小売団体が10月度売上高を発表したが、

・全国百貨店売上高、既存店売上高は前年同月比2.4%減(日本百貨店協会)

・全国食品スーパー、  〃 2.8%減(日本スーパーマーケット協会等)

・全国コンビニストア、  〃  2.1%減 (日本フランチャイズ協会)

百貨店は6ヶ月連続

食品スーパーは8カ月連続

コンビニは5カ月連続でマイナスの売上となった。

好調だったコンビニの10月客数は0.9%減、客単価も1.2%減となった。


年末商戦を控えて、

一足早く始まった米国の年末商戦は、

「財政の崖」が影を落とす形で、商戦開幕後の客足は鈍いとの声が上がっている。

この為小売り各社は大幅な値引きを強いられており、

早くも値引き消耗戦の様相を示し始めている。

・家電は32型液晶テレビが147$(12000円)など

全米小売業協会によれば、今月週末の売上も3%減になると見込んでいる。


その中で、日本のXmas商戦は、

インターネット会社の調査によると、5年ぶりの増加になるとの結果が出た。

消費意欲が落ち込む中で、首都圏に住む20~50代の男女500人の回答は

今年のXmas予算は22,671円と増えた。

消費者の平日は節約をしながら、ハレの日は贅沢をするハレの日消費は健在である。


国内では新規出店の立地が見込めない百貨店業界の中で、

阪急梅田本店が2005年からの改装を終えて21日に全面開店した。

売上は10月25日の部分改装から1カ月間に、

客数前年同期の2.2倍、売上は160%と出足は好調のようだ。

一方では三越伊勢丹HDの三越日本橋本店は店舗改装を1年先送りすると発表した。

足元の売上が前年割れを続いており、投資に見合う効果が難しいと判断した。


今後、好調が見込めるのはネット業界!

イトーヨーカ堂はネットスーパー事業の受注能力を倍増し、

1日の配送回数も13~14便に増やし、

15年の売上高を11年度比3倍の1千億円に伸ばす計画を発表。

同社のネットスーパーの売上は前年度比2割増と推移しており、

15年には単純比較で全体の1割に達する見通しになるという。


国内のネット通販市場は、2011年8兆5000億と前年比9%増えており、

最大手の楽天の売上は1兆1千億円と小売り大手の一角に入る。

そこにリクルートHDが来年3月に参入することを発表した。

出店者から受け取るシステム料金を押さえ、

小売り市場に占めるネット通販の比率は2.5%で、市場開拓の余地は大きいと判断している。


宅配事業では先輩格の生協供給高は全国ベースで1兆円を達成しているが、

ネットスーパーの台頭で事業モデルの見直しを迫られている。

首都圏生協のコープネットでは夕食弁当の宅配を実施しているが、

これと一緒に生鮮や一般食品を配送する実験を始めた。

宅配事業は週1回の配送だが、夕食弁当は毎日の宅配事業であり、

夕食宅配のお客様に食料品も一緒に届ける事が出来ればチャンスは大きい。


宅配事業に力を入れているのは外食各社も同じだ。

日本マクドナルドは全国展開に向けて、インターネットでも注文を受け始めた。

バーガーキングも宅配事業を実験中であり、

コンビニが出店に加えて宅配を始めたことに対し、巻き返しに懸命だ。

マクドナルドは2010年に宅配を始め、10月には17店で対応し、

導入店舗は8%の増収効果があり、既存店舗の補完的な意味を持つ。


小売りの波は店舗販売から、高齢化の波を受けて

各家庭の玄関まで届ける戸別宅配へと流れている。

そこには商品をただ届けるだけでなく、

消費者の要望を聞き、どのようなセールスと信頼関係を築くか課題になっている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net