドを貼る程度で事は済むのかもしれません。しかし、実際は建物オーナーが後生大事に所有している物件でも、すでに軽症ではなく「大手術を要するか、すでに寿命を全うしているか。」というものが多数存在するものです。
一つの商業施設が同業種営業で半永久的に存続することは有り得ないものです。建物そのものの寿命が続く限りは「箱」としての存在価値があり、活用方法は有り得るもので、他業種への転換や商業施設から他の用途(オフィス系、住居系など)へ、コンバージョンする事などが考えられます。
しかしながら、建物所有者が流通業界の場合は、多くが商業施設として活用し続けようと考えるものでして、ここに盲点があるのかもしれません。
私が現在活動している「店舗のリーシング業務」の過程において、上述のような物件に遭遇する事はよくあるものです。
これらの対処の仕方として、私で提案できる方法論は以下のことが考えられます。
1.既存建物の解体と新規建物の企画・設計・施工・そしてそのリーシング。
2.既存用途の変更に伴うコンバージョン案の企画・設計・施工、リーシング。
3.既存建物・土地の売却。
4.サブリース専門業者への一括賃貸。
5.増築による規模拡大後、業種の入れ替えを行う。
他の方法論もありますが、集約して見ますと上記の5種選択となるのではないでしょうか。
過去も今日も、そしてこれからも商品を提供する側(供給者)の小売業(飲食業、サービス業を含む)と、それを求める生活者(需要者)との間には、まだまだ広く深い溝があるものだと思うのです。
生活者の消費動向は、時代と共に変化している事は言うまでもないのですが、小売業にとっての普遍的原理原則論は、やはり(1)店舗の場所、(2)店舗の大きさ、(3)店舗の機能、(4)品揃え・店揃え、(5)仕掛けを、その時代のその業種として適応し続ける事で、初めて成立すると言う事です。
しかしながら、現実は同一商圏内での生活者数に対する商業施設は「オーバーストア」。それにも拘らず毎年新しい商業施設が開設されています。と同時に、既存店の衰退、もしくはスクラップ。あるいは近隣に新店舗が出来た事による影響を、何らかの施策を打つことなく「愚痴の連続」で終始する者など等、実態は複雑です。
このような中、既存商業施設(中心市街地の大型店、郊外のショッピングセンターも含めて)での空店舗スペースが年々増加しています。この要因は明確です。
1.その立地では採算が採れなくなった。
2.出店企業の倒産による撤退。
3.核店舗の集客力低下。
4.近隣における競合施設の出店による衰退。
5.施設全体のコンセプト不足。
6.業種構成とレイアウトを含むゾーニングの不具合。
7.施設そのものの老朽化。
8.競合商業施設間での出店テナントの同質化。
9.出店企業の業種転換によるミスマッチ。
10.生活者ニーズへの対応不足。
どの様な理由であれ、商業施設の所有者・管理者にとっては、空店舗スペースが存在すると言う事は、「みかん箱の中の一つのみかんが腐ると、その周囲のみかんも腐ってくるもの」と同じで、空店舗スペース周辺もその影響を受けるものです。そして更に、そのスペース分の賃料が減り、死活問題となるのです。このスペースを単純に埋めるためのリーシング活動を行っても、すぐに良い結果が出る物件は数少ないのが現実のようです。
これらの問題を解決するための有効手段は、なかなか見つかるものではありませんが、幾つかのヒントらしきものが、最近見えてきたような気がします。世の中には、まだまだ起業している企業があり、これらは何とかして新興勢力として既存同業種他社との差別化を図りつつ、出店の加速を上げようと手薬煉を引いているのです。又、単純なリーシング業務ではなく、その商業施設のSCMD(ショッピングセンター・マーチャンダイジング)の提案を含めた提供が不可欠とも言えるのではないでしょうか?
流通業界の各社、とりわけチェーンストアは一般的に店舗展開を行うのにあたり、出店戦略の一つとして、「プロットタイプ(基準店舗形態)」を策定しています。もちろん、年々このプロットタイプは進化、又は廃止を繰り返しているのも現実です。
その根底にあるものは、同業他社との差別化であり、独自の業態確立を意味するものです。プロットタイプは当然の事として、それに適した(1)立地、(2)規模、(3)施設形態、(4)品揃え、(5)ターゲット(客層)が想定されており、既存店舗においては、これらの諸条件とにズレが生じれば、基本的にはスクラップ(退店)をするか、新プロットタイプへのリニューアルによる軌道修正を行う事となるわけです。
前述しましたように、撤退の要因が生じれば空店舗化するのは自然の成り行きなのではないでしょうか。
これらの一部空きスペースを人間で言うところの「すり傷」と考えるのならば、バンドエイドを貼る程度で事は済むのかもしれません。しかし、実際は建物オーナーが後生大事に所有している物件でも、すでに軽症ではなく「大手術を要するか、すでに寿命を全うしているか。」というものが多数存在するものです。
一つの商業施設が同業種営業で半永久的に存続することは有り得ないものです。建物そのものの寿命が続く限りは「箱」としての存在価値があり、活用方法は有り得るもので、他業種への転換や商業施設から他の用途(オフィス系、住居系など)へ、コンバージョンする事などが考えられます。
しかしながら、建物所有者が流通業界の場合は、多くが商業施設として活用し続けようと考えるものでして、ここに盲点があるのかもしれません。
私が現在活動している「店舗のリーシング業務」の過程において、上述のような物件に遭遇する事はよくあるものです。
これらの対処の仕方として、私で提案できる方法論は以下のことが考えられます。
1.既存建物の解体と新規建物の企画・設計・施工・そしてそのリーシング。
2.既存用途の変更に伴うコンバージョン案の企画・設計・施工、リーシング。
3.既存建物・土地の売却。
4.サブリース専門業者への一括賃貸。
5.増築による規模拡大後、業種の入れ替えを行う。
他の方法論もありますが、集約して見ますと上記の5種選択となるのではないでしょうか。
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