内閣府がまとめた11月の「街角景気」の現状判断指数は

前月より1.0ポイント高い40.0となり4ヶ月ぶりに上昇した。

要因として言われているのは

・円高基調が一服した

・気温の冷え込みで冬物衣料の売上が回復した

そして2~3カ月後の先行き判断指数は0.2ポイント上昇して、

41.9と7カ月ぶりに改善したが、

好不況の分かれ目である50ポイントは割り込んでいる。


又、内閣府発表の消費動向調査による消費者態度指数は

39.4と前月比で0.3ポイント低下し、3カ月連続で悪化。

景気回復が本格的回復に向かうかどうかは、

今週の衆院総選挙を終ってからの経済政策にかかっているようだ。


2012年もあと2週間、最終ピーク前の消費者は財布の紐を締めている。

イトーヨーカ堂の亀井社長は

・今の消費者は安くて、価値があるものでないと買わない

・求めているのは情報、商品情報を現場でいかに伝えて行くかが鍵になる。

情報をお客様に伝える為に、セルフ方式から接客販売の時代になったという。

その一環として人の見直しを行い、3年かけて正社員を半数に減らし、

パート比率を90%に上げ、社員は接客販売に力を入れてもらう計画だ。


消費者は何を求めているのか。

今年のヒット商品番付に挙がった「まるちゃん正麺」や「塩麹」にしても

商品の良さ・特徴が新たな価値としてコミュニケーションされヒットした。

商品が売れる為には、その商品情報をいかにお客様に伝えるか、

セルフ販売が主力のスーパーはPOPによるコミュニケーションの重要性が問われている。


シニア消費が話題になる中で、

年金の平均額は22万2千円の実収入で家計を全て補う事は難しい。

シニアの多くは支出にメリハリを付け、家計を賢く運用することに気を付けている。

そこで小売各社はシニア割引きクーポンやお買い物券を配布して、

消費を促すと同時に宅配に力を入れている。


ローソンはヤフーと提携し、来年1月からネットを使った食品や日用品の宅配を始める。

国内最大のサイトの集客力を生かして、ネット・宅配を強化する。

顧客はネットで注文すると、週1回指定時間帯に定期的に商品が届く。

送料は関東や山梨県は無料でそれ以外は有料となる。

2015年度には売上高1000億円を目指すという壮大な計画だ。


コンビニ大手のファミリーマート3~11月期の連結営業利益は前年同期比3%増となり、

3年連続で過去最高益を更新した。

ネット通販を手掛ける「ファミマドットコム」の利益も伸びている。


小売店は景気や競合店出店の問題で客数の伸びは期待出来ない。

今後は客単価を上げる為に、販売点数をいかにして伸ばすかに重点が置かれる。

その為には「今日のお奨め品」を明確にして、

先述の商品のセールスポイントをPRして取り組むことが重要になる。


小売各社は守りとしてのコストダウンにも取り組みが盛んに行われている。

・ヤオコーは2013年中にグロサリーや日用品を中心にした自動発注システムを導入する。

 標準店の品揃え1万3000品目の内、約3000品目が自動発注に変わる見込み。

 自動発注で発注にかかる時間を減らし、売場の充実など販売強化に当たれるようにする。


・ファミリーマートは弁当や総菜などの配送体制を見直す。

 関東1都6県エリアの全店を対象に2つの工場から商品を供給する体制に変更し、

 生産の効率化と災害に備えて、2工場で品目を再編する。


攻めと守りは企業が生き残るための戦略であり、

消費者に対しては潜在ニーズを発掘するために攻め、

企業内部には従来の経費はゼロベースの見直しで守ることが必要になっている。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net