「景気のスピード感が少し緩まっている」

古川経済産業省は10カ月ぶりに政府の景気判断を引き下げた。

景気のけん引役は秋ごろに内需から外需にバトンタッチすると見られていたが、

シナリオは変わりつつあるようだ。

政府は輸出や生産と共に海外の景気判断も下方修正した。

影響が大きいのは最大の貿易相手である中国経済の減速だ。

又、国内の個人消費を押し上げて来たエコカー補助金は今月で終了し、

10~12月は消費の反動でマイナス成長の可能性もあるとの見方がある。


一方、日本リサーチ研究所調べでは、

今後消費を増やすと答えた人は、全体の約2割と4年ぶりの高水準だった。

過去に比べて「医療、光熱」など必需固定的な費目を優先する傾向が強まっている。

その他支出増では「自宅での食費、家庭耐久消費財」等

内食志向と家庭を大切にする意識の高まりが表れている。

支出が減る費目では「外食費、預貯金、旅行、娯楽、被服等」が上位だった。

給与収入の伸び悩みや公的負担の増加を反映している。


消費支出は増加傾向にあるが、消費者はコストパフォーマンスを重視し、

本当に必要な商品やサービスを慎重に選択しているようだ。

節約志向が強い中、家庭を中心に消費が広がって行く傾向がある。

その中で、小売各社の商品開発はPB商品をメインに品揃えの巾を広げている。


・ホームセンターのコメリは得意の園芸分野でPB商品を拡充し、

 総合スーパーが食品や日用品のPB販売強化に対抗する。

 昨年の3倍の花の種類や苗をPBとして展開、

 苗と鉢や土、肥料などもセットで販売する。

 農場や種苗会社との直接取引により原価を押さえ、

 価格は通常の2割安から半額程度に押さえることでPB商品を展開。


・サークルKサンクスは7食分の冷凍惣菜を宅配便で届けるサービスを始める。

 商品はニチレイフーズやトオカツフーズなどが製造する冷凍惣菜を

 サークルKが専用に組み合わせて揃えた。

 カロリーや栄養バランスに配慮したメニューを提供し、

 高齢者や働く女性を対象に受注を目指す。


・マルエツはPB惣菜パンで

 特大のソーセージを挟んだ「シュマッツエン・メガドッグ」を発売。

 通常ウインナーの3倍サイズの90gを使用し、独自色を出して販売。

 価格は¥198と値頃で、ウインナーは桜チップでスモークしてあり

 旨味と香りを出した商品で惣菜パンとウィンナーの両方を売り込む。


外食産業が伸び悩む中で、

・サッポロライオンが4月・静岡市に開いた「かき揚丼・駿河丸」2号店は

 当初計画の4倍と絶好調の売上を立てている。

 看板メニューは「桜海老としらすのかき揚丼¥580円」で

 かき揚の高さが5cmもあり、歯ごたえがサクサクしている。

 地元のかき揚の味を追求して、巾広の鉢を使用して見映えを出した。


・日本マクドナルドHDはフランチャイズ方式の出店を拡大する。

 従来、社員OB中心だったFC店オーナーを外部募集を開始する。

 2012年はFC店の開設を昨年の5倍に増やして全体の7割まで広げる。

 FC店は本部費用が押さえられる為利益率は高く、

 同社は今後の出店の中心に捉え、効率を高める戦略を取る。


12年後期は景気停滞が予想され、消費者の節約意識はより敏感になる中、

消費を促すキーワードは

・価格以上の価値観

それは商品の外観、量感、味又は使い方の特徴ではないか。

価格は値頃で安過ぎても、高すぎても効果は続かない。

価格以外の価値観をどれだけ出せるかで、消費の喚起が引き出せる。
 


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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