コンビニ各社の店づくり、品揃え、商品への新規取り組みが積極的だ。

・ローソンは標準的な店舗の売場を約2割拡大し、陳列棚を増やし、

 野菜や総菜、店頭で抽出するコーヒーなどの新規分野を拡充する。

 売場面積は160平方m弱と広くなり、品揃えは300~500品目は増やし、

 主婦や高齢者へ客層拡大を目指し、品揃えと売場の拡大は続く。

 

・ファミリーマートはドラッグストアのヒグチと組み、

 「ファミマ・ヒグチ」の店名で医薬品を扱う新型店を出店する。

 コンビニ各社は薬事法改正に伴い大衆薬品販売を始めたが、

 有資格者の確保は難しい。

 売場面積は240平方mと平均コンビニの約2倍の広さで

 品揃えもほぼ2倍の5000品目を揃える。

 
・サークルKサンクスは店内調理を充実させた「FF強化店」を増やす。

 オーブンで焼き上げるピザや手作りおにぎり、サンドイッチなどを導入し、

 繁華街やオフィス街、駅前の店舗を中心に需要を開拓する。

 通常店舗の焼き鳥やフライドチキンの売上は日商14千円前後だが、

 FF強化店はこの2倍以上を販売した。


・ミニストップは店内調理の弁当や総菜を扱う店舗を拡大する。

 店内調理を扱う店舗は「ホームデリ」の名称で総菜や弁当の品揃えを

 毎日15品目、手作りおにぎりを10~15品目を揃える。

 ホームデリ店舗は女性客が4割に増え、売上も通常店舗より3割はアップすると言う。


コンビニ各社が力を入れているのが野菜の販売であり、

今期末に野菜取扱い店舗は5社で前期比5割増の24000店舗を越える見通し。

ローソンの1店舗当りの平均日商は2010年の51万円から11年は54万円に増加した。

スーパーの小型店化に対して、コンビニの大型店化で業態の垣根は薄まりつつある。


食品スーパー業界では最大手のライフCOと埼玉県が地盤のヤオコーが業務提携を始める。

PB商品の共同開発、加工センターの相互利用、人財の共同教育など

スケールメリットを追求しながら競争力を高める。

以前にライフCOの清水会長が食品スーパー大連合を唱えたが、それが実現に向けて進んでいる。


国内の流通業がイオンとセブン&アイの大手2社に対して

食品スーパーが力を結集して地域の食生活を守る戦いが始まっている。

そこには攻めと守りを両輪として回して行かなければならず、

・人口の高齢化による食生活の変化、

・生産人口の減少による消費金額の伸び悩み

・節約と本質追求の2極消費

その中で、販管コスト削減に立ち向かって行かなければならない。


先日の日経MJに流通業の今期決算は構造改革の賜物と言う記事が出ていた。

昨年の震災が半ば強制的に構造改革を促し、加速させたと書いてあった。

これは供給サイドにおいても同様で、

供給に制約があった中で商品を売れ筋に絞り込み、生産体制を再構築したことで

単品の生産効率が上がり利益改善した。


先週、社員1000人規模のスーパーで店舗整理、早期退職の計画が進んでいたようだ。

この先20年の国内人口構成、それによる消費生活の変化と

流通業にとって構造改革は待ったなしの状態であり、

スピード感を持って取り組まないと、消費者は待ってくれない。




今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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